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アーティストとNFTとWeb3.0、ってか2.5。

今回は「音楽アーティスト × NFT × Web3.0 × ブロックチェーン」をテーマとして、音楽・エンタメ業界向けに同行・考えをまとめてみようと思います。とはいえ、2021年に入ってから本格的に勉強しだしたペーペーですので、誤った部分や、理解が甘い部分もあると思います。間違っている点やアドバイスがあれば是非、優しくご指摘ください🙏

クリプト業界の方にとっては、音楽業界&代理店出身者の目線ではこう見えてんだな!っという参考になると嬉しいです。気になってくださった方、お気軽にTwitterからDMいただけると嬉しいす!

Twitter:Miyamoto164


書いたキッカケ

そもそもこれを書きはじめたキッカケは、2つあります。

  1. 自分の夢がWeb3の世界線なら叶えられるかもしれない

  2. The 140 Collection by Twitter


自分の夢がWeb3の世界線なら叶えられるかもしれない

私には「食べられるアーティストの人数を増やしたい!」という夢があります。ただ音楽産業の構造上、普通にやっていたらとても厳しい… 他のクリエイターエコノミーも同様かもしれませんが、ストリーミング・サービスに登録している800万人以上のアーティストのうち、年収5万ドル以上のミュージシャンは0.2%未満(16,000組)です。

「全世界」で、です!

YouTube含め音楽の「視聴」が無料化していく世の中において、何もせずにいたら産業自体が厳しい。そこに可能性を感じるのが、ブロックチェーンを基盤としたWeb3.0の世界線でした。

「NFT?バブルでしょ?」的な感じで終わるにはあまりにももったいない!特に日本のエンタメ業界が世界におけるパワーを取り戻すには、これしかないんじゃないか?とさえ思っています。コンテンツ力めっちゃあるし!


The 140 Collection by Twitter

もう一つはTwitterが配布した「The 140 Collection by Twitter」です。

毎朝ニュースチェックするのが日課なのですが、そこでTech Crunchを見てたら下記ニュースを見つけ、ラッキーなことにNFTを頂戴でき、一気にNFTが自分ゴトになりました。

そんなこんなで、今回は自分の脳味噌を整理する意味でも「アーティストとNFTとWeb3.0、ってか2.5。」というタイトルで学んだことや、考えをまとめていきます。

まずは何故デジタルなモノに価値がつくのか、少し考えてみます。


リアルドヤァから、デジタルドヤァへ。

そもそも何でデジタルなモノ(正確にはトークン)であるNFTに価値がつくのでしょう?

  • 暗号資産の保有手段を多様化する方法?

  • NFTバブル(特に21年8月のNFTサマー)?

  • メタバースへの期待?

  • 投資文脈?

  • 〇〇へのアクセシビリティ?

  • etc……

様々な要因があると思いますが、現状、人間目線で考えると「ドヤァ」は大きい要素だと思います。所謂ステータスですね。持ってることが最先端の証明になる。

以前は「車、時計、豪邸、ブラックカード」といったリアルなモノにステータスがありましたが、昨今はSNSでの自分や、Clubhouseへのアクセシビリティといったデジタル上のステータスが重要視され、リアルだけがステータス!ではなくなってきました。ミレニアルやZ世代の中では特に!(アイデンティティ側面もあります)

最古のNFTプロジェクトと呼ばれるCryptoPunksなんかは、持っているCryptoPunksをTwitterのアイコン(アバター)にすることにステータスが生まれ、より価格が加熱した流れもあります。

「最古のNFT、オレ持ってるで!手に入れられる人やで!」てな具合。

最近、avexの松浦会長が購入して界隈で話題にもなっていましたね。(松浦会長はBAYCも購入、パネェ… & avexは関口メンディーさんもすね)

ちなみに、もうすぐオフィシャルでTwitterのプロフィールとNFTが連携すると言われています。察しのいい方であれば、アーティスト・IPとファンにとってこれがどれだけの意味を持つかすぐにわかるはずです!

Twitterでファンの証明ができるようになり、「ドヤからアイデンティティへのシフト」が強くおこるはずなんです。
NFT・DeFiトレンドのメルマガを書かれているのぶめいさんが、NFTはマッチングアプリだ!とおっしゃてて、よりその色が濃くなってくると思います!

