見出し画像

2020年11月の読書日記(まとめ)


1月の読書のまとめ

読んだ本の数:15
読んだページ数:3262
11月はいがいにたくさん読んでいます。
連休でもあったのだろうか?

---  おすすめ本 ---

ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野 圭吾
ヘディングはおもに頭で 西崎 憲
カラスの親指 道尾 秀介

--------------

エッセイですが、すべて忘れてしまうから 燃え殻 も良かった。

以下、感想。

展望塔のラプンツェル展望塔のラプンツェルの感想
差別や虐待や暴力や不妊という社会問題を扱った作品だが、ラストにとんでもないドンでん返しがある。時代錯誤な感覚とか色々と物語を追って行って矛盾を感じていた。ヤクザや不良や在日差別。これって昭和時代っぽすぎる。そこに現在の問題。親が子供に暴力をふるうようなネグレクト問題が絡まってきたり、父親の娘への性的な暴力。そして、ラストで、その矛盾が一気に解決した。この二重構造的な書き方は良く出来ているし物語の構成もしっかりしていた。前時代的な、晴と海となぎさの三人の関係が心地よい。いい話しですが残酷です。
読了日:11月01日 著者:宇佐美 まこと


血の轍血の轍の感想
これはミステリーというよりも警察内部による公安と刑事部の対立というのか泥仕合。「正義はときと場合によって姿を変える」というのがモチーフらしいが、その正義とはしょせん組織のメンツを守るためのものであり、それが正義とは思えず肝心な仕事に支障をもたらしてしまうという二重行政ならぬ二重捜査というか邪魔。こんなことで本当にいいんだろうか?。
読了日:11月06日 著者:相場英雄


恋話ミラクル1ダース恋話ミラクル1ダースの感想
未良来(みらくる)中学校の生徒の恋愛短編集です。発想がとても斬新。頭に花が咲いている男子の秘めたる思いを突き止める女子が何となく好きだ。ユリ科の花が頭に咲くんだよ。彼女の名前は「ゆりか」。ずっと、彼女のことばっか考えているから、「ユリ科」の花が咲く。AIアプリの人間に対する恋愛とか、ステルス化した少女は誰にも気づかれないし、恋のキューピットの矢を射る二人は両想いだし。ゾンビの恋もおもしろかった。ほっこりできるアイデア満載のミラクルラブストーリーでした。
読了日:11月07日 著者:にかいどう青


カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)の感想
道尾さんの作品はあまり好きじゃなかったが、これは別だ。とてもおもしろい。ミステリーのだいご味はキャップ(落差)にある。ラストのどんでん返しの衝撃。本書は盤上の白の石をラストですべて黒に変えてしまうという荒業を成功させている名作である。さらに、詐欺師を主人公にすることで、物語の面白みも引き出しており、キャラもいい。色んなところに散りばめられた小ネタをラストで一気に回収させるところは伊坂さんに似ていて「やられた」という感じがある。とにかく名作。
読了日:11月08日 著者:道尾 秀介


すべて忘れてしまうからすべて忘れてしまうからの感想
すべて忘れてしまうから・・・。人生とは、そんなものだろうか?。とくに前半がおもしろかった。多分、僕とまったく価値観が違うから、物珍しさがあるのだと思う。だが、共感できる部分もたくさんあった。これまで辛い人生を送ってこられたのだと思った。だから「逃げる」ことを否定しない。人生はままならない。だからこそ希望が必要なんだ。自分では絶対に経験できないような、そんな体験を作者がされているのも面白い。少し厭世的なのかとも思ったが、そうでもなさそうだ。とても良い本でした。
読了日:11月10日 著者:燃え殻


1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック1日ごとに差が開く 天才たちのライフハックの感想
成功者たちの習慣を紹介している本だった。色んな変わった習慣があったが、やはり読書とかメモとか日記などという定番の習慣が多かった。立ったままで執筆する小説家。音楽を聴きながら仕事をする。好きなものに没頭する。とにかく仕事のモチベーションを上げるのに皆必死なのだということが理解できた。これは単に読んでいるだけでも楽しい上に役にも立つ本だと思う。とてもいい本だと思う。
読了日:11月13日 著者:許 成準


おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)の感想
子供向けの経済解説本という感じだった。わかりやすくていいと思う。リーマンショックの話しについては、とくに細かく事実の記述があり子供はわかりずらいかもしれないが面白い内容であり、ヘックスヘブンの話しに「イギリス」が・・・というのは知らなかったので良かった。ただ、この生徒の親の職業、パチンコ、高利貸し、地主の中の前の2つの職業を思いっきりネガティブに「ぬすむ」とかに分類するのはどうかと思う。違法金利の闇金融は別にしても、すべての高利貸しをアウトにするのはどうかと思う。パチンコもである。  
読了日:11月14日 著者:高井浩章


