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アンコンシャス・バイアス(無意識にもっている偏見)

気づいていないだけのバイアス

『なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのか』
読み終わった。

いやいやいや、気がついてますよ。
と思ってる人でも、偏見は持っている。
自分が無自覚に、無意識のうちに持っている偏見を
アンコンシャス・バイアス、
という。

性別役割分担は身近な例。
男女の夫婦の場合、男性が外で働いて、女性は家の中で家事。
いやいやいや、男も家事するっしょ、
と思っていても、その家事どんな家事?
子育てはママの役割。
いやいやいや、男も子育てするっしょ、
と思っていても、その育児、
「やりたいこと」か「やらなきゃいけないこと」か、どっち?
仕事の時間、どんだけ削れますか?

自分のほうがぜったい正しい

自分と親しい人の間でもバイアスはあるから、
自分と親しくない人たちとの間には、無数にバイアスがある。

わたしにも大嫌いな主義主張があり、
相容れないと思っている団体や集団や個人がいて、
自分のほうがぜったいに正しい、と思っている。
これって、バイアスじゃない?

根っこはいっしょ

著者は、バイアスを超えるためのメタファーとして、
アメリカユタ州の国立公園にあるアスペンの森を紹介する。

アスペンの森はポプラの木がだだっ広く林立していて、
何千という樹木の一本一本が、それはそれは美しい、と。
しかしこの何千という樹木はすべて、地下茎でつながっている。
つまり、地中に広がる根っこはひとつで、
そこから地上に伸びている樹木の集まりが、
地球上でもっとも巨大な生命体を形成している。

この木々は、私たち人間のありようの完璧なメタファーといえるだろう。私たちは「他者」を、自分と切り離した個別の人間としてみる。そして他者の集団を驚異とみなす。それでも私たちはみな、深いところでつながっている。この地球上で同じ運命を共有しているのである。みな喜びを求め、苦痛を避けるために最善を尽くしている。そして、子や孫にとって最善のことを望んでいる。私たちはみな、それまで見てきたものによって形成されている。そして(ほぼ)誰もが、自分の思考と人生を動かしている「プログラミング」に気づいていない。

『なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのか』p282

今日9月9日は重陽の節句。九は陽数の極みといわれ、
月と日にそれが重なるから「重陽」。
縁起が良く、無病息災、不老長寿を願う日。


『なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのか』ハワード・J・ロス 御舩由美子訳 原書房 2021年