そんな可能性を感じるNFT & Web3とアーティスト・IPの関係について、今回まとめていくことにします!


NFTって何なんw

改めて、NFT(Non-fungible token:非代替性トークン)とは何か?

先がけてワシが言うとしたら「ブロックチェーン上の、一点モノデジタルデータ」です。

詳しく知りたい方は、OpenSea(NFTの市場)のBlogを#和訳Notionしたコチラや、のぶめいさんの下記Notionがめちゃくちゃ分かりやすく勉強になるので、下記のリンクから是非ご覧ください。

Off TopicさんのコチラのSubstack記事も網羅的に参考になります!私の方では、エンタメ目線な事例をいくつかピックアップしてお話しします。


事例1:Bored Ape Yacht Club

前述CryptoPunksと並んでスンゲーNFTプロジェクト「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」。10000体の猿が、ジェネレーティブNFTと呼ばれる種類で販売されました。この種類に関してはmiinさんのnoteが分かりやすいので興味のある方は是非ご覧を。

2021年9月にサザビーズのオークションで101点が2440万ドル(約27億円)で落札されたことも話題でしたが、すごいポイントは

  1. ポップカルチャーテイストを最初に取り入れたNFTプロジェクト(デザイン)

  2. 世界観×未来なNFTプロジェクト

  3. 所有者だけのコミュニティ

  4. 商業権を付与し、世界樹的なI P成長

  5. NFTが進化するNFT配布

なこと。(ちなみに買ったことをape inっていうのも素敵w)

1.ポップカルチャーテイストを最初に取り入れたNFTプロジェクトCryptoPunksは8bitテイストですが、BAYCはデザイン性が高い初めてのNFTプロジェクトだったそうです。普通にカッコよくて、このデザイン性の高さが後々のadidasコラボにも繋がっていると思います。(サイトも死ぬほどカッケぇす)

adidasコラボの詳しくは、bitFlyer・金光碧さんのnoteをチェック!


2.世界観×未来なNFTプロジェクト

https://boredapeyachtclub.com/#/

BAYCは世界観(設定)を持っています。詳しくはWebをご覧いただければと思います。

さらにBAYCにはロードマップが敷かれているのも特徴的。単発的なプロジェクトではなくて、未来につながるプロジェクトであることが分かり、期待感が高まります。

https://boredapeyachtclub.com/#/home#roadmap


3.所有者だけのコミュニティ
「Bored Ape Yacht Club」という名前の通りというか、ホルダーだけが入れるページがあったり、コミュニティ化が進んだNFTプロジェクトでした。「ゴルフクラブの会員権」を持っているイメージですね。

Twitterアイコン(アバター)に、自分の猿の画像を設定することでそれがステータスになりつつ、仲間同士が繋がっていき、更にバイラル&価値が高まったのですが、これもコミュニティあってこそのはずです。

※コミュニティ話でいうと、Web3系サービスのページにはほぼ100% Discordリンクがあります。そこらへんが何故か?は是非Off Topicさんの下記翻訳記事を。


4.商業権を付与し、世界樹的なI P成長
BAYCの特に面白いところは手に入れた人に商業権(オーナーシップ)を渡すことです。

保有車がクラフトビールを作ったり、

クラフトビールを作る権利をライセンスしたり、

https://beerbroadcast.com/breweries/alternate-ending-beer-co/releases/surprise-release-drink-your-peas-with-bored-ape-yacht-club-nft

HIPHOPプロデューサー・Timbalandは、BAYCホルダーと一緒に「Ape-In Productions」というBAYCに関わるクリエイターをサポートするプロダクションを設立しています。(BAYCともオフィシャル提携してるみたいです!)

https://apein.com/the-nft/

そして個人的に面白いのは、「Jenkins the Valet」という1798番目の猿のお話。

Ape #1798 aka Jenkins the Valet

ホルダーの人は、こう思ったらしいです。

「猿はみんなすごいけど、必ずしも明確な役割があるわけではないんだ。ジェンキンスは、つまり1,798番がそうだったんだけど、なんか語るべき物語を持っているように見えたんだ。」 ABC Science でのインタビュー

