コレクティブNFT/ジェネレーティブNFTってなに?

国内でのNFT販売/取引が活発になってきました、が聞き慣れない言葉に戸惑う方もふえているかと思います。世界での取引量が多いプロジェクトの主流となっている「ジェネレーティブNFT」(generative NFT)について、まとめてみます。

※後述する「ジェネラティブアート」だけが「ジェネレーティブNFT」と呼ばれることもあります。ここでは広義の意味での「ジェネレーティブNFT」として扱わせていただきます。

ジェネレーティブNFTとは

「生成にあたってプログラミング技術を使用して発行された作品」です。画像2

画像参考:https://dev.to/victorquanlam/nft-images-generator-using-python-jupyter-notebook-1ec7

例えば背景、体、顔、服、髪、アクセサリーなど"パーツ"をphotoshop等で作成。それをpysonなどのプログラミングツールを使い「パーツを組み合わせた画像」を発行。これで5000~10,000体の画像を一度に生成することができます。

また、パーツの数をランダムにすることでレアリティが生まれます。
また「金色の犬は20体しかいないからレア」「目からビームがでているのは10体しかいないから価値が高い」「服を着ていないのは数が多いからハズレ」など、ソシャゲのガチャのようにレアリティ差が生まれ、二次流通の価格でも当たり外れが反映されます。

●公式販売サイト(minting site)

5,000~10,000体を発行するプロジェクトは「公式販売サイト(minting site)」をつくり、決まった時間に一斉販売することが多いです。

基本的にはメタマスクを接続し、指定されたETHを消費するとNFTが発行されます。お金をいれると商品がでてくる、自動販売機を想像すると理解しやすいかもしれません。

変わった販売例として10/1に販売開始された日本発のプロジェクトnaughty pippiでは「ランダムに選ばれた3種から選ぶ」というシステムが採用されていました。

画像7

https://naughtypippi.supercryptoman.art/
購入手前まで進めることができるため、未体験の方は触ってみるとイメージがつきやすいかと思います。購入後はOpenSea上でもNFTを確認することができ、購入者は二次流通で販売することも下方です。

また、早押しによるgas代消費を防ぐため、ホワイトリストやコミュニティに貢献した方へのプレセールなど、先行販売の工夫をするプロジェクトも増えてきています。

「プログラミングやサイト作成なんて普通の人にはできないよ・・・」とったあなた。12歳の子供でも、上記すべてを作成した事例があります。
「子供がつくるNFTブーム」の火付け役となった12歳のベンジャミンくん。お父さんの手助けはありつつ、1人ですべてを作成していました。彼はコードや解説も公開しています。

いまOpenSeaランキング上位のプロジェクトは、イラストレーター、ブロックチェーンエンジニア、プロデューサーなどによるチーム体制で制作されているものが多いです。また、画像は手書きで10,000体を用意するプロジェクトもあります。

画像3


ここでわかるのが「OpenSeaにひとつづつ作品を追加していくプロジェクトと10,000体同時販売のプロジェクトは本質が異なる」という点です。
要素のすべてではないですが、10,000体をコツコツつくってOpenSeaに出品することで、クリプトバンクスやBAYCにはならないです。

公式販売サイトを持つプロジェクトと、直接出品の違い
・コミュニティやホルダーからの発信規模が異なる
・リリース日に焦点をあててプロモーション活動を実施。
・ロードマップも20%売れたら○○する、など販売数に準じた計画を発表
・リリース後もコミュニティを形成しプロジェクトを推進

アーティスト活動というより、会社立ち上げの資金調達に近いイメージかもしれません。

もちろん、「どちらがよい」という話ではありません。
また、海外でもジェネレーティブティブNFTだけが売れている訳ではないです。毎日1枚ずつ作品を販売し、ランキング上位のになっているプロジェクトもあります。直接出品でもコミュニティが形成されているものもあります。

●1作品づつリリース。最高値は679ETHの二次流通した「Ghxsts」
https://opensea.io/collection/ghxsts

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●毎日1体づつ販売。連日100ETH以上の値がついている「Noun」
https://nouns.wtf/

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これは語弊があるかもしれませんが、「個人アーティスト」は個別にアート作品としてNFTを発行、「チームでのNFTプロジェクト」はminting siteを用意し発行していくのが主流かつ合理的に最大化する方法なのかもしれません。
また、1点もののデジタルアートであればFoundationなど別マーケットのほうが見つけられやすい傾向もあります。

●「ジェネラティブアート」を元にしたNFT

NFTが知られるより以前から「プログラミングしたコードをもちいて画像を生成するアート」がジャンルとしてあります。

Processing、p5.jsというJavaScriptのライブラリを使用して作られることが多いです。NFTでの活用例としては、リロードするたびに絵が変わる、時間や環境を反映させた作品(時計など)など、インタラクティブな作品が発表されています。

●日本での代表的なジェネラティブアート×NFTのプロジェクト
generativemasks
function draw()
Okazzさん など

また「発行時にNFTがランダムで作成(mint)される」といったプログラムをつくることもできます。アーティスト側すら意図しない作品も生まれるという偶然性もでてきます。ArtBlocksの一部は、この方式を採用しています。

画像1

画像参考:HeDGEGUIDE ジェネレーティブNFTとは?
https://hedge.guide/feature/what-is-generative-nft-bc202109.html

※こちらのプログラミングで作られたもののみを「ジェネレーティブNFT」「ジェネラティブNFT」と呼ぶ場合もあります。文脈にあわせての使い分けにご注意ください。

●フルオンチェーンNFT、オンチェーン化とは

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画像:Blitmap

コードをもちいて作られた作品の中で、「スマートコントラクトの中に画像生成するためのデータが埋め込まれている」ものとなります。
例えば、BoareApeYCなど「絵」の画像は"IPFS"といわれるサーバーに格納されています。個人がおこなう際に多い、OpenSeaに直接「絵」をアップロードした場合は、OpenSeaのサーバーに「絵」が格納されます。

ブロックチェーンの非中央集権を目指す思想からは、画像データの永続性が重視されます。もし画像を提供するサーバーが停止したら無価値になってしまう、など本当の意味での所有に関わる問題もあります。
ただ、オンチェーン化すると使用するデータ量が多くなるためガス代が高額に。ピクセルアート等が主流となります。

●クリプトパンクス
2021年8月19日、あとからオンチェーン化されました。現在では、オンチェーンで作品が復元できる状態になっています。

▼オンチェーンに興味を持たれた方は、こちらの記事が参考になります。
【和訳】来歴と永続性:「オンチェーンアート」が重要である理由 (NFTnavi by でりおてんちょーl
https://nftnavi.net/why-on-chain-art-is-important/

以上、コレクティブNFTにまつわる3要素を書き出してみました。

日本国内のNFT作品をつくっていく、買っていく上ではあまり重要ではない要素にもなりますが、世界的な流れを覚えておくことで、発想のベースとなるかとおもいます。

※できるだけ馴染みのある言葉にする意図で書いたため、魅力を表現しきれていない部分もあるかと思います。興味を持った方は、ぜひ各元記事などご参考ください。

※今回の記事作成にあたり、公開前にdiscordコミュニティや有識者の方にご意見、補足をいただきました。ご協力、誠にありがとうございました。

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