読書感想文　２００４年のプロ野球

『2004年のプロ野球―球界再編20年目の真実―』 山室寛之 | 新潮社

渋谷の大盛堂で購入。

2004年の近鉄オリックス合併　楽天参入、ソフトバンクのホークス買収
の顛末を事後の資料やインタビューで読み解いている。
プロ野球自体も選手が望んでのメジャーリーグへの移籍が盛んになりだし
日本経済もプロ野球団を持つような大企業が毎年の球団の赤字40億円を
抱えきれなくなる時期でそのような問題点が一気に表に吹き出したのが
2004年だったという事なのだろうか。
大筋としてオーナー会議での球団の併合による1リーグ論から新規参入のよる2リーグ維持の流れがあるが
選手や球団職員リーグ職員のそれで生活している人の人生が
オーナー会議で、
もっと言えば巨人の渡邊オーナーと西部の堤オーナーの二人で
決められるという事になりかねなかったのが
権力のある老人が密室で物事を決める恐ろしさを感じた。
当時にみたニュースの印象では選手会はオーナーの横暴に立ち向かう
被害者で古田が選手会長でそのリーダーという印象だったが
作中では結構交渉も荒い雰囲気がしたが
試合中の他球団の選手と電話で報告しながら交渉を続けた
という話にそんな集中してない環境で試合されても
あんまり応援できないだろうなと思った。