ABC Science

そして彼はジェンキンスとして、こんなツイートで回顧録を書き出しました。

これが徐々に反響を呼び、Apeホルダーの方々も自分の話を書いて的な感じで乗ってきたみたいです。(当時のTweet見ると面白い

反響を呼び続けた結果…。
今ではCAA(ハリウッド4大エージェンシー)が公式サポートし、長編小説をニール・ストラウスと一緒に書いています。

ニール・ストラウスはゴーストライターとして知られており、そのキャスティングも粋!

https://www.jenkinsthevalet.com/

このプロジェクトは何がすごいって、

  1. THE WRITER’S ROOMを立ち上げ、部屋に入るためのNFTを販売(2800人購入)

  2. ROOM内ではストーリーの展開に対して投票ができる(詳しくはコチラ

  3. BAYCと上記NFTを持ってたら、小説に登場させることができて出演費的にロイヤリティが入る

  4. CAAサポートなので、小説だけにとどまるはずがない(という期待)

ってことです。詳しくはABC Scienceの記事や、Forbesの記事プロジェクトのMideumでチェックできます。

「この小説上で自分の持ってるApeをいいキャラクターとして登場させれば、そのApeの価値は間違いなく上がる!」っていう心理をついてるのもいいですよねw

この状況ってゲームや映画業界にある、トランスメディア・ストーリーテリングそのものですね。実に面白い!

・・・

やや長くなってしまいましたが商業権を付与することで、ホルダーは高いモチベーションを持ってIPを広げていきますし、そもそもBAYCの価値が下がると困るので、ホルダーコミュニティが(結果的に)クオリティを担保します。仲間の中でダサいことはできないよね!って言う感じで。

BAYC公式ではNFTゲーム(勿論Play to Earnというゲームしながら金稼げるシステム)も予定していますし、前述ロードマップ通りに色んな企画を準備しています。

この、

幹:公式のIP展開

枝葉:ホルダーによるIP展開

で、結果的にIPが盛り上がり、

大地:観光地化することで麓に経済圏が生まれ、さらに木が育つ環境が生まれる

という、世界樹的なIP成長は今後一つのスタンダードになるのではないでしょうか。この考え方は、UGCが重要となって久しいIPやアーティストにとって、とても必要な考え方だと思います。(HUNTER×HUNTER読みたくなってきた…)


5.NFTが進化するNFT配布
突如BAYCが、ホルダーに対して無料(ガス代という手数料はかかる)で、サルの仲間として犬のNFTを配布…(パンくんとジェームズ🥺)

https://opensea.io/collection/bored-ape-kennel-club?search[sortAscending]=false&search[sortBy]=FAVORITE_COUNT

さらにこれだけではなく、ミュータント化するNFTをサプライズプレゼント!(手数料はかかりますが)

There are three different Mutant Serums. Credits: BAYC

これを使うと、元のNFTは無くならずに新しいミュータントの猿が出来上がるという仕掛け!

Mutant Apes created using M1 and M2 serums. Credits: BAYC

もちろん、このミュータント猿にも価値があります!詳しくは、Off Topicさん記事の56%くらいのところをご覧ください!

お猿さんすごい!!!


事例2:NBA Top Shot

https://nbatopshot.com/

NFTを世の中に広めたNFT「NBA Top Shot」。バスケ好きの友達が普通に買っててびっくりしました!見ると分かりやすので、是非下記をご覧ください!

プロ野球チップスと同じノリで簡単に購入できるのですが、カードの内容が試合の得点シーン等になっています。

https://nbatopshot.com/packs

アーティストで置き換えれば、LIVE Blu-ray販売時に同様の手法を取れると思います。NFT LIVEみたいなLIVE Blu-rayパッケージ収益ではなく、NFT収益をベースとしたLIVEも生まれてきそうです。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版の劇場特典でフィルムがもらえたと思うですが、あのノリですね!エヴァのフィルムは今もヤフオクなどで転売されてますが、NFTであれば二次流通の一部をもらうこともできます!



事例3:Socios.com

https://www.socios.com/

NFTと違いFan Tokens事例ですが、後々関係してくるのでSocios.comもご紹介。「世界初の、ファン投票&報酬ブロックチェーンアプリ」と銘打っているこのサービス。$CHZというSociosのデジタル通貨を購入し、この$CHZで好きなクラブのファントークンを購入することで、

  • クラブの投票への参加権(世界中どこからでも!)

