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書評 首ざぶとん 朱雀門出  今まで体感したことのない世界観のホラー。斬新でした。

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華道の新任の男の先生と、その生徒の女性がコンビで
心霊体験にアタックする話し。

解決に関しては、他力本願的で、たまたま助かったという形が多い
世界観は独特で、かなり斬新な発想なので楽しめます。

明るいノリの女性と、少し真面目な心霊好きの先生が
やっかい事に飛び込んでいくパターンです。

表題作の「首ざぶとん」は地下迷宮のような世界に入り込んでいき
見事に生還するのですが、そのハラハラドキドキは
1つの映画みたいな感じでした。
かなり不気味で怖いし
たまたま、助かったというオチ

「ともだち」は、本書の中では一番好きな作品
町中で待ち合わせをしている二人が、何者かの意思によって会えない話し
このおっさん、電話の中にも飛び込んでくるし
人は消す、電話データーも消す
とにかく悪意の塊
正体が何かもわからないのだが、とにかく不気味
友達とは何だろうという問いが裏モチーフなのかな


「ひじり」は放火の話しなのだが、その放火犯は不可思議な集団
聖とは、火いじり
火は神聖なもの
放火が神聖かはどうかわからんが
これに関しては、解決はしない
とんずらする二人

「羊を何度も掘り出す話」はキモい。結界の中にいる何かを先生の親友が掘り出し
意識不明に、その謎を解こうとするのだが・・・
とにかくキモい展開です

こんな言葉が印象に残った

「体験は体験なんだ。何かは起きている。でも、それを観察した結果の評価が、怖いであったり、不思議であったりするんだよ」
怖いものというのがあるわけではない。怖がっている人がいるだけだ』って」
実はなんでもそうなんだよ。人間は、世界のことがわからなくて不安だから、自分なりの解釈をつけてわかろうとしてるんだ。だから、説明できないものって凄く怖い」

2022 1 26








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