遥かに届くきみの聲 (双葉文庫)遥かに届くきみの聲 (双葉文庫)の感想
朗読のイメージが変化した。ただ、子供に読み聞かせる。それが朗読だと思っていた。コンテストとかあるんですね。技術点とか、何とか点とか・・・。大切なのは作品理解である。その作品をどう解釈するかで読みの深みが変化してくる。なるほど・・・と思った。僕のまったく想像もしていない世界。とても楽しそうな世界がそこにはあり、メインのストーリーよりも個々の作品解釈に夢中になった。とくに、宮沢賢治の詩の解釈。あれはおもしろい。解釈の仕方で読み方が反対になる。宮沢賢治の妹のとし子の最後のシーン。ああ解釈するのか。なるほど・・・
読了日:11月15日 著者:大橋 崇行


トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業の感想
小説としても楽しい・・・、少しくどくオッサン臭くもあるが・・・楽しいし、ノンフィクションだと臭わせるように歴史的事実との整合もあり重量感もある。武田の解任がああいうことだとするのなら、この愛知の自動車メーカーにとって大損失であったとしか言えない。にしてもロビー活動の大切さというのがわかった。人物も魅力的で話しも面白く、とても楽しめました。企業小説の中でもかなり上のほうの優れた作品になると思います。
読了日:11月18日 著者:梶山 三郎


ちょっと今から人生かえてくる (メディアワークス文庫)ちょっと今から人生かえてくる (メディアワークス文庫)の感想
タイトルのまんまの内容だった。新入社員が仕事に挫折して自己嫌悪になり自殺寸前まで追い詰められる。そこで「やまもと」という同級生に声をかけられて救われるのだが、それは同級生の山元ではなくて別の山本だった。「人生はそれほど悪いもんやないやろ?」。こう思えるような人生でありたいね。そう思います。
読了日:11月21日 著者:北川 恵海


超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由の感想
オレオレ系ってのかな、とにかく筋トレの良さを過剰な感じで宣伝している内容。もちろん、先生が出てきて解説もしています。確かに、筋トレはメンタルやアンチエイジングにもいいし、健康的だし、それから筋トレの誤解もきちんと解消できたので良しとします。にしても語り口、俺様的な雰囲気。どうにかならないものですかね。先生まで最後の方はおふざけモード。本としては楽しめたです。内容はあまりない。2時間で読めます。
読了日:11月22日 著者:Testosterone,久保孝史,福島モンタ
ヘディングはおもに頭でヘディングはおもに頭での感想


地味目の青春物語?。弁当屋でバイトとながら浪人している受験生なのにアクティブにフットサルのスクールに参加して読書会にも参加する。ようするに自分探しの物語だ。そして、彼はそれをフットサルを通して何か見つけたのだろうか?。それとも悩んでいるというのか迷宮に迷い込んだ途中なのだろうか?。陰気でぐじぐじしていて内向的で少し前の世代の小説みたいな印象がぬぐえない。いくつか刺さる言葉があり、だから作品としては読んで良かったというのが正直な感想。にしても嫌な奴らがたくさん出てくる。現実はそこまで嫌な奴らばかりじゃない
読了日:11月23日 著者:西崎 憲


人気NO.1予備校講師が実践! 「また会いたい」と思われる話し方人気NO.1予備校講師が実践! 「また会いたい」と思われる話し方の感想
話し方によって印象も説得力も違ってくるという話しはおもしろい。その前提条件である信頼性が必要なのだ。人は知らない人を避ける性質があるから、こちらが役に立つ信用できる人間であると示さなくてはならない。そのための法則が本書には具体的な形で示されていた。エビデンスも紹介されていたので納得しやすい。なるほどという話しが多く良かった。読みやすいというのがいいと思う。
読了日:11月26日 著者:犬塚 壮志


斎藤一人 絶対、なんとかなる!斎藤一人 絶対、なんとかなる!の感想
究極のポジティブシンキング。勇気が出る。斎藤さんを好きな理由は、このシンプルで前向きな姿勢だ。心を豊かにできれば全て成功するとか、何とかなるとか、ならんこともあるだろうが、本当に何とかなりそうな気がするから楽しい。ようするに悪口とか、ネガティブなことを考えたりしていると、嫌なことを引き付けて、ポジティブ、何とかなるとか、絶対にやれるという思考でいると良い物を引き付けるということみたいだ。
読了日:11月28日 著者:斎藤一人


ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)の感想
過去と未来を手紙で繋ぐ1日だけの復活祭。この悩み相談の手紙は手紙のやりとりではなく心のやり取りなんだなぁと感じました。悩み相談をしていた雑貨店の爺さんへの手紙が33回忌で1日だけ復活し過去からの手紙が未来に届く。この配慮は、爺様が好きだった女性のはじめた児童養護施設の子たちを救いたかったのかもしれないと思いました。でも、過去の人を現代人のアドバイスで金持ちにしたのは、あまり良くない。過去への干渉はどうも好きにはなれません。とはいえ、これは読後感のとても良い良い作品です。おすすめです。
読了日:11月29日 著者:東野 圭吾

以上

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?