  • 限定グッズや特別報酬をゲットできる権利

を得ることができます。ちなみに投票したからといってトークンは無くなりません。興味なくなったらトークンを売ることができます。

そして、何よりこのSocios.comがすごいのは参画チームの数と規模。名だたるサッカーチームやNBAが多数参加してますし、UFCも参加しています。日本だとデビスカップが参加していますね!

https://www.socios.com/socios-partners/

英語ですがコチラのTwitterスレッドが興味深いのでオススメです。



事例4:Sound.xyz

お次は「音楽 × NFT」事例であり、a16zというWeb3.0にガッツリ投資しているVCがリードで資金調達したことでも話題となったSound.xyz

英語ですが彼らのMirror記事が分かりやすので貼っておきます。

ざっくり言うと、

  1. 新曲のリスニングパーリー開催(YTのプレミア公開的なやつ)

  2. リスニングパーリー中にNFT発行可能

  3. 買ったらSoundCloudみたいに、好きなシーンにコメント入れられる(売る時消えるす)

  4. その場所が当たりだったら、買ったNFTが世界に一つのNFTに変身!

  5. 買った人は限定のDiscordサーバーへご招待

例えるなら、

YouTubeのプレミア公開の音楽版で、そのMVのNFTが買えるし、自分が好きなシーンに自分のコメントも入れられる!初期の頃に参加してたから、売れた後に古参ファンって証明もできる!てな具合です。

ちょうど執筆時、好きなアーティスト・Jesse Boykins IIIのリスニングパーリーが近づいていたのでページをキャプチャしました。ページはこんな感じ。

https://www.sound.xyz/jesseboykins3rd/home-away-from-home

この少し前には、MoRufというアーティストのリスニングパーリーで2.5ETH(執筆時で105万円)で売れたようです。Spotifyで見ると彼の2019年のシングル「Mountain Poems」は約18万再生。ざっくり全ストリーミングで2倍の36万再生されたとして、

36万×0.7円 = 25万円

の収益なので、収益性はかなり違いますね!ご本人も喜んでらっしゃる。(そして普通に曲よかったので是非聴いてください!)

私もJesse Boykins IIIの買おう!と思ったのですが、手数料(ガス代で4万🥺)が高すぎて断念… 現状はまだまだ投資目的の人が多そう… でも面白かったのは、リスニングパーリーが終わるまでTwitterスペースでトークをしていたことです。YouTubeでのMVプレミア公開でもこの手法使えそうでした!


「もっと音楽系のNFT事例教えてくれよ!」と思った、そこのあなた!下記のNotionにnftnowの記事「The Top 21 Music NFT Moments of 2021」を和訳してるのでそちらをご覧ください!2021年はいろんなことがありました!


私、まとめる能力ないので長文になってます。すみません!まだまだいきますのでご容赦くださいw

いよいよ本題です!



アーティスト × NFTのこれから

本題いきます。

アーティストはどの領域で、どうNFTを活用していくべきなのでしょう?
個人的にはエンゲージメント領域だと思っています。

アーティストには大きく「キッカケ領域」と「沼領域」があります。(詳しくは過去のnoteをご覧ください)

「音楽マーケティング」について、考える。 2/3 -キッカケと沼編- 其の壱

この「沼領域」と相性がいいのが、NFT & Web3です。すでに「視聴」は限りなく無料に近づいているため、ここでマネタイズを生み出すのは非常に難しい。今更世界中の人が昔のような世界には戻れないと思います…

であればいっそ、

リーチである「キッカケ領域」:プラットフォーム利用(Web2)

エンゲージである「沼領域」:NFT & Web3

と割り切って活用するのがいいと考えています。

これがタイトルのWeb2.5である理由です。アーティストへのエンゲージ時間って年々短くなってしまっているので、常に新しいお客さんとの出会いは重要なので、リーチをもつメディアはまだまだ必要だと思っています。



Web3って何なんw

さらっとWeb3と書いちゃいましたが、めちゃくちゃ分かりやすい図解をみんな大好きMyproteinのファウンダーさんが上げてたので、勝手ながら和訳したこちらをご覧ください。

https://twitter.com/olivercookson/status/1463777540087205891?s=20

一言で言うと、

Web 1.0:一方向なHP時代

Web 2.0:双方向なプラットフォーム時代

Web 3.0:非中央集権、各自所有時代

(ブロックチェーン基盤でみんな繋がった)オープンネットワークで、みんなのWebにしようぜ!という動きです。

例えるならWeb2(プラットフォーマー)はマンガ版・悪いジャイアンですが、Web3だとアニメ版・優しいジャイアンに変わる感じですかねw

もっと詳しく知りたい!という方は、先人達のnoteを是非ご覧ください!

