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フィンランドの教育は本当にすばらしいのか?

支援学校の教師をする前に小学校で働いていたことがあり、
そのころは教員のサークルなどで、
たびたびフィンランドの教育のことが話題にあがっていた。

そこではフィンランドの教育システムから、指導法に至るまで、
いろいろと調べることを通して、日本でも質の高い教育を
子どもたちに提供したいと思ったことを覚えている。

フィンランド教育が世界一と言われる理由

フィンランド教育がすばらしいと言われるのには訳があって、
ヨーロッパやアメリカをはじめとした先進国34ヵ国で構成されている
経済協力開発機構(略称:OECD)が3年ごとに各国の15歳を対象に実施する「学習到達度に関する国際調査(通称:PISA)」で、フィンランドが
「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」分野において、
次のような結果を収めたことによる。

2000年に1位・4位・3位
2003年には1位・2位・1位
2006年には2位・2位・1位

ちょうど私が教育の現場に就職したのが2006年だったので、
教員サークルで話題になっていたのもうなずける。

今のフィンランドの学力はどうなっているのか?


前述のPISAの調査はもう20年近く古いもので、
今のフィンランドはどうなっているのか?
ごく最近のPISAの調査では順位が下がっているらしい。
それだけでなく、学校生活の満足度が下がっているとも言う。

「フィンランド教育批判」「フィンランド教育失敗」などと検索すると
フィンランドの政府も教育の失敗を認めたなどという記事も上がる。
ちょうどnoteに詳しくまとめている記事があるので貼っておこう。

かつてフィンランドが学力世界一と言われたときに、
教員サークル界隈ではフィンランドの教育を一目見ようと
ずいぶん見学ツアーなども行っていたようだ。
が、今のフィンランドに行く価値はあるのか

それでも一目みたいという思いは変わらない理由

前述のようなPISAの結果から見た学力の状況を受けた場合、
日本なら確実に教育手法を改める方法をとるだろう。
具体的にはゆとり教育をやっていたのをやめたように。

しかしフィンランドは詰め込み教育にはしないという姿勢を崩さず、
PISAは自分たちのやっている教育を確かめる程度。
という感じで、あくまでPISAの結果には左右されないという姿勢。
大事にすることは学習定着度やらPISAの点数ではなく、
・子どもたちの心身の健康
・学習意欲の向上
・今の時代にあった授業の在り方
・将来必要な知識やスキル
らしい。

そして、フィンランドの学習指導要領である
2012年からコアカリキュラムの見直しに着手するのだが、
その時に、
・調査の段階で児童生徒が参加した
・学校段階でも議論された
などフィンランドらしいなと思う取り組みをしている。

当然日本で学習指導要領を改定するからといって、
学校で議論したことは1時間もないし、
したとしても誰もその意見が通るとは思ってないでしょう。

PISAの結果が芳しくなってなお、独自路線を貫くフィンランド。
これは逆に一目見てみないとあかんでしょとなった。
PISAの結果という数字の一面的な見方だけが一人歩きした先進国。
そのブームが去った今だから、冷静な目線で見ることができそうだ。


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