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2020年 6月のまとめ

6月の読書まとめです。

読んだ本の数:19
読んだページ数:4476

今月は、くすのき しげのりさんの絵本を集中的に読んだので
読んだ数は多いが、本当は、それほどでもありません。
絵本はストレス解消になるので、夏場に気分転換にいいです。
新作率が小説では高く、私の読書の定番の堀江さんやメンタリストDaigoさんもいきました。

今月は、小説にたくさん収穫がありました。
読んだ直後は疲れで低評価だった「おおきな森」
これは、やはりインパクトがあり良い読書だったと思います。
修羅の家とパライゾなどの少しホラーがかった小説も良かったです。
東京貧困女子。は読むべき本です。都会女子の真相に迫る本でした。
圧倒的にすごいと思ったのは、ラディカルズ。これは別格でした。
億男やGOは、映画化された小説です。
来月も週末は、積み上げ本の中から映像化された小説をピックアップしたくさん読んでいくつもりです。映画の感想はNOTEに書いています。

おすすめの三冊

・修羅の家 我孫子武丸
・ラディカルズ 世界を塗り替える <過激な人たち> ジェイミー・バートレット
・パライゾ 阿川 せんり

以下、簡単な感想。

修羅の家修羅の家の感想
我孫子武丸、恐るべし。まさか、ラストにアレをぷっこんで来るとは・・・。家族を完璧に洗脳し支配して犯罪を犯させる女。そいつから、初恋の女性を救おうと頑張り侵入し洗脳したふりまでするのだが、とにかくグロい。ミステリー形式なんだが、ホラーだと思いますよ。人間というのは、すごく泥弱で少し軌道を外れたら何をしでかすのかわからない存在だと、私は最近ずっと思っています。犯罪者と正常者のボーダーラインて簡単に超えられるし罪も続ければ慣れてしまい。洗脳のようになり、最後は人ですらなくなるのだと気づかされた。傑作だ。
読了日:06月03日 著者:我孫子武丸

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!の感想
どんな人間でも失敗はあり、それを後の人生にどう生かすかなのだと思った。少し上から目線で説教じみたことを言ってくるのがいらっとくる。子供向けのつもりなのだろうが、にしては内容が高度で、フロイトの「無意識」とかアインシュタインの「相対性理論」とか理解できないと思う。着眼的はおもしろく、色々と楽しめた。O・ヘップバーンがコンプレックスのかたまりだったとか、ライト兄弟が訴訟しまくっていたとか。ダリの変人ぶりも楽しい。野口英雄の武勇伝も笑えた。人は色々とあるのだな。与謝野晶子のは失敗じゃないよ。
読了日:06月05日 著者:大野正人

のら猫のかみさま (5つの風の絵ものがたり)のら猫のかみさま (5つの風の絵ものがたり)の感想
のら猫のかみさま くすのき しげのり とても優しい物語だった。妊娠していたのらネコのため、老犬はわざと餌を残していたという単純なストーリーなのだが、この優しい絵と猫視線からの描写で、最後は感動の物語へと転移していくのです。子猫が産まれてからの犬との交流がポイントで、子猫にとっては老犬は餌をくれる「神様」。このギフトは神からの贈り物だった。だから、猫は年取ると野良犬に「神様」にしてもらったように「優しさ」のおすそわけをする。「優しさ」がウイルスみたいに増殖していくという多幸感のあるいい話しでした。
読了日:06月06日 著者:くすのき しげのり

あたたかい木 (5つの風の絵ものがたり)あたたかい木 (5つの風の絵ものがたり)の感想
あたたかい木 くすのき しげのり 森の奥にあるあたたかい木は新種なのだろうか?。植物学者は、どうして研究を辞めたのか?。これは人前に出してしまうものではないと、これは心の中にしまっておくものだと思ったのかもしれない。どうして、そう思ったのか?。大人の私なら、直物学者の私なら新種発見の名誉に食いつくと思う。でも、この物語の植物学者は、そうでない。しだいにあたたかい木に癒されて息、これを外気の容赦ない人々に触れさせてダメにされたくないと思ったのだ。そういう大切なものを感じた話しでした。
読了日:06月06日 著者:くすのき しげのり

