むるめ辞典

■泥土

［読］でいど

泥の土

［例文］
ミルクを飲んで、泣いて、眠るだけの赤ちゃんの、うんこが今日で3日でていない。

揺すったり、さすったりしてもびくともしない小さな肛門に少し刺激を与えてみても応答はなし。

逆さにして振ってみようか、それとも太鼓みたいに叩いてみようかと考え始めた5日目の朝に、手の付けようがないほど体いっぱい泣き叫ぶ彼女の苦しそうな顔が、フッと緩んでその時はきた。

待ってましたとおむつを開くと雷雨の後のアマゾン川の泥土みたいな苔色の逸物が隙間なくこびりついていて度肝を抜かれた。

この前に肝を抜かれたのは10年前にインドで沐浴をした直後のガンジス川で火葬が始まった時に、こんなことがあるのかと、それ以来の衝撃になる。

これはすごいぞと盛り上がる夫婦をよそに開放された一日の始まりを赤ちゃんは機嫌良くニコニコと笑って迎えた。