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サークル麦畑(高橋むぎさん)の「響け!ユーフォニアム」ファンブック「夏の記憶」レビュー「『滝教諭が黄前を何故買っているのか』はアニメを観ないと理解出来なかったのか…」

「夏の記憶」は高橋さんが2019年8月に発行された
ユーフォの同人誌で折に触れて何度か読み返してます。
「好きな本は何十遍何百遍と読んで自ずと全文丸暗記するもの」
だと思ってますので。
2020年10月に「誓いのフィナーレ」の円盤を観てから購入した
ユーフォ同人誌の1冊ですね。

とは言え新1年生で印象に残るのは久石奏くらいで
高橋さんの同人誌で心に残るのは
「最後の夏」と「久美子と滝先生」の2作。
「誓いのフィナーレ」と関係がない…?
いいんです。コレは「縁」なので。

滝教諭は演奏技術の指導はしますが
生徒の個々の問題には不干渉で
滝教諭にとって重要なのは
自分の要求する演奏が出来るのか出来ないのか
出来ないなら何時何分何秒までに出来る様になるかの
期限の確認だけで生徒を一切フォローしないのに
1年のときの黄前だけには例外的にフォローするので
「違和感」をずっと抱いていたのですが

(この漫画は)原作にはなくアニメ1期12話及び
映画1作目で描かれたエピソードを膨らませた話です。(高橋)

との記述に仰天する共に納得もしました。
でもこのエピソードがないと「誓いのフィナーレ」で
「滝教諭が黄前を買っている」描写の理由の説明が出来ないんですよね。

「黄前さんはどう思いますか」

なんて他の生徒には絶対に聴きませんよね。
「滝が他者の意見を聴き尊重する」
など空想上の出来事と把握しておりました。

高橋さんの漫画では滝教諭が「演奏技術を指導する機械」ではなく
思春期の女生徒の反応に一喜一憂する
新米教師として人間として描かれていて新鮮でした。

「貴方の「出来ます」と言う言葉を私は忘れていませんよ」

のアニメオリジナルの滝教諭の一言が
黄前をどれ程励まし再び戦える様にし,
逆に黄前の演奏技術の向上に対して
滝教諭の心中に「思うところ」が生じたかを鑑みると,
この一言で高橋さんの想像力をもが
どれ程喚起されたのかを窺い知る思いが致します。

指導者が指導生徒を励まし
生徒がその励ましに応えて
指導者が信頼を返す「当たり前」が
アニメオリジナルである事に改めて驚かされます。

生徒をフォローしない滝教諭の教育者としての欠点を補うのが
「黄前相談室」であって黄前が滝の右腕となる描写に説得力を
持たせるのが上記アニメオリジナルの描写だと思ってます。

「最後の夏」はもうナックルの下宿に通って
ご飯を作る加山が良かったです。
公式からの燃料の供給の停止が
高橋さんの妄想を刺激されれば何と言うかこの…。
「大学生の爛れた性生活」の描写も幾分変わったかも知れないと
埒も無い空想に耽溺しております。

本書は表紙も素晴らしんです。
表紙を眺めながら御飯が進む程ですね。
ユーフォで一番好きなのは黄前なんです。

5年後(2024)に「”It`s For You”」と「うわきえっちkitauji」を
購入させていただくまで僕の中でユーフォは「止まっていた」訳で
起こしていただいて感謝の言葉もありません。

今年の4月に始まる3期の出来如何によっては
再びお世話になる機会も到来するやも知れませんので
その日が来るのを楽しみに待っております。
「アンサンブルコンテスト」の出来に関しては
高橋さんの言質を頂戴しており,
高橋さんを信頼申し上げておりますが,
こればかりは「自分の目で見た事だけが真実」と心得ております。
僕は一次創作物の内容に不信あらば
一次創作に対する二次創作の購買意欲に直結するのです。

ではでは。



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