見出し画像

戦略的に【決算月を変更する】ことの有用性

こんばんは。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

==================


■「こんなはずじゃなかったのに…」


 というのは、
 税務相談の際によく耳にする言葉。


 これは法人について
 言えることなのですが、

 役員報酬の設定を誤ってしまったり、

 消費税の届出を失敗してしまったり…

 どうしても経営の状況は
 先が見えないものになりますので、

 当初想定していない事態が起こった時など、
 上述したような、いわば
 
 【失敗してしまった】

 というケースが考えられるわけです。

■役員報酬については、


 基本的に年一度しか
 変えることができません。

 その年一度決定した後は、
 毎月同額を支払っていく

 というのが基本になるのですが、
 
 もし当初の想定より
 利益が上がったり下がったりする中で、

 こんなに利益が上がるんだったら
 役員報酬をもう少し多めに
 もらいたかっただとか、

 こんなに利益が下がるんだったら
 役員報酬を支払うことができず、
 社会保険料の負担も大変だ…
 もう少し役員報酬を抑えればよかった

 などといったことから、

 当初の決定を失敗してしまった
 ということがあるわけです。

■消費税についても、


 『原則課税』と『簡易課税』
 という方法を選択することができ、

 これは、翌期の事業の状況を見据えて
 選択し、提出するものなのですが、

 どうしてもその予定通りに
 進まなかった場合に、

 【選択した結果が裏目に出てしまう】

 ということも少なからずあります。

 
■上記の解決方法として、

 【決算月の変更】

 を検討しましょう。


 通常法人を設立した時点で
 決算月は決定されるのですが、

 この決算月は実は変更可能。


 しかし、意外とこのことは
 知られておらず、

 どうしても役員報酬や消費税の届出を
 早めに変更したいのであれば、

 【決算月の変更をすること】

 を視野に入れておくと良いと言えます。

画像1

■決算月の変更は


 思いの外簡単で、

 まずその法人での株主総会で
 定款を変更する旨の決議をする。

 
 『定款の変更』
 
 とは、具体的に言えば

 『その定款に記載されている
 事業年度を変更する』

 ということですね。


 そして、その決議後に定款を変更して、

 税務署や県税事務所、
 市区町村に異動届を提出することにより、

 決算月の変更が完了します。


 なお、決算月の変更の決議は
 変更したい事業年度の末日までに
 する必要があります。


 具体的に言えば、

 3月決算を
 6月決算にしたいのであれば

 この株主総会の決議は
 6月末までにする必要がある

 ということです。


 その後の異動届出書の提出についての
 具体的な期限は決まっていないのですが、

 なるべく早めにした方が良いでしょう。


 どれだけ遅くなったとしても、

 変更後の事業年度の
 確定申告書の提出期限までには
 提出したいもの。


 具体的に言えば

 6月決算であれば
 8月末までに異動届を提出する

 ということですね。

■この決算月の変更は
 意外と知られていないもの。


 場合によってはこの変更手続きにより、
 大きく納税額も変わってくる
 こともありますので、

 今後税金について考える際は、この

 【決算月の変更】

 という手段を視野に入れることを
 忘れないようにしましょう。


-------------------- 

《本日の微粒子企業の心構え》


・役員報酬の決定や消費税の届出に関して、 
 「想定通り経営が進まなかった」
 ということにより、
 結果として良い選択でなかったという
 ケースは往々にしてあるもの。

 これを解決する手段の一つとして、
 【決算月の変更】がある。


・決算月の変更は、次の通り。

 株主総会の決議を、その変更したい決算月
 までにし、その後議事録を作成し、
 定款を変更。

 そして、その変更した決算月の2ヶ月後
 までに異動届出書の提出をする】。

 そのような意外と簡単な手続きにより、
 決算月の変更が可能であるため、

 しっかりと
 この【決算月の変更】については
 節税策の一つとして視野に入れておきたい 
 ものである。


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?