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1.5kgの鰤を計画的に食べる - 4日目(熟成食編)

鰤を美味しく食べるプロジェクトもいよいよ最終日、「熟成食編」。初日に仕込み、寝かせていた鰤たちはどうなっているか…?

鰤カマの粕漬け

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初日(3日前)に仕込んだ鰤カマ。丁寧にやる場合、ガーゼ等にくるんでから粕床に漬けるんですが、今回は粕との相性がきっと良いと踏んで、粕の風味を強くしたかったので直塗りにしてみた。

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粕をふき取る。香りを嗅ぐと、粕の風味で鰤の香りは抑えられている。これはもしかすると刺身の柵を粕床に漬けて刺身として食べても美味しいかもな…とも思いつつ、このカマは魚焼きグリルへ。

私は魚のカマだの、アラだのといった部分が好きだ。鰤はもちろん、マグロのデカいカマだの、目玉だのが売ってたりするとつい買ってしまい家族に嫌がられる。でもこの嫌がる反応がさらに「次も買おう」と駆り立ててしまう。いやがらせをしたいという意図ではなく、こんなに美味しい部分なのに敬遠する人がいて、不憫だなあと思う気持ちがあるからだ。

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さてカマが焼きあがった。ぬぐい切れない粕が残った部分が少し焦げていて、香ばしい粕の香りが漂う。
表面は少し張りがあって、薄い膜をはっているようだ。箸を通すと、身は柔らかくふわふわしている。また、エラに近い部分はプリっと筋肉質で潤いがある。

鰤と粕の組み合わせはこれまで何度も経験があるが、粕の香りの奥に魚の血の香りが見え隠れしているものだ。このカマはそんな臭みがなく、カマの美味いところを十分に堪能できた。気づけば身の写真を撮り忘れ、しょうゆをかけるのも忘れ、あっという間に平らげてしまった…

鰤のさんが焼き風

さて、最後の料理。初日に作ったなめろうを取り出す。

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味噌の色が全体になじみ、飴色のようになっている。試しに生のまま口に運ぶと、味噌のねとっとした粘度のある香りが重く絡んでくる。寝かせたことで味に一体感が生まれている。
最初はこのまま焼いて、普通のさんが焼きにしようと思っていたのだが、もうちょっとパンチのある味つけにしてもいいかな?と思い直し、衣をつけてあげ焼きのようにすることにした。

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片栗粉を適当にまぶし入れ、練って団子状にする。

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コロコロとまとめたら表面にも片栗粉をまぶし、炒め物をするときの倍くらいの量の油を敷き温めたフライパンに投入。

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全体的にこんがりとした焼き色がついたら完成!

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薬味とともに並べてみた。これはビールでも合わせれそうだな、と思いブリュードッグのパンクIPAを。

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薬味は左からおろしにんにく、大葉と大根おろしを和えたもの、おろししょうが、大根おろし+お酢をあわせたもの。

味の方は、油と合わせると鰤王の脂の味が負けるかな?とか思っていたがそんなことはなかった。なめろうのこってりした味が揚げたことでさらにパンチが出て、薬味が進む進む。特におろしにんにくがいい!なめろうに含めたショウガがより生きる。

思いつきで敷いた橙の葉っぱも柑橘の香りがしてなかなかよかった。遊びは大事だな…
それにしてもにんにくとの相性がとてもよかった。翌日、心なしか周りの方がソーシャルディスタンスをより積極的に取ってくれた気がする。

おわりに

以上、鰤王1.5kgを4日間にかけて食べてみた。こうして振り返っていても全然食べ飽きた感がなく、まだまだ料理のアイデアが沸いてきている。
全国に養殖ブリはたくさんあって、「かぼすブリ」などいくつか食べたことがあるがどれもとても美味しい。しかし今回ここまで鰤の味に感動できたのは特殊な育成と環境がいいのはもちろんだが、「なるべく最小限の加工で丸に近い状態で買える」「生産者から直売で買える」という、鮮度の落ちるプロセスが少ないことも大きいのかなと思った。なるべく鮮度を保ったまま届くことによって、今回のようにきちんと計画立てた調理ができるようになる。今回、だいぶ味をしめたので、和食の調理にこだわらず、イタリアン・フレンチ・中華風などの調理もしてみたいと思ってます。

ところで…今回登場したお酒はちょっとしたふざけ心で選定しました。何か気づいたことがある方ぜひコメントください。

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それではまたお楽しみに~


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