インド物語-コルカタ-

画像1 灰色のカラスが空を覆い、暮れなずむ街の光を遮っていた。紙魚だらけの古い本のように汚れた建物。その横を通る瓦礫とゴミの積まれた道に、物乞いが膝を立てて腰をおろしている。その奥にある市場には、見たこともない動物の頭蓋骨が吊るされていた。 まったくもう。世紀末の不吉な舞台みたいだ。北斗と南斗の宿命の星が光ってないか?日本からこっち思えば遠くに来たもんだ。電話もねえ、寝床もねえ、こんなところはもう嫌だ。早いとこ東京に帰って、この地獄みたいな場所のことは忘れよう。とりあえずホテルはどこだ?と思いながら撮った1枚。

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