30万円未満の資産をあえて【全額経費にしない】理由
おはようございます。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
==================
■今回の確定申告については、
新型コロナウィルスの影響により、
事業所得でマイナスになり、
損失の申告になる
ということが
少なからずあるかもしれません。
今日はその
【損失の申告】
について、注意すべき点を
お話をしていきたいと思います。
■まず
個人事業主の事業所得については
青色申告と白色申告があるわけですが、
白色申告については、
損失が出たとしても、
その損失が使えるのは今年度のみで、
翌年以降に繰り越すことができません。
ただ、白色申告であっても、
例えばその年の給与所得が出ていて
事業所得が損失であれば、
その給与所得の所得(利益)から
その損失部分を相殺して
申告をすることができますので、
結果としてその年の所得は
低くなることになります。
しかしながら、青色申告であれば、
今年度生じた損失を
【翌期以降3年間繰り越すことができる】
ので、その3年間の間に
その損失の範囲内で利益が上がった
としても、所得は出てこない
ということになります。
そこで今日お話ししたいのが、この
【損失の繰越の仕方について】
のことです(^^)
■上述したように
これは青色申告である
個人事業主に限定されるのですが、
損失の繰越をする際は、
確定申告書に
通常の『第一表』と『第二表』のほか、
【第四表】
という損失の繰越用の書類を添付して
申告する必要があります。
逆に言えば、この損失の繰越用の
書類の添付がない場合は、
繰越が認められませんので要注意です。
■そして、
損失を繰り越す際に
注意しておきたいのが、
『減価償却』について。
結局のところ、損失の繰越は3年間
認められるのですが、
逆に言えば「3年間しか認められない」
とも言えます。
もしかすると
業績が芳しくなく3年間を通しても
その損失を超える利益が出ない
ということも考えられるでしょう。
そういった場合に考えたいのが
『減価償却費』についてなんですね。
■減価償却費は、
青色申告であれば、原則として
30万円未満の購入金額のものであれば、
一括して経費にすることができます。
ここで「できます」と書いているのは、
そうしなくても良い
ということでもあるわけで、
10万円以上30万円未満で
全額経費処理ができるものを、
あえて『資産』として計上して、
減価償却費を通じて
毎年均等に配分していく
という方法をとると、
今年度の経費は少なくなるのですが、
翌年以降に使うことのできる減価償却費が
増えてくるわけです。
(トータルで経費(減価償却費)にできる
額が変わるわけではありません。)
したがって、
もしその3年間の繰越が4年目に入り
期限切れになる可能性を考えると、
【当期計上すべき経費をあえて
翌年以降に延ばす】
というのは有用な選択と言えます。
そして、今年度の利益の金額が
大きく見えますので
金融機関の評価も少しではありますが
見栄えが良いものなる
ということも考えられます。
■ということで
今日は青色申告者の
『損失の繰越』について
お話をさせて頂きました。
一言に「損失を繰り越す」と言っても
いろいろな注意点がありますので、
適切な知識を持って、
有意義な申告をしていきましょう。
--------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・青色申告である個人事業主の
損失の繰越については、
【確定申告書に第四表の添付が必要となる】
ということを心得ておくべし。
・損失が出た際に考えたいのが
【減価償却費】。
もし10万円以上30万円未満の資産を
全額経費としているのであれば、
それをあえて資産計上をすることで
当期の損失を少なくするということも
考えられる一つの手段である。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^
https://my77p.net/l/m/lwZX98E5MRGZHJ
また、このnoteの記事は、
毎日配信しているメルマガの内容になります。
もし毎日記事を読みたい!ということがあれば、
こちらより登録されてくださいね(^^)
メールアドレスのみで登録できます^^
https://my77p.net/l/m/9kXjiJBgg85NjC
起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?