まずは大人が仕事の意味を見つけてみる
お昼にそばを食べていた。
テーブルを挟んで、友人がラーメンを食べている。
まもなく30歳になろうとしてるが、
定職につかない。
大型二種の免許も持っているのに、
いざというときのカードに取っておこうと思っているのか、
バイトからバイトへと渡り歩いて食いつないでいる。
「つまんなさそうに働いている人たちといっしょに働くのが辛いんです」
わからないではない。
実際、彼が正社員として工場で働き、
現場を任されるマネージャーになって、
それなりに給料ももらっていたが、
上司も同僚も部下たちも、つまんなさそうに働いていた、という。
そこをやめてから、彼はずっとニートだ。
その理由が、
「意味のない、やりがいのない仕事をしたくない」
それは真実なんだけど、怠慢でもある。
ポケットマルシェの高橋博之さんが講演で、
「子どもたちにとって最大の教育は、おれたちの背中だよ」
といっていた。
講演のテーマは、
「都市と地方をかきまぜる 〜学ぼう!地域の課題解決」
だった。
高校を卒業して、子どもたちは都会へ出ていく。
そのまま帰ってこない。
人口がどんどん減っていく。
「楽しそうに働いてる? 楽しそうに暮らしてる?」
大人が楽しそうにしていなければ、
子どもたちから大人になんてなりたくないと思われてもしょうがない。
「つまんなさそうに生きているから、子どもたちが出ていってしまう」
いったん街から都会へ出ていっても、
都会は都会で便利だけど、満員電車で疲れがいっぱい。
「地元の大人たちのほうが楽しそうに生きている、って気がついて帰ってくる」
こともある。
長野県塩尻市で地域おこしをやってる横山暁一さんは、
という。
自分で自分の仕事と生き方の意味付けをして、
それを外に発信していく、子どもや若い人たちに語っていく、
地味で手間がかかるけど、
それをやらないと街はどんどん衰退していく。
でも、そのきっかけをつくるのも大事なこと。
きっかけつくってやってみて、楽しかったら続いていく。
みんな辛いことはやりたくないからね。