見出し画像

ワークマンの本がおもしろすぎた2

前回からの続きです。

社員のストレスになることはしない

働き方改革といってもスローガンだけの会社が多いと思う。人を大切にすると言う意味で人材を人財と表記する会社もある。気持ちはわかるが根本的な変革にはつながらない。経営者は美辞麗句だけでなく痛みを伴う改革で本気を見せるべきだ。社員のストレスになる事はしない。ワークマンらしくないとはしない。価値を生まない無駄な事はしないことを徹底してきた。

ノルマや短期目標は設定しない

会社は短期目標をいくつも掲げるほどダメになる。目標と言うものは増えれば増えるほど一つ一つの目標の価値が下がる。社員に過度なプレッシャーをかけても良い事は1つもないし社員も絶対に伸びない。ノルマや納期がない方が自分の頭で考え順序建てて仕事ができる。

頑張ってできても意味がない

ノルマや期限があると無理矢理頑張って達成する人が出てくる。これは大きな問題だ。特別できる人や非常に頑張った人しかノルマを達成できないような仕事のやり方では、そもそも他の人に引き継げない。仕事のやり方を変えない限り問題を先送りされるだけだ。ワークマンでは頑張らない、がんばってできても意味がないと考えている。

全国の経営者に問いたい。死ぬほど頑張って四半期売り上げを達成して何の意味があるんだろうか? 小手先で売り上げはあっても会社は全然うれしくない。誰にでもできる仕事に標準化するからこそ30年、40年と続くダントツ経営ができる。それにはまず絶対に勝てるポジション取りをすることが重要で、次に誰がやっても売り上げは伸び続ける仕組みが重要となる。会社は個人のがんばりには頼らない。だからといってダラダラやっていいわけではない。大きな目標に向かって社員全体で議論しながら自発的に仕事をする。

社員が自発的に動く唯一の方法

社員はノルマで頑張るのではない。良心で行動する。ノルマは達成できないとあきらめるが、良心で仕事をすれば自発的に継続する。だから何年かかっても本気で達成したいことだけをたった1つ目標にするべきだ。社長は目標をぎゅっと絞り、同じことを何年も言い続け、愚直に達成のために継続し続ければ会社は必ずかわる

らしくないことはしない

新業態に参入する時は『業界』のやり方に染まると、同じ次元での競合になり、弱くなる。会社のDNAは絶対に貫かなければ勝負にならない。

顧客管理はしない

ワークマンはマスマーケティングが基本だ。要するに名前のないお客様に売れたら十分だと考えている。お客様の名前で管理しようとすると費用がかかる。還元する仕組みを作ってもさらに薄利になる。個人情報管理の負担も大きい。漏洩リスクにも備えなくてはならない。

値引き販売をすると製品力で売れたのか値引きしたから売れたのか分からなくなりデータの精度を下がる。データこそ最重要の経営資産だ。

ワークマンにおけるマーケティングの役割は競争しないでかつ仕組みを作ること。競争になったら負けるか泥仕合しかない。勝っても泥仕合ではおいしくない。最高のマーケティングは自然に売れる製品だけを作ること。良い製品を作れば顧客管理をしなくても売れる。反対に社会の役に立たない製品をマーケティング技術で売るのは反則だと思う。世の中の役に立たないものを売るのは人の仕事としてもおかしい。

社内では商品と言う言葉を使わず製品を使う。商品は仕入れて売るものであり製品は自分たちで作るものだ。かつては低コストのオペレーションで利益を出したが今は製品で利益を出す会社になっている。そういう観点からも、顧客管理など小手先のことはしない。世間を驚かせるようなダントツ製品を作り、マスマーケティングで売り抜ければいい。

善意で動く信頼関係

ワークマンには発注がない。メーカーが決めた納品量を無条件で全量受け入れている。ワークマン加盟店の発注にも、一括発注ボタンがある。ワークマン本部が加盟店の代わりに発注する。この仕組みには『善意』が流れている。相手のために決断する時は相当悩む。過剰在庫や欠品を起こせば心が痛む。全て相手の立場で考え、信頼関係を作っていく。

ワークマンの加盟店は対面販売しない。閉店後にレジ閉めをしない。ノルマもない。 
対面販売はお客様が高機能で低価格と信じてくれているので。
閉店後のレジ締めは働く人の帰りが遅くなるから。
比較的ゆとりのある運営でもしっかり利益が出る構造になっているから実現できる。

価値を生まない余計なこと無駄なことはしない

資料作成など多くの会社は経営者や幹部の作る無駄な仕事が社員がほんとにやるべき仕事を妨げている。
幹部が思いつきで何かを始めることほど会社にとってマイナスな事は無い。社員はやらなくてもいい仕事に時間をとられて迷惑だ。ビジネス書を読んで思いついたことやセミナーや勉強会で気がついたことなどすぐに自社に当てはめて実施しようとしても成果は出ない。

社内行事もしない

飲み会も。自主的にはいいが会社として行う事は無い。昼間の仕事で互いに話しているのに夜まで同じメンバーで話す意味はない。夜にならないと本音を言わない人、酒を飲まないと言いたいことが言えない人は根本的に仕事に向いていない。仕事が終わったら家族や社会の友達などとリラックスして時間を使うべきだ。とにかく洗える無駄を廃止しそれで何らかの支障が出たら復活させればいい。まずは止めることが大切だ。

経営幹部は極力出社しない

経営者や幹部は現場に行って極力出社しなければ良い。現場で発見した事は長短あるがどこかで聞きかじったテーマより重要性が高い。現場には改善と改革のヒントが隠されている。

幹部は思いつきでアイデアを口にしない

しない経営を実施するのは、感度が良く良い経営者ほど辛い。良い経営者ほどアイデアが浮かぶ、ビジネス書1冊読むたびに新しい事業アイデアや改革案が浮かぶ。すぐに飛びつきたくなる。でもその辛さを乗り越えなければならない。鈍感に見える位、愚直に1つの目標しか持たずそれに没頭するのがほんとに良い経営者だ。

アマゾンとの戦い方

多くの氷にとって最大の敵はアマゾンだと言っていい。勝つことができないが少なくともマキネン戦略を考える必要がある。ワークマンには3つある。①定価でアマゾンに負けない②配送費でアマゾンに負けない③販促費をかけない
例えば②の配送費であれば店舗受け取りサービスか10,000以上で無料の配送サービスだけにする。10,000以下の配送費で絶対にアマゾンには勝てないからそこでは絶対に勝負しない。ワークマンにあってアマゾンにないもの。それは店舗だ。店舗を最大限に活用する

結果、楽しみながら仕事の結果が出る

しない経営は、社員のストレスになること。自社の強みではないこと。価値を生まない無駄な事は徹底的に排除する。特に相手のストレスになることをしないは重要だ。しないとは相手の立場で考えるとされないと言うことだ。無駄な仕事を与えられない。できないことをさせられない。無用な干渉されない。そうすることで自分の時間を有効に使え自分の頭で考え行動できる。その結果楽しみながら仕事の結果を出すことができるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?