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働く場所の自由。Google の「宅勤務続ける職員の給与最大25%削減へ」から考える、分散型組織と非同期コミュニケーション

日本に帰ってきて半年ちょっと経ちまして、この夏からは富士山の二合目で篭っております。燃やしすぎて、そろそろ焚き火も飽きてきた頃です。
さらに、こんなに続けて長く日本にいたのは7~8年ぶりで精神的に暇です。

ところで、こんなニュースをみさなん見ませんでしたか?

「リモートで働きたい奴は減給だ!」に一瞬見えてしまうのですが、そんな簡単な問題で片付けてしまうのはもったいないですよね。

長いので結論を知りたい人は目次から飛んでね!

まずは直感的に感じたことを下記のように視覚化しました。

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問題提起の始まりは「在宅勤務の従業員を対象に給与を削減」ですが「なぜ在宅勤務は給与を削減するのか」という問をたてることに、より本質を探るヒントが隠れているはずです。

さらに、個人的にはコミュニケーションコスト(以下、CC)を誰が負担するのかがポイントになる気がしました。Googleの取り組んだ事象通りに「本社から離れるほど減給」という前提をもとに、一般論として事象を論理展開します。

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「本社から離れるほど給与を削減」の理由は、大きくわけると3つの分野にわかれました。

1. 給与とは再生産費である

資本論から『給与は再生産費(来月も働けるための費用)である』という前提でオフィスから離れることにより生活コストの面で再生産費が低下するので、給与も削減するという考え方。これは会社として利益をあげたいという意味だけではなく、国をまたげば為替リスクや有形無形なモノの調達コストも関わってきます。

在籍が1000名を超える世界的な完全リモートワークの会社である WordPress.com の提供元である、Automattic の代表であるマットもこの問題に対して以下のように答えている。

多くの企業が「どこででも勤務」を推奨し、少なくとも認めるようになると「直ちに給与を標準化」することは困難だろうと彼はいう。Automatticがその方向に進み始めたとき「人々のギャップを埋めるのに数年かかった」とのことで、現在でも「完全ではない、常に目指しているにもかかわらず」という。
完全リモートワークの「Automattic」は異なる地域で暮らす社員の給料をどう決めているのか| TechCrunch Japan

僕の主張をまとめると『給与は再生産費であり、Google本社のあるシリコンバレーは生活費が爆撃的に高いので給与も高くしてある。再生産費を安くできるなら会社としても再生産費が安いということで給与を削減する』ということなんじゃないかと思います。
シリコンバレーでは年収1300万円でも低所得者だとすると、テキサスまでいけば新興国と後進国並の差はあるのかもしれない。知らんけど

2. コミュニケーションコストの負担が増加している

日本の企業では、リモートワークが上手くいかない理由として多いのがこの原因ではないかと思います。

ヒューマンリソースもコミュニケーション・情報が集中し流動性が高く生産性が高いはずの本社オフィス。人と人の間には何かを伝えようとするコミュケーションコストが発生しますが、同期的コミュニケーションが前提な職場環境では非同期コミュニケーションがベースのリモートワークとの整合性が上手く取れない。「どっちが払うの?」的なね

同期的コミュニケーションの職場に慣れた人は「ねぇ、ちょっと」といった利便性に慣れており、非同期コミュニケーション優勢なリモート慣れ & 在宅好きな人は「ちゃんと書いてログ残してよ」といつでもその情報にアクセスできる利便性を求め、すれ違う。

「この問題はコミュニケーションコストをどちらが負担するのか」という問題で、説明責任というなの発信者が負担すべきコストを払わない上司も多くいるのは言うまでもないだろう。(僕もあります。ごめん野菜)

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ほんで、オフィスにいる状態をフルオフィス、リモートなのをフルリモート、そして両方混在しているのはフルオフィス・フルリモート、さらにリモートとオフィスを半々もしくは織り交ぜながら1人でやっているのをリモート&オフィスと職場環境を定義してみました。

たしかに職場環境は一定でないと原因は一見わかりやすくなるんだけど、実際は職場環境が一定でもバラバラでも、コミュニケーションコストの負担はそれぞれであって「リモートはやりずらい」と安直に言ってしまう人は普段からCCを相手に負担させてませんか?って問いてみたい。どうだろか。

非同期コミュニケーションについては、リモートワークをエンパワーする僕も長年愛用している Backlog の紹介記事でも見てみるといいかも。

生産性を高めながら、1人ひとりの生活に即した多様なワークスタイルを許容するためには、対面でのコミュニケーションやマネジメントに代わる、各人の稼働状況の可視化と、非同期型のコミュニケーションの導入が欠かせない。

この項目の主張と結論は「CCの負担問題は十二分にあるけどGoogleに関していえば、そんなことは起きなさそうだよね」です。日本のカイシャ組織はだいたいこれが課題な気がします。

3.  提供価値が下がっている

在宅勤務またはリモートだと生産性が下がり、従業員の提供価値も下がるので給与を削減っていうのもあるかなーと思いますが、下記のように生産性は回復したと記述もあったので今回の件とは関係がなさそう。

これも事業体によっては、多くの国や組織でありそうだなと思いました。デジタルでの価値提供が念頭になかったり、紙ベースでの情報のやりとりが当たり前になっていてDXなんてはるか遠く、デジタル技術を使って業務プロセスやバリュー・チェーンのデジタル化(デジタイゼーション)ができていない時はおこりますよね。

結論 :「働く場所の自由」の戦い

ここまで色々な考察と思考を広げてきましたが、結果的に何が問題になっているかは下記の記事にあるとおり「働く場所の自由の戦いが経営と従業員の間で始まった」という事です。 

上記であげた3つの中で、Googleの状況を踏まえると唯一根拠的として近く見えるのは、1. 給与とは再生産費であるでしょうか。

Facebookも同様にリモートで継続して働く人の給与削減を検討しているが、実際にはまだ削減されている人はいないようです。

経営者としては、多額な投資をした広大なオフィスの投資対効果をあげていきたい。多くの人がリモートに移行すれば、オフィスの投資対効果は低くなるため、生活費の削減ができた従業員の給与は削減すれば会計上の投資対効果の帳尻を合わせることも多少はできるのでしょうかね。

それに対して、組織も円滑にワークしていて生産性も下がっていないのに場所に依存して給与を決定することに対して反発しているというのが主な要因です。コロナがある程度落ち着けばリモートワーク(働く場所の自由)は給与の高さやりがいと共に、有能な人材の採用に必要な要素になるのは明らかです。

ここがポイントとなりライフスタイルやキャリア形成の方向性を変える動きは活発になりそうですね。ちなみに Shopify は全世界全社員が永久的にフルリモートになり場所によった給与の話はでなくなったらしいです。それが健全だと思いますけどね。だってほら、働く場所の自由って当たり前の権利でしょ。

ということで弊社も僕との物理的な距離(時差基準)が遠い人ほど削減していくというのでどうでしょう?僕が遠くに行けば行くほど営業利益増々!

長いのに最後までありがとうございますーイイネもよろしくお願いします!

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