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第1週「はじめてのエール」#弦楽セレナーデ

NHK連続テレビ小説「エール」第1週4話に登場した曲です。
【裕一と音が教会で出会う】

この4話では印象に残る曲が多く使われています。裕一が様々な音楽と出会い後に多岐にわたる楽曲を生み出すルーツを感じさせる回だからでしょうか。
小学五年生になった裕一のクラスでは、音楽教育に情熱を傾ける大好きな藤堂先生(森山直太朗)から北原白秋の詩に曲をつけてみようという宿題が出されます。
友人の励ましや家で流れるレコード、街の音、映画、教会.....いろんな音が裕一の頭の中に流れ....初めて作った曲は藤堂先生をびっくりさせ才能を確信させるものでした。

ドラマの中で使われたチャイコフスキー「弦楽セレナーデ」ですが、第2楽章が使われています。

ロシアの作曲家、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」は、弦楽オーケストラのために、1880年(明治13年)に作曲され、翌年サンクトペテルブルグで初演されました。
曲は4楽章構成です。

第1楽章は、「ザーザーザー、ザザザザ~」というとても印象的なフレーズで始まる音楽。
「ソナチネ形式の小品」と題され、尊敬するモーツァルトへのオマージュとして、その様式を模倣しています。でも、メランコリックな雰囲気や、ユニークな作曲技法で、チャイコフスキーの色を存分に出した楽章となっています。
主題(テーマ)は、「オー人事、オー人事」の転職会社のCMでも有名になったので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

第2楽章は、ロンド形式のワルツ。とても優雅で、踊れなくても踊っている気分にさせてくれる音楽です。
裕一が父が買ってきたレコードを父と一緒に聴いているシーンで流れた曲です。

第3楽章は、エレジー。静かでこの上なく美しい音楽。最後の和音から次の楽章へつながります。

第4楽章は、ロシアの主題によるフィナーレ。ロシアの民謡が使われています。曲の最後には、第1楽章冒頭の主題が再現され、一気に盛り上がって終曲します。

ここでまめ知識!
チャイコフスキーは、音楽家になる前、法律学校を卒業し法務省に勤務していたり、結婚はしましたが実は男性の方が好きだったり、知人を通じて未亡人メック夫人から多額の資金援助をしてもらい続けているにも関わらず一度も会わなかったなど・・・。

人とは違う経験や感性を持っていたから、こんなに繊細で心に残る音楽を紡ぎだせたのかもしれませんね。
そんなことにも思いをはせながら、是非この機会に4楽章全曲を聴いてみてくださいね。

ミュージックソムリエ:藤井 憲治(指揮者/アートプロデューサー)



NHK連続テレビ小説「エール」                  (NHK総合月〜金 朝8:00〜8:15、12:45〜13:00、土曜日は1週間を振り返ります。その他NHK BSプレミアム、NHK BS4Kでもオンエア中です。    *放送予定 3月30日〜9月26日
またNHKオンデマンドでも見逃し放送をご覧になることができます。



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