Gaudiy 石川さん:Web3.0と日本。世界で勝つためのクリエイターエコノミーの提唱

KOZO Yamadaさん:2022年は「Web3」元年になるNFTはバブルか?:世界がWeb3.0へ向かう理由

Off Topicさん:#91 Web3とインターネットの進化(Podcast)

DIAMOND SIGNALNFTやDeFiなどで注目──新しいインターネットの世界「Web 3.0」とは一体何か?

下記和訳記事も全体を知れます。

shinichiro kinjoさん:NFT,DeFi,ブロックチェーンゲーム,メタバース,スケーラビリティ問題,2021年のweb3領域をファクトレポートをもとに振り返る


アーティスト × Web3のこれから

このWeb3に関する技術を取り入れた場合、アーティスト目線で、さっと羅列しただけでもこんなにメリットがあります。

  1. マネタイズポイントの増加

  2. 今以上に、ファンのアイデンティティの一部に

  3. アーティスト→ファン一方向関係でなく、共同体化による共成長

  4. たくさん応援してくれたファンに還元できる

  5. ファンそれぞれが得意分野で、アーティストを応援してくれる

  6. レコード会社の組織体が変わる


1.マネタイズポイントの増加

マネタイズポイントにNFTが加わります。シンプルに。

厳密に言うと権利収入・広告収入等ありますが、ここでは割愛

現状だと音源に紐づくものはストリーミング等のデジタルリリースとCD等のフィジカルリリースのみでしたが、ここにNFTが加わります。前述の通りストリーミングはマネタイズに繋がりづらいので、これは大きいです。

「なんのNFT作ればいいねん!」ってツッコミに答えるとすれば、こんな感じかと!

アーティスト×NFTの一例

さくっと書いただけなので、もっと方法あると思います。Perfumeさんは、振り付けをNFTアート化されてたりしますし。デジタルウェア・ファッションは今後間違いなく面白いので要チェックな領域です。(NIKEが買収したRTFKTインタビューをご覧ください。)

そしてNFTは「二次流通」と「二次創作」からもマネタイズが生まれます。

▶︎二次流通
二次流通で売れた時に手数料がアーティストに返ってくる仕組みが作れます。メルカリやヤフオクで売った時に、アーティストに手数料が届く感じですね!

▶︎二次創作
そして「二次創作」からのマネタイズ。Gaudiy石川さんもnoteで二次創作を「仮託のクリエイター活動」として提唱されていましたが、二次創作からIP使用料(手数料)をもらうこともできます。キャラクターライセンスの考え方を二次創作に持ち込む感じです。

「いやいや!二次創作ってグレーゾーンにしてるし、それ認めちゃうと収集つかなくなるから!」という声も聞こえてきそうですが、方法あると思います。Gaudiy石川さんが言うようにコミュニティ内で実施するのはベストプラクティスだと思いますし、私の方では下記の方法を提案できればと。

「二次創作のプロテスト」を行うのはいかがでしょう?

(C)Miyamoto164

二次創作希望クリエイターにはテストを行ない、通過者には公式二次創作者のNFTを付与。公式二次創作クリエイターとして活動を保証してあげます。最初にお話ししたように、もうすぐTwitterでNFT認証が行われる予定ですし、公式クリエイターであることもファンに対して伝わりやすくなります。

前述していた、「世界樹的な成長」を組み込めば更にIP・アーティストは成長できるはずです。



2.今以上に、ファンのアイデンティティの一部に

「ファンの証明」って、どうやって行えばいいでしょうか?

ストリーミング時代になって、自分がファンであることの証明がますますしづらくなってきていると感じます。その一方で時代はパーパスやアイデンティティ、アクションをますます求めています。

デジタル時代は人と人をフォロワー数という数字で比べやすくしたり、個性をコモディティ化させたり、より行動が透明化してしまいますからね。

もっと言うと「古参の証明」もしづらい。

居酒屋で「オレ昔からあのアイドル(バンド)の応援してて、メンバーもオレのこと知ってるよ!」と言ったら、「ハイハイ!」か「またその話か」で終わらされると思います。昔から応援してた・聴いてたことをちゃんと証明したいですよね!

