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たくさんのものを背負ってきたてっぱちが、「野球をやってきてよかった」と言えた日 【6/28中日戦◯】

「そうだったそうだった、負ける日というのはずっとこんな気持ちで試合を見ていたのを思い出した、三連勝明けの一敗。」・・と、9回表の時点で実はこれを書き始めていた。そう、今日は完全に負けると思っていた。

こんちゃんはやっぱり責められない。これだけ助けてもらったのだ。だいたいヒットを打たない打線が悪い。気づけばその時点で出てるヒットは3回裏に2点つながったなおみち→エイオキ→てっぱちの2ベース×3の3本だけだった。いやそれはそれで効率の良い点の取り方だとは思うけれども相手にはその時点でもうめちゃくちゃヒットが出ていた。これじゃ勝てるわけないじゃないか。ぶつぶつ。と、思っていた。

9回表、点差は4-6まで広がる。こんちゃんが打たれてしまうというのは、精神的にもショックが大きい上に、物理的にもあとがなくなってしまうということなのだな・・と、軽く絶望していた。まあでも、そんな日もあるわな・・と、冒頭の一文を書き始めていた。いつも書くことで気持ちを落ち着かせるのだ、私は。

しかしそのあと、はらじゅりがぴしゃり。と、ゲッツーを取って9回表を終える。あれ、なんか昨日も見たぞはらじゅりのゲッツー。

完全に流れが向こうにあるような試合で、流れを変えたのははらじゅりだと思う・・という試合をそういえばこの前も見た。

ベンチへ向かう時に、てっぱちが声をかけてはらじゅりが少し笑ったのが映った。なんかそれはちょっと新しい希望だ、と、私は思った。

でも本当にそこから、夢のような(それはもう本当に夢のような)9回裏は始まったのだ。

ぐっちの素晴らしき選球眼(これもこないだの西武戦と同じだな・・)→代打雄平のヒット→代打上田のデッドボールで満塁(!)なんだこのタダでは終わらない感・・!タダでは終わらない今日の上田・・!!

いつも攻撃時の満塁はピンチだった。いつもいつも点が取れなくて、あーーーうーーーと煮え切らない気持ちで残塁の山を眺めていた。でもここでバッターボックスに立つのはなおみちだ。点差があるところからいつも追いつかない謎のホームランを打っていたなおみちだ。でも今日は、もしかしてもしかするとのチャンスのなおみちだ!

なおみちは、すばらしい、それはもうほんとうにすばらしい、美しい同点タイムリーを打った。いつも、ベースに立って控えめに笑うなおみちが、今日はとても嬉しそうにガッツポーズをして笑った。感情がぐっと出たいい顔だった。本物だわ、と、私は思った。

そこで打席に立つ、スーパースター。てっぱちは、ケガでスタメンを外れて以来、絶好調とは言えなかった。しばらくヒットも出なくて、もどかしい日が続いていた。

でも、でもやっぱり、てっぱちはスターだった。1点でいいところ、このスターは、わざわざ3ランを放って3点も追加した。やることがスターだ。

2日前、これは夢へと続く道だなと思った1本は、今日のサヨナラホームランに続く道だったのかもしれない。

「野球をやっていてよかったなって思います」という一言は、きっと色々な経験があって、つらい思いだってしぬほどして、ものすごいプレッシャーがあって、それでもそれらを全部、1番という背番号と一緒に背負ってやってきたてっぱちならではの言葉だ。心の底から嬉しそうなてっぱちのヒロインを見て、こちらもめちゃくちゃうれしい。と思った。えらかったなあ、ほんとうにえらかった。

「いろんな負けのパターンを見せてくれる」と、思っていた4月と5月。こんなにも彩り豊かな負けがあるものだ。と、もはや感心していた毎日。それがここ数日、いろんな勝ちのパターンを見てしまっている。いいんですかと思うけれども、あれだけつらい思いをしたのだから、たまにはいいですよねということで、噛み締めたいと思います。今日はもうほんとみんながヒーロー。(こんちゃんだってヒーロー。)どうもありがとう!


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