ゆるエンタメ劇『悪魔の女』
これは、とある福岡のBARで行われた
交流しながらゆる〜い空間でエンタメを楽しもう!
というイベントで披露したオリジナル声劇の脚本です。
同じビルのBARで働く
ぴょんぴょん飛び跳ねるうさぎみたいな女の子と
別の交流会で出逢った
不思議な雰囲気を纏う女の子
彼女達のキャラクター性と実体験のエピソードを抽出したオリジナル物語を創り、
実際にお客様の前で一緒に演じてみました。
物語の世界、キャラクターに興味を持ってもらえたら嬉しいです。
ここから、台本⏬
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SE.銃声音。
リツカ「もう、終わりにしましょ」
ぴょん「リッちゃん…どうして…」
リツカ「どうして?それはわたしが、"わるもの"だからよ」
ぴょん「"わるもの"…?バカなこと言わないで」
ぴょん「あなたは…【悪魔】よ」
SE.チャイム音
(時は遡り、小学生時代)
ぴょん、泣いている。
ぴょん「えーん。えーん、えーん」
リツカ「どうしたの?」
ぴょん「うさぎのぴょんちゃんがね、しんじゃったの」
リツカ「ぴょんちゃん…飼育係のあなたが、一生懸命大事に育てていた学校の飼いうさぎね」
ぴょん「うん。さっき、様子を見に行ったらね。動かなくなっちゃってたの」
リツカ「……可哀想に。わかった。きて」
リツカ、ぴょんの手を引っ張る。
ぴょん「どこ行くの?」
リツカ「ぴょんちゃんのところよ」
ぴょん「でも、ぴょんちゃんはもう、いなくなって…」
リツカ「まだ、カラダは残っているでしょう?」
ぴょん「え?」
リツカ「だから、最後にちゃんと、お別れしましょう?」
大きな場所に出て、リツカとぴょんは、うさぎさんのお墓を作ってあげる。
その様子を眺めながら、ムーランが噂話。
ムーラン「なぁおい、知ってるか? 2組の"ジビエ女"の噂。そうそう、学校で飼ってたうさぎを殺して、食っちゃったらしいぜ。やばいよな、こわ〜〜。それでな、一生懸命そのうさぎを育ててた飼育員の子は、泣いてやめて〜って縋ってたらしいぜ。それでも無視して、殺して、埋めたんだって。皮は剥いで、持って帰ったんだって。
まさに、悪魔だよな」
SE チャイムの音
(時は流れて、高校生時代)
ぴょん「ねぇ、リッちゃん。」
リツカ「どうしたの、ふーちゃん」
ぴょん「わたしね…わたし、好きな人ができたの!」
リツカ「へえ、よかったじゃない。お相手はどんな?」
ぴょん「あ…えと、えとね。いつもわたしが困ってるときに助けてくれて、泣いてるときに側にいてくれて…」
リツカ「うん、うん。素敵ね」
ぴょん「それでね…」
ぴょん、リツカの目を、強く見つめて。
ぴょん「わたしがどうしようもなく落ち込んで、人生絶望だぁ〜ってなってるときに、一緒に、"わるもの"になってくれる子」
リツカ「そう…素敵ね」
ぴょん「うん。これは、2人だけの、秘密だからね」
2人、抱き合う。
その様子を眺めながら、ムーラン、噂話。
ムーラン「なぁおい、知ってるか? B組の"人喰い女"の噂。そうそう、小学校の頃からずっと仲良しな親友の好きな人を寝取って、なんと食っちまったんだって。そうそう、どうやら、その女もそいつのことが好き?か、大切?だったみたいでさ〜女の嫉妬とか、独占欲ってのは怖いよな。いともカンタンに、友情なんて裏切れちゃう。化けの皮が剥がれるってのは、このことだね。
ほんとに、悪魔だよ。」
SE.銃声音。
(時は、始まりの時系列へと戻る)
ぴょん「この悪魔…それ以上わたしの大切なものを傷付けるのは、許さない!」
リツカ「たしかに、わたしは悪魔よ。あなたが大切にしていたウサギのぴょんちゃんも殺して、皮を剥いで。」
ぴょん「ちがう!」
リツカ「……」
ぴょん「わたしが…わたしが、持って帰りたいって言ったんじゃん!りっちゃんはダメだよ、最後に頭を撫でて、バイバイするだけだからねって言ってたのに…泣いてやだ、ぴょんちゃんから離れたくないって言ったのは、わたしじゃんか!」
リツカ「でも、皮を剥いで、埋めたのはわたし。おまけに、あなたが初めて好きになった人の化けの皮も剥いで」
ぴょん「わたしのためじゃん!リッちゃんは
全部、わたしのために、一緒に"わるもの"になってくれただけじゃん!」
リツカ「……(頭の横に、指で作った銃口を向ける)」
ぴょん「だから、すきになったのに。大好きになったのに」
リツカ「ばいばい、ふーちゃん」
SE.銃声音
リツカ、倒れる。その頭を撫でながら、ぴょん呟く。
ぴょん「まだ、なにも、お返しさせてくれないのに…人を騙して、わるものぶってる。ほんとに、悪魔。」
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彼女たちの物語は、まだまだ続きます。
引き続き、興味を持ってくれたら幸いです!
to be continue…
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