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論文・文献紹介

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博物館学にかかわる論文や文献、資料などを紹介しています。
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2021年10月の記事一覧

法律のなかの「文化」

文化の定義は国によっても異なるが、時代によっても異なる。 70年代くらいから、ハイカルチャ…

futabatakei28
3年前
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クール・ジャパンは内省か?ーアンリ・ピエール・ジュディ

クール・ブルタニアをパクったクール・ジャパン戦略というのがあって。 日本ってクール!と海…

futabatakei28
3年前

歴史的経緯を追うこと ー森本あんり「寛容論の中世的本義と現代的誤解」

自分が当たり前に身につけている常識や価値観から、自由になる方法の一つは歴史的経緯を知るこ…

futabatakei28
3年前

価値観を捨てる ー森本あんり「日本版読者に向けて」

「学芸員」観だけでなく、「博物館」観、「文化財」観、いろんな価値観がある。 それって当然…

futabatakei28
3年前

経験が万能じゃないのよ ジョージ・E・ハイン『博物館で学ぶ』

自分自身の反省もふまえて言うのだけど。 学芸員としての経験を単に生き生きと、鮮明で、興味…

futabatakei28
3年前

聞くための要点 -森田恒之のモノを見ること

先日、娘の学校で器楽部の定期演奏会があった。 そのなかで、生徒から「黄色や赤といった温か…

futabatakei28
3年前

伊藤寿朗の博物館法 ー伊藤寿朗「現代博物館考」

第三世代論、あるいは地域博物館論といえば、伊藤寿朗さん。 博物館法について書いた文章を今日は紹介します。 そして、伊藤さん的法解釈が続く。 まぁ、たとえば、「博物館資料の利用に関し・・・図書室等を設置してこれを利用させること」「博物館資料に関する講演会・・・・等を主催し、及びその開催を援助すること」というのは、 ほかには、「博物館は、その事業を行うに当っては、土地の事情を考慮し、国民の実生活の向上に資し・・・」は、 そして、極めつけは、 ※以上、引用はすべて伊藤寿

判例のなかの社会教育主事 ー青少年の家に社会教育主事は必要?

アイデアとして行政訴訟はどうであろうかと考えた。 つまり、博物館法の目的は、博物館の健全…

futabatakei28
3年前

仕組まれた体験・学習と評価 ー萩原健次郎「子ども・若者の「余暇」と「社会参加」子…

 私がこれまで書いてきたことのなかで、「評価」というものへの懐疑心と、「いいね!」と認め…

futabatakei28
3年前

卓越性と多様性 ー石川涼子「芸術文化政策をめぐる政府の中立性の考察」

 フォーラムとしてのミュージアムとテンプルとしてのミュージアム。  伊藤寿朗もダンカン・…

futabatakei28
3年前
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図書館の自由 ー塩見昇「図書館の自由委員会の成立と「図書館の自由に関する宣言」改…

 「図書館の自由」を守るというのは、図書館のためとか、図書館員のためではなく、「民衆の知…

futabatakei28
3年前
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人びとにとっての美術展・図書館 ー日比 嘉高「絵の様な人も交りて展覧会─文学関連…

 『三四郎』を読んでると、美術展や図書館などの様子がよく描かれている。明治の人びとがどの…

futabatakei28
3年前

戦争加担と自由 ー秋野有紀『文化国家と「文化的生存配慮」: ドイツにおける文化政策…

 図書館の自由宣言には、戦中の図書館が「思想善導」を行ったことへの反省がある。(だからこ…

futabatakei28
3年前

「参加・体験」に対する批判と自分を射抜くこと ー田中優子「一揆を通して社会運動を考える」

 関心の薄い人こそ対象に。  どうやって?  「参加・体験」という手法で。  映画「MINAMATA」を見たのだけど、確かに「参加」だなぁと思った。 小熊英二さんは『私たちはいまどこにいるのか』で、ベビーブーマーが貧しさから豊かになる経験が後ろめたさとなり、「豊かさの陰で犠牲になっているものがあるはずだ、加害の自覚を持たねばいけないという感情をひきおこし、マイノリティの発見と、マイノリティを足場にしてマジョリティーを撃つ」パラダイムの形成にいたった、と説明する。  し