見出し画像

エジソンは子どものころ、「1+1=1」を証明した

金沢21世紀美術館の長谷川祐子さんが、
日本の芸大美大の学生たちのアートには
「とてもポエティック(詩的)で、感覚的な作品が多い」
けれども、批判性があまりない、といっている。
(『プロフェッショナル 仕事の流儀 アートは人を「自由」にする』)

批判性とはなにか、というと、
「今を疑うこと」
と。

目の前にあるものを疑ってかかるということです。自明のものとして、全面的には受け入れない。「何か間違っているのではないか」というだけでなく、「別の見方があるのではないか」「別の美があるのではないか」でもいいと思うんです。それも批評性になると思いますね。

『プロフェッショナル 仕事の流儀 アートは人を「自由」にする』 p30

それは教育の問題かもしれない、ともいっている。

ちょっと古い本(2008年)だからかもしれないが、
でも「探究の学習」が導入され普及してきたとはいえ、
教科書を使って、「正解」を求める型の教育はまだまだ主流だし、
いったん社会へ出て大学院で学び直すとしても、
それはやはりテキストを使ってツールを使いこなせるようになって、
という正解追求型の学習を好んでいるように感じる。

エジソンは子どものころ、
「1+1=2」
にどうしても納得しなかったという。

「1+1=1」でもいいんじゃないか、と。

誰にとっても、「1+1=2」は自明の理(ことわり)だ。

だけどエジソンは、どろ団子を使って、
「1+1=1」
を先生に見せてあげたという。

ホントにこれでいいのか?
「今を疑うこと」をルーティンにしなければいけない、と思った。



『プロフェッショナル 仕事の流儀 長谷川祐子 キュレーター アートは人を「自由」にする』  編者 茂木健一郎・NHK「プロフェッショナル」制作班 NHK出版 2013年