この2つはNFT活用でクリアにできます。

Spotifyが2020年にローンチした「Day 1 Club」という認証サイトをご存知でしょうか?サイトにアクセスして、「prove it(証明する)」ボタンを押すと、自分が初期から聴いていたことを証明できる仕組みです。

Day 1 Club

これ嬉しいですよね!古参証明になりますから。ただぶっちゃけ、Spotify上の話だし画像のコピーも出来ちゃいます…

これをNFTで代替すればいいんです。
例えばこんな風に

  1. 1st SINGLE or ALBUM購入者にNFT付与

  2. 1st LIVE来場者にNFT付与

  3. 1st LIVEのセトリ当てた人にNFT付与

  4. ファンクラブ初回入会者にNFT付与

  5. めっちゃ宣伝協力してくれた古参ファンにNFT付与

後々アーティストが売れてきた時に、ファンからすると「Twitterプロフ見たらあのNFT持ってるから、この人初期ファンだ!」っていう認識もされます。この気持ちは所有者自身にも働きますね。

更に言うと、こんなことも!

  1. 初期NFT持ってる人に、新たなNFTをサプライズプレゼント

  2. 初期NFTを進化させるNFTを配布(ミュータントBAYCの事例)

  3. 初期NFT持ってる人だけ入れる秘密のwebをつくる

使い方次第で、「ファンの証明」がしやすくなるのもNFTの魅力です!



3.アーティスト→ファン一方向関係でなく、共同体化による共成長

これまではアーティスト→ファンの一方向な関係だったと思います。いくらSNSでコミュニケーションができるようになったとはいえ、基本的には一方向の関係値です。

しかし、NFTやトークンを持てば話が変わります。

と言うのも、NFTは二次流通が可能 = 価値がつくので、そのアーティストが売れれば売れるほどNFTの価値が高まるんです。なので、ファンからしても売れてもらえると(資産的にも)嬉しい!

実際のところファンとしては、自分が持っているNFTの値段が上がるから応援するわけでは決してありません。しかし、ふとした瞬間に自分の持っているNFTの価値が上がっていることに気づけばとても嬉しいし、アーティストが有名になってきたことを改めて感じるはずです。

従属関係から共同体への変化が必要

「ステークホルダーエコノミー」と言ったりもするようですが、ファンと共同体として盛り上がっていけることは今後重視すべき大きなポイントだと思います。

世界樹的成長を目指しましょう!


4.たくさん応援してくれたファンに還元できる

前述の古参ファンと通じますが、アーティストが売れた時に

  • 昔から応援してくれたファン

  • いつもめっちゃ応援してくれているファン

に対してお返しできることって、あんまりありません…

ただ前述のNFT付与を上手いこと行えれば、行うことができます!こんな感じです。

古参ファンが得する世の中に

ヒット後や節目節目で、「特定のNFTを持っているユーザーに、お礼NFT」をあげることで更なるお礼を行うことができますし、特定のNFTを持っているユーザーだけ入れるWebなんかも作れちゃいますので、そこで先行販売や限定コンテンツを出すこともできますね!

NFTの他にも、ファンクラブで「(ユーティリティ)トークン」を配布する。という形での恩返しもできます。



5.ファンそれぞれが得意分野で、アーティストを応援してくれる

トークンの説明の前に、BTSのお話を。

下記のnoteで翻訳記事を公開していましたが、BTSはまさにARMY(ファン)の応援によって売れた象徴的なアーティストでした。

翻訳班はもちろんですが、お金の無いファンに資金を提供するファンド班までもいて驚くことばかりです。NewsPicksさんでもアメリカの初期ファンの特集記事がありましたね。

BTSのファンは、それぞれがそれぞれの得意分野でBTSに貢献しています。(ファンの人数が多いので自ずと、各業界の人が集まっています)BTSの場合はあまりにも大規模ですが、この「ファン組織」が今後音楽業界にとって重要なことは言うまでもありません。

この「ファン組織」にトークンを活用するDAO(分散型自律組織)という組織を組み込むことで、令和版ファンクラブ、ファンクラブ2.0、呼び方はなんでもいいのですが新しいファンクラブの形が生まれます。

