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感想 Another上下 綾辻 行人  独特の世界観。そして、これがミステリーだということに最後に気づいた。怪作!!。

ダウンロード - 2022-06-12T105223.311

面白すぎて一気読みだった。
この不気味な不気味、無理があるが独特の世界観、クラスメートのキャラ、文体。すべて僕の好みだ。

3年3組は呪われている。
ここ数十年間、不定期で、このクラスの生徒と親は次々に不審死を重ねている。

まず、その伝説のベースになる話しが紹介される。

みさき だか まさき だかという生徒が死ぬ。
あまりの悲しみに、クラスメートや先生は彼女が生きているかのように振る舞った。
机をそのままに、友達はいるかのように彼女に話しかける。
卒業写真・・・、いるはずのない、その みさき が写っていたというのだ。

以後、このクラスでは、死者がクラスに混じるようになった。
それに誰も気づかない。
公文書も記憶も何もかも改変されるからだ。

この災悪を回避するために、クラスではある方法が選択された。
生徒一人を無視する。いないものとする。
帳尻合わせをするということだ。

みさき という女子生徒がいない子になっていた。

これは明らかに人権侵害のイジメだが、先生もグルなのです。
そこに転校生がやってくる。

この物語は、その転校生。外部者の視線で見た、このクラスの歪な構造と、この伝説の真実だ。
その相棒は、いない子のみさきちゃん。

どんどん、人が死んでいく。
その数は想像していたよりも多い。

彼らは学期末まで生き残れるのだろうか・・・という物語。

色々な追加事項が加わってくる。
死者を見つけて殺せば災悪は中断する。

死者を殺す。
それが唯一の助かる方法なのだ。

しかし、合宿中、殺人と放火が・・・
ここで死者と対面する。
クライマックスのシーンはかなり盛り上がります。

この物語は、ここでミステリーだと気づく。
これはよく読めば叙述ミステリーだったのです。

しかし、この死者。びっくりするほど以外な人物なのです。

構成もテンポもよく。読ませる物語でした。
読んで損はないと思います。
ジャンルは、ミステリー&ホラーです。

2022 8 20
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