絵本版 海の見える丘 (5つの風の絵ものがたり)絵本版 海の見える丘 (5つの風の絵ものがたり)の感想
絵本版 海の見える丘 くすのき しげのり こんな人が町にいると楽しいですね。町の用事を一手に引き受けてくれるキャプテン。彼は、手伝った家にペンキを塗るのが好きだった。死んだキャプテン。「丘の上に・・・」と遺言を残す。キャプテンの遺体を丘の上に運ぶとそこには・・・。 という話し。子供が読むとラストは感動なのですが、大人が呼んでも気分爽快なのでした。
読了日:06月06日 著者:くすのき しげのり

少年の太鼓 (5つの風の絵ものがたり)少年の太鼓 (5つの風の絵ものがたり)の感想
少年の太鼓 くすのき しげのり 人は音楽によって癒されるものである。太鼓をたたくということだけなのに、少年たちは町の人たちをどんどん癒していった。生きるという行為の中に、音楽は必要である。音を楽しむと書いて音楽なのである。生きるとは、そういうことなのである。
読了日:06月06日 著者:くすのき しげのり

星のなる木 (5つの風の絵ものがたり)星のなる木 (5つの風の絵ものがたり)の感想
星のなる木 くすのき しげのり 絵がきれい。見ているだけでも癒される。この星のなる木は、本当に不幸のなる木なのか。それは、その人たちの強欲が招いてことなのではないかとおもっしてまう。欲望には際限がなく、この作中の金持ちのようになったら、もう、それは意味がない。
読了日:06月06日 著者:くすのき しげのり

異神千夜 (角川文庫)異神千夜 (角川文庫)の感想
元寇の時代から現代まで、時間軸という小道具を使って、SFとホラーをこねくりまわして、完成させた秀逸なる短編集。その完成度は高く、1つ1つの話しがとても面白い。いくつかのキーワードが、次の話し、さらに次へと広がっていく。「風天孔参り」が好きだ。女とレストラン店主の関係性の中に、自殺集団が割り込んできて、いや違う、彼らと彼女の中にレストランの男が入り込むのだ。中に入れば消えてなくなるという穴。あれは果たして何なのだろうか?。
読了日:06月07日 著者:恒川 光太郎

ラディカルズ 世界を塗り替える <過激な人たち>ラディカルズ 世界を塗り替える <過激な人たち>の感想
既成の枠組みに満足できない人。そういう過激派的な人たちが世界を変革させてきたのは歴史が証明しています。8つの過激な人たちの主張はおもしろく、世界の広さや人類の可能性を色々と示唆していて、とても楽しかった。テクノロジーを使って永遠の生命を希求しようとしている人、環境団体の活動の過激なのとか、国という枠組みを否定して「自由な」な国を作ってしまった人。フリーセックスを求める集団。ドラックを医療とかに使えると推進しようという人たち。イスラム勢力を敵とする人たち。皆、その考えに純粋で真面目に考えていたのが印象的。
読了日:06月10日 著者:ジェイミー・バートレット

思い出のマーニー (新潮文庫)思い出のマーニー (新潮文庫)の感想
ジブリで映画化されている映画の原作本。映画は、原作のあらすじだったんだ。でも、適格に良いところだけピックアップしていたとも思う。それは原作を読んで初めてわかること。主人公の少女の背景が、映画では軽く流されてしまい、よくわからないが、この作品を読むと彼女の葛藤がよくわかる。要するに養女であること、養父母がお金をもらっていること、そこに不信感のようなものがあり孤立していた。そこに過去の人物マーニーが出てくる。彼女が友達となる。実は、祖母だったというラストは「愛だよ」。祖母の孫に対する「愛」です。
読了日:06月12日 著者:ジョーン・G. ロビンソン

魔女たちは眠りを守る魔女たちは眠りを守るの感想
魔女の出てくる話しの短編集です。この物語の魔女は優しく、思い出と関係しているようだ。兄弟のサインボールの話しが良かった。魔女に願い事は?と聞かれ兄は野球選手のサインボールと答えた。そして、弟は兄の願いを叶えてくださいと言った。その弟の願いは早くに死んだ少年の兄と中年になつた弟の再会という形で叶えられるのだが、ここがいい。ちょっと泣けてくるような話し。魔女の力を良いことに使っている。とても優しい話しなのです。
読了日:06月14日 著者:村山 早紀

おおきな森おおきな森の感想
まるで辞書のようにページ数が多い。武器にも使えると思う。900ページ弱は、かなりのボリュームだが読みやすい。ただし、内容は難解だ。イメージは、タイトルの「おおきな森」。そのものだと思う。バルケスという人物が、「銀河鉄道」みたいな電車に乗っていて、溺死死体を見つけて、そこからミステリーのように話しは進むのだが、坂口安吾が出てきて、これまた人探しをして、とにかく話しは広がっていくのだが、それが先に繋がっていかないので、かなりストレスになる。ようするに、2つに分裂したり3つになったりたくさんになったり森みたい
読了日:06月20日 著者:古川日出男

