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リクルートで事業開発を務めた私が、ベクトル創業社長の直下で働いてみて


はじめに

初めまして!現在、株式会社contento というコンサルティング会社で代表を務めている小川正樹と申します。

noteでは、これまで私が複数の会社で働き、そこで得てきた経験について会社ごとに紹介しながら、プロダクトマネージャーとして学んできたことや日々の持論について書いていきます。

小川のTwitterです。よろしければフォローお願いします! https://twitter.com/musan634


前回の記事では、私がリクルートで働いてきた中で感じた、

  • 新規事業立ち上げの難しさと、

  • そこから得た新しいことを始めるうえで大切なこと

についてご紹介しました。

もしまだお読みでない方は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。

今回からは、リクルートで働く中で感じた「新しいことに挑戦したい」
という思いとともに、次の会社である『ベクトル』を選んだ理由や、
そこで経験したエピソードについて共有できたらなと思います。


ベクトルを選んだ理由

「さらなる刺激を求めて転職~40歳の挑戦~」

前職のリクルートは起業家を輩出する風潮からも分かる通り、
ある程度キャリアを積んだら、リクルートから出ていくのが普通で、
むしろ長く勤めている人の方が珍しいくらいでした。

私自身も、
もっと挑戦できるような環境に飛び込みたい!」
と思い、転職を考えていましたが、

とはいえ、当時の私には明確なビジョンもなかったので、

  • 新規事業を立ち上げるのも微妙(いい年齢だし)だけど、

  • 転職市場的にもこの年齢だといけるとこあるかなとか、

  • 家族も養っていく必要があるしなと思い、

リクルートに残ろうかなぁ、と迷っていました。

そんな時、リクルートの先輩から
ベクトルみたいなリクルートの上場前的な会社なら、小川さんに合ってるよ」と言われたことがあり、

また、同時期に大学の同級生にヘッドハンティングをされていた会社が、
たまたまこのベクトルだったのです。

スカウトの内容は、「デジタル戦略室長」というポジションで、会社のディレクションを決め、社長がしたいことを形にしていくことが仕事でした。

ベクトルは大企業になっていて、転職だと一から自分のやりたいことができるわけではないけど、
社長直下で裁量をもって働けるし、「挑戦してみたい!」と素直に思いました。

私自身は、起業やベンチャーで勤めることも視野に入れてはいましたが、
「この会社でも挑戦できる」と思い、最終的にベクトルへの転職を決めることになったのです。


ベクトルでやってきたこと 

「創業者はすげえ」

ベクトルでは創業社長の直下で働き、
デジタル戦略室長(CTO)というポジションを与えてもらいました。

具体的には、エンジニアの人事制度・育成を整備したり、イベントを主催したりすることがメインの仕事です。
また、それだけではなく、事業戦略組織戦略組織開発にも力を入れていました。

そんな中、ベクトルで働いていて不思議だと思ったことがあります。

それは、ベクトルの仕事の進め方についてです。

元々、ヤフーやリクルートで働いていた時は、
何かを始めるにしても、上長に承認をもらわなければいけません。

そのため、常に仮説やデータを準備し、ロジックで説明しなければいけませんでした。
そして、上長からの承認を得て、ようやく事業に取り組むことができます。

しかし、ベクトルではこのようなやり方に反対されたのです

社長からは、
「そんな上司に好かれるようなものを持ってきてどうするんだ!
今を生きてる人の要望よりも、10年後に社会に必要なものを作るんだから、
自分の思い描くアイデアをぶつけてこい!!」
と言われました。

私は、
「もし事業が失敗したら会社に損失が出るじゃないですか」
と言いましたが、

社長からは、
「もし仮に何億の損失が出るような失敗をしても、その分ただ稼げばいい」
と言ってくれて、

改めて私は「大きな企業を築きあげた社長はすげえ」と思いました。

事業を作る際に、これまでは人を説得させることに力を注いでいましたが、この言葉を聞いて、「直感的に良いと思ったものを作ろう!」という発想に切り替わったのです。


PR(Public Relation)の面白さを知った

もう一つ、私がベクトルで学んだことは
「PR(Public Relation)の奥深さ」についてです。

PRと広告は、似て非なるものであることをご存知でしょうか。 

簡単に言えば「広告」はお金をかければ情報を流布させることができます。

それに対して「PR」というものは、お金を出さずに情報を流布させる働きかけのことです。

ベクトルに入る前の私は、いわゆるステマやマーケの誘導のような、
広告表現のウソや景表法違反などの、消費者保護観点の欠如が嫌いでした。

もっと言えば、極論あるべきじゃないとすら思っていたくらいです。

しかし、ベクトルで働いている中で考えの幅が広がり、
良いものを届けるために必要であれば、

  • 情報に付加価値を付けることは決して悪いことではない」

こう考えるようになりました。

もちろん法に触れてはいけませんし、
一時的には人をだましているように感じられるかもしれません。

しかし、結果的に効果が出るなら、
「手段として情報を強調するのは決して悪いことじゃない」
こう思うようになりました。

つまり、完全な嘘はダメでも、「ドヤ!」みたいな、
見せ方の工夫はアリなのではないかということです。

また、これはPRに限ったことではない、とも私は思っています。

こうした、いい意味での誇張というものを理解していないと、
どんな場面でもずっと謙虚であり続けてしまいます。

「私は未熟ですから」と言い続けてしまうのです。

確かに、世の中には自分よりすごい人がたくさんいるかもしれません。

しかし、その中で「オレ凄いぞ!」って表現できないと、
自分をアピールすることなどできません。

つまり、自分をドヤったり、売れない商品にお化粧させたりして、
手に取ってもらうための働きかけがとても大切なのです。

ベクトルはこれを徹底してやっていました。

こうした姿勢について、外部からの評判は決して良いものではないのかもしれません。

しかし、ベクトルの中の人は、こうした良いものを良いと伝えるための工夫に真面目に取り組んでいるのを見て、

嘘だと思われていることが必ずしも嘘なのではなく、
良いものを良いと知ってもらうための精一杯の工夫なのだ、

と考え方が変わっていきました。


最後に

社長からの言葉が刺さり、やはり自分は
「大企業じゃなくて起業やスタートアップをしたい!」と素直に思いました。

「自分が思ったことを正直に言って、自分の思うように動いて、
自分の最大限の力を発揮できるようにしたい!」

そうして、結果的には自分を必要としてくれた子育てベンチャーのコズレへの転職を決めました。

出典:ジョジョの奇妙な冒険

次回の記事では、
「ベクトルCTOからコズレ取締役に転職してみて」というテーマで、
これまでの経験を活かして、私が取締役としてどんなことをしてきたのか、
振り返っていこうと思います。

よろしければ、ぜひそちらもご覧ください。


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