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インターンプログラム【25】~「利用者」にとっての「ソムリエ」~

この回では、「変化の主体」となりえるのは何かという視点から、「利用者」と「ソムリエ」的なものの位置づけと可能性、について考えます。(2022.2.23)

🌕〈S〉
今日のテーマは、
「利用者」にとっての「ソムリエ」
【23】ミュージアムと「変化の主体」
【24】「アテンダント」と「ボランティア」
のつづきです。

🌑〈AC〉
「利用者」と「ソムリエ」の関係を考えるには、
「Museumソムリエ入門」
④「創造」とは「組み合わせ」
⑤「料理人」と「お客様」

を参考にしましょう。

🌕〈S〉
「Museumソムリエ入門」には、

◼️「創造」=「組み合わせ」によって「新しい価値」が生み出されること

◼️コース料理の「最後の組み合わせ」となる「ワイン」は、料理人が選ばずに、お客様(利用者)が選ぶ

◼️ソムリエは、「コース料理+ワイン+お客様(利用者)」の組み合わせによって、「料理をいただく美味しい時間」という価値を「創造」している

などの話がありました。

🌑〈AC〉
そもそも、
「お客様(利用者)」が来なければ、「料理」は意味を成さないわけですから、
「料理をいただく美味しい時間」の主体となるのは、「お客様(利用者)」自身だということになります。

この意味では、
「ソムリエ」も「料理人」も、
「お客様
(利用者)」をサポートするポジションにいるわけです。

🌕〈S〉
「レストラン」を選んだのも、
「メニュー」から料理を選んだのも、
「ワイン」を選んだのも、
「お客様(利用者)」自身ですものね。
やっぱり、
 ~選べなければ、食べられない~
ですね。

🌑〈AC〉
さて、
ミュージアムの「利用者」の話に戻りましょう。
「ミュージアムと利用者の関係」と、
「レストランと利用者の関係」とは、
同じに見えますか?
違って見えますか?

🌕〈S〉
同じにも見えますし、
違っても見えるのですが……。

🌑〈AC〉
同じに見える人は、右側の「▽」で考え、
違って見える人は、左側の「△」で考えている人です。

🌕〈S〉
「図書館」(左図)も「劇場・ホール」(右図)も、「▽」の「利用構造」でしたが、
「レストラン」も同じ「利用者主体」なんですね。

🌑〈AC〉
「レストラン」には、
「料理コンテンツ」担当の「料理人」と、
「美味しい時間」担当の「ソムリエ」という2種類の専門職がいます。
また、
バックヤードの「料理人」
フロントヤードの「ソムリエ」

と言うこともできるでしょう。

🌕〈S〉
ミュージアムの4つの機能では、
「収集保存・調査研究」がバックヤード
「展示公開・教育普及」がフロントヤード

ですね。
レストランと「構造」はよく似ています。

※出展:加藤有次「博物館学総論」(1996)

🌑〈AC〉
「博物館学」や「博物館法」は、
バックヤードもフロントヤードも、学芸員が担うこととされ、まさにスーパーマン的能力を要求しています。
学芸員は「収集保存・調査研究」の専門能力を基礎にしており、
適性の異なる「展示公開・教育普及」という専門領域が負担となっている場合が少なくありません。

🌕〈S〉
レストランで言えば、
「料理人」がフロアサービスもやっているようなものですね。
このせいで、
フロントヤードの専門性が高度化していない、つまり、利用しにくい現状につながっているのかもしれませんね。

🌑〈AC〉
レストランの
バックヤードの「料理人」
フロントヤードの「ソムリエ」

にならえば、
ミュージアムでは、
バックヤードの「学芸員」
フロントヤードの「Museumソムリエ」

となります。

その意味では、
◼️学芸職以外の職員
が、専門職として高度化していくことが、
◼️アテンダントスタッフ
◼️運営ボランティア
「アテンダント」として「利用者」を支える基盤となり、
フロントヤード、つまり、利用のシーンを活性化していくことにつながると思います。

🌕〈S〉
「専門職として高度化する」とは、具体的にはどのようなことなのでしょうか。

🌑〈AC〉
利用者が利用するのは「プログラム」ですから、その選択肢を拡張させていくことのすべてということになります。
そのためには、「インターンプログラム」で紹介している、さまざまな視点が必要になるはずです。

つづきは、また次回。

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