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米国の生命科学系PhDプログラムの外国人定員

大学院に応募する、といえば、何らかの定員があって、その枠を競うイメージは欧米でも日本と変わらない。目安となる全体の定員については、募集要項に書いてあるが、実際には「外国人枠」のようなものがあるので、少し書いておこうと思う。

欧米の生命科学分野の大学院の学生は、入学から卒業まで、学費と生活費を全てカバーする奨学金を支給されてコースワークや研究に励む。大学院の定員というのは、この経済支援の定員、ともいえる。

国籍で応募者を差別する意図は無いとはいえ、奨学金の種類によっては国籍の制限があるため、実際には外国人が入学するのが極端に難しい場合がある。

例えば、大学院生をサポートする財源には、TA(Teaching Assistant)をやるかわりに大学が給料を支払う、というのがある。州立大学の場合は米国籍の学生、などの制限が付く場合が多い。同じ大学でも、分子生物学コースの財源は州政府からの大学予算、遺伝学コースの財源は大学独自の基金、など、外からは見えにくい財源の区別があり、外国人に使える予算と使えない予算がある。これは現地のプログラムに詳しい人に聞くしかない。

外国人を取れないプログラムにいくら応募してもダメ、という状況はよくある。そういう意味で、研究インターンシップや研究室訪問などで詳しいことを聞いておくのは重要だ。

私立大学でもNIH(National Institute of Health)などの国の財源からの人材育成プログラムの予算は米国籍の学生のみが対象だったりするが、柔軟に使える財源を持つプログラムが多い。過去に日本人が学位を取っているか、資料を調べるのも有効だ。

冒頭で「奨学金の枠=定員」というようなことを書いたが、実はもう一つの入学方法がある。

MIT、スタンフォード、ハーバード大学など、世界ランキング上位の大学の中にある大学院プログラムに多くの大学院生を送り込んでいる国があるのをご存じだろうか?そう、政府や民間団体などが奨学金を持たせて、学費と生活費の「満額」を持ち込めば、普通は激しい競争でも、かなり有利になる。

そういう奨学金を持ってくるのは各国の超優秀な学生なので、もともと選抜を勝ち抜く素養があるのだろうけれど。これは大学院としても、他の学生をサポートする財源となるので助かる。格安航空券のチケットのお客ばかりの飛行機に、定価の値段でビジネスクラスに乗ってくれるお客さんがいるようなものだ。

ペーパーテストと面接の点数で「公平に」選抜する日本とは違うところは他にもいろいろある。詳しいことは、研究インターンシップなどの機会に、ぜひ現地で自分で調べてほしいと思う。


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