見出し画像

就活〜キリンに応募したリアルなエントリーシート〜


こんばんは、家に帰ってから寝落ちしがちなマッスルバックです💪

前に
https://note.com/muscleback7/n/nfebd289eda03
こちらの記事を書かせていただいた際に、いつかESを載せると言ったと思います。今回は、当時の私が実際に書いた本選考用のESを参考に、気をつけていたことをお話しできればと思います。
参考まで、私はエントリーシートで落ちたことがないということをお伝えしておきます。航空、鉄道、飲料、車、鉄鋼など受けてきました。

1.ESの概要
ESはたいして重要でもないのに意外と時間がかかりますよね。特に何社もエントリーする人であれば負担が大きすぎて嫌になってきます。でも結局その後に面接があるのでエントリーシートよりも面接の方がかなり重要です。
ただ、ESで落ちるのはもったいないので、ついつい時間をかけてしまうのが現状です。若干しょうがない部分もあると思います。

エントリーシートも面接と同じで、どの企業も聞いてくることは似ています。独特な設問の企業もありますが、その裏にある知りたいことというのは同じです。
文章中に盛り込み伝えるべきことは、どの質問で合っても自己PR・志望理由・学生時代に頑張ったこと・研究について、このあたりに集約されます。

自己PRの変化球として弱みを聞いてきたり、学生時代頑張ったことの変化球としてリーダーシップを発揮した経験を聞いてきたりすると思います。インターンシップのESであっても書く内容は同じです。志望理由の書き方が少し変わる程度です。
弱みであれば、弱みを書いた後に、自分の性格はこうだから、こうすることによって弱みを克服でき、その弱みも当然必要になる〇〇職により適するようになると考える。というように書くことができるので、結局自己PRです。
リーダーシップ経験であれば、この経験でこういうリーダーシップをとることによって○○を成し遂げた、○○を得た。というように書くことができ、結局学生時代頑張ったことです。

質問の裏で企業が何を知りたがっているか推測する能力も必要です。

2.ESの実例紹介
次に、私がキリン向けに書いたESを紹介します。
志望職種はエンジニアリング職です。

お題は以下

(1)研究内容(400字)
(2)学業以外の取り組みを通じて、これだけは人に負けないと思っていることを自身の経験を踏まえて入力(400字)
(3)あなたがこれまでの人生の中で、周りを巻き込み、リーダーシップを発揮した経験を入力(500字)
(4)上二つの質問を踏まえ、これまで培った経験や能力を生かしてキリングループで「何」を「どのように」達成したいか入力

私の回答は以下

(1)
圧力が加わることによって電圧を発生させる圧電材料を用い、多点型の圧力センサを開発しています。センサ1つあたりの寸法は一辺が数マイクロメートル四方、高さが数ナノメートルの四角柱構造を目指しています。ミクロな世界においては材料を物理的に削るといった加工ができません。そのためマイクロサイズのセンサを作成することは困難とされています。そこで私は材料を化学反応によって溶かして型を形成し、そこに圧電材料の粒子を散布して堆積させることによって任意形状の圧力センサを作成しています。以上の技術を使うことによって1つ1つ独立したセンサを高密度かつ高秩序に配列させることができ、単なる圧力の大小だけでなく、圧力分布として出力させることができます。応用先として、がん細胞から発生する力のメカニズム解明を見込んでいます。これは体内におけるがん細胞の転移機構解明へとつながり、治療法の確率に役立つとされています。

(2)
鉄板焼屋でのアルバイトへの熱意です。大学1年生のときに始め、何度か辛い時期もありましたが5年目となる現在でも続けています。それは自分自身がお店の料理や雰囲気を気に入っており、誇りに思っているからだと考えています。当初は接客業が始めてということもあり、お客様との接し方に戸惑い,厳しい指導と慣れない作業に心が折れそうになりました。しかし、賄いで頂いたお店の料理が非常に美味しく、周りのメンバーにも恵まれていたので最低でも半年間は続けようと決めました。仕事を覚えてくると私が料理やドリンクをお客様に提供しているという自覚が芽生え始め、誇りをもてるようになりました。以降は料理を作る速さや正確性、お客様の気持ちを考えた接客を極め、どんなに忙しいときでも事前の準備や店員同士の連携によって快適に過ごせるように努めています。お客様から私の真剣な仕事ぶりを褒めて頂けた際には働き続けてよかったと感じました。

