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感想 白衣の嘘  長岡弘樹  医療短編ミステリー。「最後の良薬」のどんでん返しはスゴい。

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「教場」の長岡さんの新境地。
今回は警察小説ではなくて、医療物の短編集でした。

キャラ良し、展開良し、雰囲気良し
安定の読後感
短編ミステリーとして、かなり優秀です。

「最後の良薬」はとくに面白かった。
新人の医師の視線で語られる物語
自分を誹謗中傷する詐欺師の重病患者
優しい先輩医師
そして、驚愕のどんでん返し。
これは誰も想像つかないラストだと思う。


「人は心配なとき、その心配を一緒に味わってくれる人に好意を持つ。同じような不安を体験したという仲間意識は、患者にとても効く良薬なんだ。これは心得ておくといい」

この先輩の言葉が好きだ。
この新人医師は、患者の立場になって物事が見れる人なのだ。
彼の存在こそが癒やし、薬である。
だから、先輩も彼に期待して優しい。
そこに、あのラスト。
まさしく名作。

「彼岸の坂道」のセンター長は賢人だ。
二人の医師が次のセンター長争いをしている。
そんな時、センター長が大怪我をする。
この時のセンター長のとった行動がいい
ミステリーなんでネタバレできないから詳しくは語れないが
罪を憎んで人を憎まずなのだ。

2022 5 10
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