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【8日目】天国と「帰る場所」(ジンセイのトリセツ)

◆【天国】は「帰るところ」

 「この世」というのは僕が【地獄】と名付けた【大いなる矛盾】の支配する世界で、そしてそこには「誰も知らない」というルールがある、というのが前回の話でした。僕たちの誰もが「どうして生まれてきたのか」「なぜ、いつ死ぬのか」知らない状態で生きなければならない世界なんです(まさに地獄ですね)。

 ちょっと思い出してほしいのですが……【5日目】に「地獄があるんだから【天国】もある」という話を書いて、その前提条件として「誰も知らない世界」の話になったんですけど、どうしてそうなったかというと、この「地獄のルール」が分かると【天国】という世界とその「ルール」も分かるからなんです。

 なぜかというと、僕たちがわざわざこんな「苦しみしかない(一切皆苦)」地獄の世界に「来ている」のは、僕たちが知らない(ことになっている)「用があるから」で、その「用」とやらを達成するためにはこの地獄の「ルール」が必要だから、という理屈になるからです。

 複雑だと思うので、もう一度書きますよ。

  • 僕たちはすでに地獄に「生まれている」

  • なぜ生まれたかは「知らない」ルールがある

  • わざわざ地獄に「生まれている」のは「用」があるから

  • 「用」を足すためには「地獄のルール」が必要(ここがポイント)

  • だからわざわざ地獄に「来ている」

 こういう理屈なんです。

 これをもう一歩すすめると、こういう事も考えられます

  • 僕たちは「用」が済んだら「帰る」

 この「帰る先」が【天国】のはずなんです。


◆イオンモールと家を「行き来」する僕たち

 実は僕はイオンモールが大好きでしょっちゅう行くんですけど、イオンモールに行くときって必ず

  • 何か用がある

んです。買いたい物がある、見たい新商品がある、フードコートで食事がしたい、モーリーファンタジーでメダルゲームがしたい、暇だからウロウロしたい、そういう「用」です。

 その後「用」が済んだらどうするか? 当然

  • 家に帰る

わけです。この

  • 何か用がある → イオンモールにわざわざ行く

  • 用が済む → 家に帰る

という動きには「必然性」があると思いませんか?

 イオンモールって「わざわざ行くところ」じゃないですか。車や電車・送迎バスに乗って「用を足しに行く」ところです。そして用が済んだらまた車や電車・送迎バスで「帰る」んですよね。

 同様にこの【地獄】に「来る」という動作にも「必然性」があるとすると、当然「帰る先」「家」のような場所があるはずなんです。

 ところで地獄の世界から出るための唯一の方法

  • 死んでしまうこと

これだけなんでした。つまり、この地獄世界で「用」が済んだら「帰る」のだとしたら、その「帰る先」「家」に当たる場所

死んだ後の世界

だということになります。

 僕はこの「死後の世界」に、地獄と対比させるために単純に

【天国】

と名付けました。本当は「天」でも「国」でもないんですが……。


◆【天国】で「用ができる」とき

 そしてさらに……地獄に「用」で来ているんだから

『その「用ができる」という状態になれる場所』

があるはずです。

 イオンモールに行く『用事ができる』のってイオンモールに「いないとき」ですよね? イオンモールにすでにいるのに「イオンモールに行かなきゃ」と思うことは、できないでしょ?

 その「用ができる場所」というのも、この天国のはずなんです。だって、僕たちはイオンモールと家という二つの場所を「用ができる」「用が終わる」「帰る」「また用ができる」「また行く」というふうに行き来しているわけですから。

 【5日目】で「世界は二つしかない」と書いたのはこういう理由からです。

  • 【天国】にいるとき【地獄】に用ができる

  • 【天国】から【地獄】に生まれてくる

  • 【地獄】で用が済んだら【天国】に帰る

  • 【天国】でまた【地獄】に用ができる

こういう「ループ」のようなものを、僕たちは何度も何度も繰り返している、と考えると自然です。だから世界は二つで十分だと分かります。
(本当は「世界」はいくつもある可能性があります。ただ、今【地獄】に「何も知らない状態」で住んでいる僕たちに関係ある知識はこの「二つ」で十分だということです)

 つまりです、ニンゲンを含む全ての「生物」は、死んだら天国に行くことになります。全員です。あなたの好きな人も、苦手な人も、ニャンコもワンコもチューコもピヨコも虫も草木もみんなこの【地獄】で用を済ませて【天国】に帰っていくんです。


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「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)