後悔しない超選択術後悔しない超選択術の感想
人は選択していく生き物である。それは生きている限り避けられない。人によって、その選択には傾向があり、それを知ることは大切だということでした。その選択には、色んな影響を及ぼすバイアスがあり、それを知っているか知らないかでは、かなり選択の合理性が違ってくるのでした。色んな方法論が説明されてあり、そういうものを回避する術も書いてあって、とても参考になりました。よくありがちですが、客観的に自分を見ることの大切さを痛感させられた。
読了日:06月21日 著者:メンタリストDaiGo

パライゾパライゾの感想
人間が、ある日、突然に黒い何かになる。そして、人の形で生き残った者たちは、すべて人殺し、もしくは人でない者。この設定は、確かにおもしろい。ディストピア小説としての設定としても楽しく読める。特に、説明のないサブキャラの拳銃を持った女がjoker的な存在となり物語をかき回してくれる。これがいいし、微妙にからまってくる物語と物語の距離感も絶妙だ。しかし、同じ設定で10話も必要なのかと思ってしまう。同時進行に1つの物語として展開させた方が飽きないのではないのか。しかし、この設定は楽しい。読むべき価値は十分にあり。
読了日:06月23日 著者:阿川 せんり

東京貧困女子。―彼女たちはなぜ躓いたのか東京貧困女子。―彼女たちはなぜ躓いたのかの感想
女性の貧困を扱ったルポルタージュである。奨学金の返済の苦しさは知っていたが、学費が払えないでパパ活をしたり、図書館の司書の8割が非正規で生活保護家庭と変わらぬ収入しかないとか、シングルマザーの貧困。病気になると厳しい。非正規雇用の厳しさ。離婚した元専業主婦の悲惨さ。これがレアケースなのか、それとも女性の労働環境がおかしいのか。そこのところは考えないといけないのかもしれない。とにかく、著者は介護などの福祉の現場は悲惨だと強調している。この分野についてはロボット介護などに切り替えていくのが良いと思われる。
読了日:06月26日 著者:中村 淳彦

GO (講談社文庫)GO (講談社文庫)の感想
青春ラブストーリーなんだけど、そこに在日というちょっとわかんない不可思議な世界、価値観が入ってきて、その世界の話しが始まると世界は闇色に変化していくというのか悲惨で、友達の正一が殺された話しとか、韓国のタクシー運転手とのやりとりとか、ほんと酷くて、挙句の果てに「在日」だとカミングアウトしただけで「無理」とか恋人に言われて「怖い」とか、それはどういうことよという展開になるのだが、最後はいい感じで終わるので読んでいて気分がいい。
読了日:06月27日 著者:金城 一紀

おおきなうみと ちいさなマーヴィーおおきなうみと ちいさなマーヴィーの感想
この本の絵が好きだ。とても癒される。これだけでもずっと見たいと思うほどである。子供に読んで欲しい本だ。
読了日:06月28日 著者:H@L

億男 (文春文庫)億男 (文春文庫)の感想
億男 川村 元気 お金がモチーフの小説。落語の芝浜の世界を現実に落とし込む形で、金の本質を探ろうとしたのだと思うが、結論が曖昧で、ようするに「金」とは何かわからないということなのか?。 3億の宝くじの当選した主人公だが、15年ぶりに再会した友人に持ち逃げされていく。まるで当選したのが夢だったみたいという・・・。 人生を狂わせる金であるが、それで人生を好転させることもある。やはり、このテーマは難しい。
読了日:06月28日 著者:川村 元気

時間革命 1秒もムダに生きるな時間革命 1秒もムダに生きるなの感想
金よりも大切なもの。それが「時間」だ。アルバイトで自給1000円の労働は、時間の切り売りと非難。本当に、あなたの時間は1000円なの?。そうじゃないでしょ。ということだ。他人のための時間を極力減らし、自分の為の時間を増やすことが、やはり「幸せ」に繋がるようだ。他者の批判をしたり、噂さ話しをする人間、揚げ足取りをする人間は「暇」なのだ。そんな人間の相手をしている時間はない。「夢中」になれ、先のplanなんか考えるな。いつもの堀江門節さく裂でした。
読了日:06月30日 著者:堀江 貴文


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