(3)
研究を進めるにあたって周りを巻き込み,リーダーシップを発揮しました.私の研究は新規テーマの研究であり,研究内容についてノウハウを持った人が近くにいない状況でした.そのため,実験を進めるにあたって研究室外の方に協力をお願いしました.本研究室にない装置が必要となった際にはインターネットから学内にある他の装置を探しました.見つかった装置を使用するには講習を受ける必要があったので管理者に連絡し,特別に講習を開いて頂くことにしました.受講するにあたって同じ研究室内にその装置を使える人が他にもいれば今後も便利だと考え,使う可能性がある人を集めました.また,装置を使っていくうちに機能に関する新たな要望が出てきたので管理者に相談しました.交渉した結果,本来は部外者が知るはずがない,他研究室が個別で所有する装置を紹介して頂けました.実験に行き詰ったときにはさらに他の研究室を訪問して博士の方に意見を求めることもしました.論文の著者にメールを送って助言を求めることもしました.以上のような私の行動を知った同期も他研究室や大学の方と連絡をとるようになり,全体として研究活動が活発になったと感じています.

(4)
自分たちが作り上げた商品に誇りをもち、良質な商品をお客様に提供することによってあらゆる人を笑顔にしたいです。アルバイトにおいてお客様からの「おいしかった、ありがとう」という言葉にやりがいを得ています。貴社の商品は多様であり、老若男女に対して喜びを与えることができると思います。その点において、人の身近にあって常に多くの人を笑顔にする商品を製造できるため、私の思いと合っていると感じます。また、選んでいただける商品を作るには優れた発想と共に高い技術力が必要不可欠となるはずです。エンジニアとして商品自体の開発をするわけではないと思いますが、品質を決める設備を作って運用する立場として現場以外の社員の意見、お客様のニーズなど、様々な意志を反映させ、最高の製品を生み出す一員になりたいです。そのために研究やアルバイトで培った周りを巻き込み連携して課題を乗り越えていく力と熱意を土台として活躍したいです。


3.解説
こうやって改めて書いてみると、どの文章も微妙な気がします。笑
就活の後半であったということもあり、ESを書くことに慣れていたので時間をかけずに書いた覚えがあります。
ただ、これで受かるレベルなのだということがわかります。
それでは個別にみていきましょう。

(1)
まずは何をしているか、素人でも知っている言葉で短く書きます。そしてそれがどのようなもので、課題として何があるのか。解決策としてどのようなことに取り組んでいるのかを書きます。最後に、成功すればどれほど役に立つことをしているのかを書いて締めくくります。
もし、すでに結果があって誇れるものがあるのであれば、解決策の後に現状ここまでできていて、さらに高いレベルにもっていくためにこういうことに取り組んでいる。とすれば良いでしょう。
気をつけたこととしては、素人が読んだときに私が何をしているのか想像できるように書くということです。

改めて読んでみて気になることを一つ挙げるとするなら、前半と後半の繋がりでしょうか。
前半に特定の形状の圧力センサを作っていると述べているが、途中で任意形状の圧力センサを作成していると変わっています。私としては、任意形状に作成できることも特徴のひとつですので、どうしても話の中に盛り込みたい気持ちがありこのような文になったのだと思います。前半の内容と合わせて、「任意形状」→「微小かつ多点型」くらいにしたほうが良かったと思います。

自分自身のESに気になる点はいくつもありますが、
とにかく自分の親が読んでもわかる文を意識しましょう。
どんなに壮大で素晴らしい研究をしていても、字数が400字以内ということもあり全てを伝えることはできません。詰め込み過ぎは理解しづらくするだけですので、
思い切って情報を削る勇気を持ちましょう。また、説明が煩雑になる部分に関しては、大雑把な言葉で濁しておきましょう。
数字を用いて具体的に書くことが良いと思われがちなESですが、私は半分賛成で、半分反対です。

私のESの場合、どれだけ高密度か数字で書くこともできますが、それを書いても意味がないと思ったので詳細には書いていません。
一方、前半では形状を詳細に書いています。こちらは、マイクロやナノといったキーワードを並べて、なんとなく非常に小さいものを作っているのだということをイメージさせるためです。

こういった理由から半分賛成、半分反対です。

いずれにしろ、これを言うと元も子もないですが、
研究については重要度が低いですし、学会などにでているのであれば要旨を再利用することもできますのでそれほど力を入れる部分ではないです。

(2)
この設問は完全にキリンという飲料メーカと面接を意識して書いています。
ストーリーとしては、自分が誇りをもてること、お客様が喜んでくれることに対しては情熱をもって取り組むことができ、継続できる。ということをアピールしていく流れになります。私は実際に飲食店でアルバイトしていたこともあり、自分が活躍できると考えて飲料メーカを志望しました。お金や名声ではなく、自分がやりたいことができる企業、自分に合っていると思う企業を志望していくと、自ずと自分の経験と志望企業がマッチしてきます。
私の場合は学生時代に最も頑張ったことが飲食店でのアルバイトでしたので、説得力のある経験がいくつもあって非常に考えやすかったです。頑張ったことを述べつつ志望理由につながるように戦略をたてました。

