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ラグビー日本代表のジャージにデザインの真髄を見たといっても過言ではない(かも)

「DESIGN MUSEUM JAPAN展」に入ってぶらぶらしてたら、
ラグビー日本代表のジャージが展示してあって、
なんでだろな、と思って近寄ってみた。
そしたら、ちょっと驚いた。

「守られている」という気持ちを感じる

ポジションごとにジャージのデザインが違っている。
それは、大きい人はXXLで小さい人がLでというサイズの話じゃなく、
あえて人混みに突っ込んでいくフォワードの人たち用と、
なるべく人混みを避けて走り抜けていくバックスの人たち用に。

さらにフォワードでも胸板がやたらと厚く、
どうかすると腹まで出ている、
スクラムでは最前線にいるプロップとフッカー用と、
胸板も厚いけど身長が見上げるほど高く、
あっちに走って人混みに突っ込んで、こっちに走って人混みに突っ込んで、
ラグビー15人のなかでも忙しいポジションのロック、フランカー、ナンバーエイト用にも分かれている。

いま、高校ラグビーの全国大会が大阪でやっているから、
そこまで凝ったジャージを来ているチームかるかな〜、
と思って試合見てみればおもしろいかもしれない。

ラグビーってタックルに代表されるように痛いスポーツだから、

着たときに「守られてる」という気持ちを着た人が感じるウェア

展示の解説より

というコンセプトでつくられている日本代表のジャージ。

日本代表の価値を上げるデザイン

日本を代表するチームだから、
日本っぽさをアピールするためにもデザインされていて、
白地に赤のしましまが、武士のカブトをモチーフにされている。
たしかに、そう思ってみればそう見えてくる。

そして、日本古来の、縁起がいいとされている吉祥文様が、
布地に透かしのように施されている。
紗綾形(さやがた)、矢羽根(やばね)、麻の葉(あさのは)、青海波(せいかいは)、七宝(しちほう)、立涌(たてわく)、武田菱(たけだびし)。

たしかに、ベスト8まで勝ち残ったのは、
こうした一昔前まではそこまでせんでもいいやろ、とか、
それってラグビーと関係あるの?という、
効率性とか合理性で考えて採用されてなかったデザインにあるのかもしれない。

合理性があるのは「守られてる」と感じるデザイン。
それに対してカブトモチーフや吉祥文様は、
日本代表ジャージであることに意味を与え、価値を高める。

着ている選手たちも気がついていないかもしれないし、
スタンドにいる観客には見えていないんだけど、
そういうところにまで意味をもたせるのがデザインの役割なんだなあと思った。