むるめ辞典
■出世魚
[読]しゅっせうお
カサゴみたいなハマチはいつかブリへ
[例文]
叩くとホコリだらけの座布団のように親に放って育てられた幼馴染みは、ふてぶてしさが張り付いた切れ目の一重まぶたがわかりやすい、悪人顔だった。学生の頃にはカサゴのように気の強いエラの発達した極悪顔に成長した。
この男は浜地といって、いつかブリのようにクールに出世していく男なんだけど、それは随分先の話。
この頃は映画ウエストサイドストーリーのチンピラみたいに度胸があり、勉強をしなくても成績が良く、異性に親しみやすい声をもっていて、スポーツ万能だった。
でも本当は素行が悪くて、いろんなことに失望していて、不運に照らされていた。そしてそれを知っているのは、本人を除くと私と何人かの友人だけだった。
サポートしていただいたお金で、書斎を手に入れます。それからネコを飼って、コタツを用意するつもりです。蜜柑も食べます。