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映画感想『地球最後の男』『ニューヨーク東8番街の奇跡』『愉楽への手ほどき』『三人の夫』

夫が午後から夜にかけていないというので、夕方からビールを飲みながら映画鑑賞。
『地球最後の男』『ニューヨーク東8番街の奇跡』『愉楽への手ほどき』の3本と『三人の夫』を途中まで見たので、その感想を書きました。


『地球最後の男』1964年(アメリカ / イタリア)

白黒映画。タイトルを見て一発で筋がわかる。
全人類が吸血鬼+ゾンビになった世界でひとり生き残る男。男は襲ってくる吸血ゾンビから身を守りつつ、町に転がる亡骸を葬る日々を送る。
フィクションとして見ていたが、こんな世界になったのは風で伝染る感染症が原因、ということがわかり、感染症が蔓延する今と通じる話であった。
電気に強い、必要な物を自作できる、危険から身を守る知恵があり、おまけに科学者、と主人公ひとりが生き残ったのに納得。自分を振り返れば、機械オンチ、不器用、すぐ慌てる、で、ダメだこりゃ、生き残れそうもないと肩をすくめた。窮地に対応できるサバイバル能力を養いたくなった一本。


『ニューヨーク東8番街の奇跡』1987年(アメリカ)

立ち退きにあっているビルの住人のもとに突如二機のUFOが訪れ、地上げ屋を退治してくれる話。
若いころだったら、人間っぽい動きをするUFOの動きに魅了されたと思うが、大人になった今、感情移入したのは建設ディベロッパーの下っ端の若者であった。ヒゲ生やしているけどよく見りゃ十代かってくらい若く、なまりから移民かと推測もできる彼が手柄を立てるために、仲間が離脱してもひとりで人から嫌われる地上げの仕事がんばってる姿に涙。サラリーマンもチンピラも毎日汗して働くのに変わりはないんだな、としみじみした。そんな彼が、仕事に失敗したあと、敵である住人のおばあちゃんに花を持っていくシーンで、結局自分のことを息子だと勘違いしているおばあちゃんに花を渡さずゴミ箱に捨て去っていくのがまたせつない。


『愉楽への手ほどき』2018年(フランス)

タイトルとパッケージから女同士のエロい話?と調べてみたら、一貫して性をテーマに映画を撮った監督の作品を知り、ただのエロではない?(ただのエロでもいいけど!)と思って見てみたら、とんでもない映画だった。

登場人物は三人の女性と二人の男性。中盤は性被害の話が出てきて、深刻な話なのかな、と思いきや、宇宙をバックシーンにセックス、という映像が突然でてきてあ然。
思わず頭に宇宙ネコが浮かび、宇宙ネコならぬ宇宙セックス、と思ってみるも、一体どんなふうに見るのが正解なのかわからず混乱。
宇宙セックスの映像を見た女の子が感動のあまり泣いているシーンがあるので、ギャグじゃなくてマジ? と思い見進めると、ラスト直前にヨガするおじいちゃんが宙を浮いた!そして、空中を浮きながら抱き合う男女を別の女がベッドで寝ながら見て大爆笑!そしてその大爆笑する女の顔で映画が終わった。

な、な、なんだこれは! 見終えたあと、しばしぽかーんとしてしまった。
エロか、いや、社会派?と思って見続けたら、最終的にオマヌケ映画で、個人的に当たりだった。
(わたしは左手に中島らも、右手に大槻ケンヂ作品を持って大きくなったので、こういう作品は大・好・物!)

いや、いい映画見たわい、と満足。これで寝ようと思ったが、オススメに上がって気になり、ちょっとだけ見ることにしたのが『三人の夫』。

『三人の夫』2018年(香港)

韓国映画かなと思って見始めたら、繁体中国語が出てきた。台湾か?いや、言葉は広東語だ。しばらく見て舞台は香港だとわかる。網の上で焼かれるアワビのファーストシーンに引きつけられ、舟の上で客をとる娼婦の裸体の説得力に、あ、これ最後まで見ちゃうヤツだ、と思い時計を見ると1時近かったので、またひとりのときに続きを見ようと思い再生を終了した。

監督はフルーツ・チャン。役者が役を演じているのではなくて、現実にそういう生活をしている人が画面に映っているという感じがして、その生々しさに感動した。

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