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知財のおはなし

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さまざまな知的財産の話題です。海外で事務所をやっているので、外国知財のことも多いです。
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#戦略

マネタイズの可能性を向上させる、アメリカ特許の仮出願!

マネタイズの可能性を向上させる、アメリカ特許の仮出願!

仮の出願って、何でしょうね?
日本には、全くない制度です。

アメリカにおける出願日の確保
アメリカの仮出願制度とは、通常の特許出願の条件を満たさない簡単な形式でも出願として、認めてくれる制度です。
例えば、出願の期限が迫っていて、英語の書類を作成している時間がないときに、緊急的に日本語で申請するときに使用されていました。

つまり、仮出願の目的は、アメリカにおける出願日の確保なんです。
仮出願を

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アメリカ出願の費用削減を実現!
インコーポレーション・バイ・レファレンスを、利用しよう。

アメリカ出願の費用削減を実現! インコーポレーション・バイ・レファレンスを、利用しよう。

インコーポレーション・バイ・レファレンスっていうのは、我々はIBRと呼んでいますが、要はアメリカ特許出願の明細書のなかでする、参照による援用のことなんです。

参照による援用というのは、他の特許出願の番号の参照をもって、その出願の記載内容を組み込むという宣言なんですよね。
実は、日本の出願人の間では、あまり知られていません。
このIBRを使うとよい点が、実は2つあるんです。

IBRを使えば、記載

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顧客が体験した価値を、デザインやブランドとして、知財化すると、自社に優位な立場を確立できます。

顧客が体験した価値を、デザインやブランドとして、知財化すると、自社に優位な立場を確立できます。

もはや、良い製品を安く提供するというビジネスモデルでは、通用しなくなってきていますよね。
自社の製品やサービスを、どのようにお客様へ届けるとか、購入した際の特別なサービスが、価値として評価される時代になってきました。

イノベーションの強化が最も重要だと考えている経営者は、全体の25%も!経済産業省が企業の持続的な成長に関して、調査したレポートのデータがあります。
それによるとイノベーションが、最

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なぜ、大企業は知財保護の重視に反対するのか?

なぜ、大企業は知財保護の重視に反対するのか?

2019 年3月1日に閣議決定された「特許法改正案」では、日本における特許の侵害訴訟で得られる、損害賠償金の見直しが行われる可能性が明記されていました。
日本の損害賠償金は、東アジアのハイテク生産国の中では、非常に脆弱な保護しか行われていません。
理由は、日本の大企業の猛反対にあります。

なぜ、大企業は反対するのか?多くの場合に、特許訴訟では、売上額によって、勝敗が事前に決まってしまいます。

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