改めて冷静に私のESを見ると、やはりこの設問も全然たいしたことのない文章だと思います。恥ずかしいレベルです。

私がESを書くにあたって全般的に気をつけていることは、相手を感動させる意識で書くことです。だから私のESは物語のようになっているものがほとんどです。ざっくりとした考えですが、相手の心に響くようにできるだけ相手の頭で映像としてイメージできるように書きました。そうすることでリアルさが増し、印象に残るESになると思います。

作家になりきり、感動ストーリーを書きましょう。

それと本来あるべきESというのは、どの一文も戦略のもとに書かれており、無意味な文がない状態を指すと思います。

ついでに、志望理由を作る場合のお話を少しします。

飲食店でのアルバイトがない人だって全然大丈夫です。
キリンを本気で志望しているのであれば、何かしらの興味をもった理由があるはずです。

自分の楽しかった思い出にお酒は付き物だった。とか、ある日生茶を飲んで衝撃を受けた。美味しくて気分が上がった。とか。
→そこから人を笑顔にできる身近な商品に携われる会社として飲料や食品を見ている
→その中で御社はこういう特徴があって、自分のこういう部分とマッチしているから志望している。

などなど。本当に入りはこの程度のことでいいのです。
あとはとにかくその会社だからこそできること、その会社だからこそ頑張れることを探し、自分の経験と紐付けて論理的にその会社じゃなければいけない理由を伝えるのです。

(3)
エンジニアリング職として、様々な部署や場所に足を運び、泥臭く仕事していく姿をイメージして書きました。また、私は人の前に立って指揮をとっていくキャラではなかったので、人を巻き込んで協力して協力して物事を進めることができるということをアピールしました。自分が主体的に行動した経験は全てリーダーシップにあてはまります。
知っている人も多いと思いますが、部活でいうところのキャプテンのような存在だけがリーダーシップを発揮しているというわけではではないことを念頭においておきましょう。

こちらの設問も、結論先行で始め、課題が何で、それをどう乗り越えたかということを主として頑張った経験を書いていきました。
あくまでESはスタート地点に立つための過程です。面接で喋ることを意識して書きましょう。このリーダーシップを発揮した経験と、あらかじめ見つけておいた会社での活かしかたを面接で喋るのです。

きっと面接で、あなたのリーダーシップを発揮した経験が、○○という職業でどう活かせるか。などと聞いてきます。他にも、あなたの研究でなぜこの職種なのかという意地悪な質問をされることもあります。

私の場合、後者に対しては研究内容でやりたいことを選んでいるわけではなく、他の経験からその職種を志望するようになったことを述べ、研究内容自体は職種に活かせないが、研究を通して発揮したリーダーシップをその職種でこのように活かせるということを述べていました。

(4)
文章の前半では(2)と関連して、「誇り」と「お客様を笑顔に」というキーワードを盛り込んでいます。後半では(3)と関連して、「周りを巻き込み連携して課題を乗り越える」というキーフレーズを使っています。
このキーワードやキーフレーズは一貫性を持たせるための重要なポイントになります。面接では最終的な話の結論がそれらに着地するように頭を回転させていきましょう。

キリンではいくつか設問があって最後にわかりやすく”上二つを踏まえて”、という設問でした。他の企業でも複数の設問があると思います。できるだけそれぞれがリンクするような意識をもってESを書き上げていきましょう。全体を通して話の軸をひとつにするのです。そうすることで論理の欠陥を防ぐことができます。

あと、小さなことですが、中盤の”私の思いと合っていると感じます”は、”合っています”ではなくあえて”感じます”としています。あくまで自分からみてそう思うだけなので、断定ではなく濁した表現にしています。

ESの文章には戦略が隠れており、一字一句思いが込められています。
途中で雑にならず、細部に渡って最後まで文章を推敲しましょう。

最後に、
普通のことですがおすすめのESの書き方としては、

①細かい体裁は無視して目標文字数の2〜3倍の量を書く。
②戦略を考えながらどの内容を使うか決めて目標文字数以内に入るよう削る。
③体裁を整える。

です。

**また、全く格好良い文章ではなくて構いません。ウェブにはいくつもの格好良すぎるESが転がっていますが、そんなものは不要です。
ESに正解はないので、自分独自のものを作り上げてください。

論理論理と言っておいてあれですが、魂のこもったESであることも重要です。**

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?