ポイントだけお伝えすると、「より応援を頑張ってくれた方や、いい行いをした方にトークンという形でお返しができて、トークンをより多く持っているとファンが得をするし、徳をつめる」感じです。

よくある話ですが、古参マウントな方々もいますよね…

この問題に対しても有効な可能性があります。というのも、ファンコミュニティ内でよりいい行いをすればするほど、トークンが配布されるので、「いい行いがキーとなるコミュニティ」になるはずです。ですので結果的に古参マウントな方々がいないファンコミュニティとなるはずです。

Gaudiy石川さんが、BTSを例に出して説明されているのでぜひそのnoteをご覧ください!(冒頭のあるエンタメ業界の人は私ですw)

ちなみに、HYBE含め韓国大手事務所はNFTやWeb3に既に取り組んでいます。ただ一方でBTSのNFT参入には一部不満も出ています。

  • 分かりづらさ

  • 環境問題

これらが大きな理由のようですね。環境問題は様々な主張があるでの何が正しいのか私には判断できませんが、より環境負荷がない方法に進んでいます。ただ、この「分かりづらさ」は大きな問題。この部分をめちゃくちゃ意識してケアすることが重要です。



6.レコード会社の組織体が変わる

DAOのお話をしましたが、DAOは未来の会社の形とも言われています。

DAOはざっくりいうと、

  • 共通の大きな目的、志がある人たちが集まる

  • メンバー全員がステークホルダー(全員株主的な)

  • トップダウンではなく、メンバー主体で自律的な運営

  • 貢献者に貢献分の対価が与えられる

な、組織です。(現在進行形で変わり続けてます!)

この組織体は、レコード会社の現状課題をクリアにできると期待しています。というのも、今のレコード会社はアップデートすべき課題を抱えています。

  1. 大ヒットを出しても見合うボーナスが支給されない(労働時間えぐいのに)

  2. レコード会社の役割変化(CD流通、メディアプロモーションのウェイトが下がった)

大きくはこんなところです。

私自身DAOを、天下一品の表面の油くらいしか理解できていないですし、スキルも足りてませんが、、、

レーベルDAOを作りたいと思いました。
同世代や若い世代で新しいレーベル連合できたら面白いのになー!ってずっと思っていましたし、「音楽業界 × 広告代理店 × プラットフォーマー」と業界横断してきたからこそ、いろんな業界の人を巻き込めるのでは?って思った次第です。

なので、クリプト界隈のみなさま、音楽業界界隈のみなさま、興味のある方、一緒にレーベルDAOにチャレンジしませんか?まずはコミュニティから。という感じになると思いますが、長期目線でチャレンジしたいと思います。

形から入ってしまうタイプなので、レーベルDAOの名前も考えてみました!

名前は「Label Alliance DAO」。

元ネタはスターウォーズ の反乱同盟軍(Rabel Alliance)です。興味あるよー!一緒にやりたいー!って方、ぜひTwitterでDMいただけると嬉しいです!

これまで知り合った信頼できる方々にもガンガンお声がけさせていただきます🙏 (DAO参加を禁止する企業さんもまだないはずww)



と、こんな形で今回も長文となりましたが、今ほーんとに面白い時代だな!って思います。今後より一層「壁」や「国境」が無くなる世界になるはずなので、色々みんなでチャレンジしていきましょう!

今回も長文になってしまったので、NFTやWeb3の悪いところについて書けていません。少なくとも下記は大きな課題です。

  • 著作権や詐欺問題 & 自己責任

  • ハッキング

  • ガス代(改善の目処は見えつつある)

  • 環境問題(人によって思うところは様々)

  • 難しい&勉強コストが高い

ですので、他者のいうことを鵜呑みにせずいろんなソースを吟味しまくるのがオススメです!Input × Outputが全てですね!


Twitterとnoteもやってますので、よろしければ是非是非フォローをお願いします!

Twitter:Miyamoto164 / MUSIC - SAUNA - TRAIL

note:Miyamoto Hiroshi | 宮本浩志




「めちゃ参考になったー!」という方へ もしよろしければ、コーヒー代をサポートいただけると嬉しいです! 執筆時のコーヒー代に利用させていただきます🙇