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論文・文献紹介

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博物館学にかかわる論文や文献、資料などを紹介しています。
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#学芸員

博物館における正義 ージョン・ロールズの正義論から

博物館において何が正しいかって問題、あるではないですか。 例えば、過疎集落の文化財につい…

futabatakei28
2年前
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クール・ジャパンは内省か?ーアンリ・ピエール・ジュディ

クール・ブルタニアをパクったクール・ジャパン戦略というのがあって。 日本ってクール!と海…

futabatakei28
3年前

歴史的経緯を追うこと ー森本あんり「寛容論の中世的本義と現代的誤解」

自分が当たり前に身につけている常識や価値観から、自由になる方法の一つは歴史的経緯を知るこ…

futabatakei28
3年前

価値観を捨てる ー森本あんり「日本版読者に向けて」

「学芸員」観だけでなく、「博物館」観、「文化財」観、いろんな価値観がある。 それって当然…

futabatakei28
3年前

聞くための要点 -森田恒之のモノを見ること

先日、娘の学校で器楽部の定期演奏会があった。 そのなかで、生徒から「黄色や赤といった温か…

futabatakei28
3年前

伊藤寿朗の博物館法 ー伊藤寿朗「現代博物館考」

第三世代論、あるいは地域博物館論といえば、伊藤寿朗さん。 博物館法について書いた文章を今…

futabatakei28
3年前
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公論の形成のための「原初状態」ーアマルティア・セン『不平等の再検討ー潜在的能力と自由ー』

博物館といっても、水族館、動物園、美術館、大きいところから小さいところ、目玉となるような資料があるところから観光資源には乏しいところまで、本当に様々あり、関係者間での調整がつかないのは仕方がない、とも言える。 さらに輪をかけて、博物館法改正の関係者は、所管部局、学芸員の養成を行う大学にも関わってくる。大学の先生と現場とでも温度差があり、関係者間で調整がつかないのは、やっぱり難しいだろうとも思う。 そこで、ジョン・ロールズさんの「公正としての正義」。 自分がもし、14万で

展ログ、あるいは博ログ ーロバート・ヒューイソン『文化資本-クリエイティブ・ブリ…

来館者数という数での評価以外にどのような評価があり得るのであろうか。 これを考えるときに…

futabatakei28
3年前

學藝員がみつからない―青空文庫から

引き続き、學藝員を探しておりまして。 海外事例の紹介で「學藝員(キュレーター)」というの…

futabatakei28
3年前

學藝員をさがせ!―棚橋源太郎「博物館學藝員の重要性」

學藝員、學藝官、學藝委員などなかなか名称が定まらなかった日本のCurator。 棚橋源太郎さん…

futabatakei28
3年前

来館者開発における来館者像ー関谷泰弘「英米との比較による我が国ミュージアムにおけ…

museum audience development、来館者開発をするためには、誰が来てない/来れていないのかを把…

futabatakei28
2年前
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来館者の種を蒔き・育てるーAudience developmentとは?-Mara Cerquetti "More is bet…

日本に比べると海外の来館者調査の研究史ってまとまっている。 どんな風に調査しようとしたの…

futabatakei28
2年前

非来館者の文化的な障壁を取り除く ーNobuko kawashima "Knowing the Public: A revi…

私が関心を寄せているのは「文化的な障壁」をいかに取り除くかのところです。非来館者の文化を…

futabatakei28
2年前

何才からのミュージアム? ー斎正弘「フォーラム・連続公開インタビュー「美術館ワークショップの再確認と再考察-草創期を振り返るー」

 何才からミュージアムにいく?  その子によっても、そのミュージアムによっても、その展示によっても異なるだろうけど。  もちろん幼児向けのプログラムがあったっていいし、ベビーカー・ウェルカム・デーがあったっていいんだ。ちいさい子をミュージアムから締め出したいわけじゃない。  でも、特定の展示に対して、その適性年齢ってあまり意識してこなかったかも。  宮城県美の斎正弘さんが「だいたいね、お前は誰?と聞いた時に「お母さんの子ども!」っていっているうちは(美術館に)来なくて