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感想 湯女の櫛備前風呂屋怪談 (角川ホラー文庫) 岩井 志麻子 湯屋で遊女として働く女が客に語る怪談の数々。あまり怖くないが、面白い。


湯屋で働く湯女。売春婦の一種ですが、この女の語る怪談は評判だ。
それが目当ての客も多い。
本書のメインは、彼女の語る怪談話しなのだが、それほど怖くもない。

面白い話しと、そうでない話しが混在している。
面白かったのは、彫刻師、眠れない男、籠の鳥の三話だ。

彫刻師の男は、おふじをモデルに彫刻を掘る。
それは性器までまねた実物大だ。
ダッチワイフみたいなものです。
もちろん怪異なので、話しは続く
使われていくうちに、それが人間みたいになるというのだ。

籠の鳥は、口の聞けない遊女仲間が教えてくれた彼女の生い立ちだ。
元はどこかの姫様だった。でも、殿様は鳥に魅了され、それは人みたいな鳥だった。
彼女は、その愛鳥を殺害した。そして、自ら鳥になった。気がつくと口の聞けぬ今の姿に戻ったという不思議な話し。

眠れない男は面白い。
若い時分に、女になる薬を飲んだ。
それでときどき女になった。
その時期に尼をレイプし殺害した。
そのせいか、盗賊団に入ると仲間に毎日慰み者にされたのだった。
そして、今も湯に入ると女の姿になる。

どれもこれも不思議な話しでした。
ただしハズレ話しもあり。

どこが怪談なのかはわからない。
どちらかというと不思議話し。




2023 7 30



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