MUMU / 橆々園藝社

MUMU / 橆々園藝社(むむえんげいしゃ) は、夫婦で営む小さな造園社です。小さなお…

MUMU / 橆々園藝社

MUMU / 橆々園藝社(むむえんげいしゃ) は、夫婦で営む小さな造園社です。小さなお庭や植栽のデザイン/施工、植物にまつわる品物の販売を行います。 ⁡ https://www.instagram.com/mumuengeisha/

最近の記事

【庭の藝術03】 植物蒐集家の庭 

「ごてごてと 草花植ゑし 小庭かな」という正岡子規の句。 自宅の庭’’子規庵''を評した、この句には、 病床から動けない世界の中で、詩の材料足り得る草花を蒐集し、一句でも多くを詠みたいという業が滲み出ている。 造園の世界では「ごてごて」といろいろな樹木、草花を植えることは、作庭者のエゴであり、落ち着かない庭になると言われ、避けられる。 しかし、目線を変えれば、異種が混生する楽しさに映ることがある。 練馬区立牧野記念庭園はまさに、多種が混生する賑やかな庭だ。 ダイオウマツ

    • 【庭の藝術 02】 彫刻家 若林奮が造る庭

      作庭を依頼された際、かならず読み直す文章がある。 それは、彫刻家 若林奮がまとめた、軽井沢・高輪美術館(現・セゾン現代美術館)の庭園計画に関するノートである。 そこには、浅間山嶺から続く地形についての考察から始まり、来場者が美術館へ向かう間に緊張感を与え、時にほぐすような導線の計画。鉄を自然環境に沿って配する造形的なアプローチまで、驚くほど明瞭にそして端的に、仮説と検証の思考プロセスが明文化されている。そして地形と建物、鑑賞者の関係をストーリー化し、徹底して言語化することで

      • 【庭の藝術 01】 樹の''静域''にいざなう彫刻

        10年近く前に鹿児島県霧島を訪れ、この作品と出会った時、 背筋が冷える怖さを感じた。 木立に溶け込む立姿が、何かの化身のようで、畏怖を感じたのか。 その怖さの本質はわからないまま、居心地の悪さを感じつつ、その場を去った。 最近になって読んだ、本作の作家アントニー・ゴームリーのインタビュー。 その中で語られた、言葉を聞いて、腑に落ちた。 「彫刻は、''時間の中''に存在する。そして、別空間にいざなう」 霧島でみた作品、ゴームリーの''インサイダー''は文字通り樹の時間軸の

        • MUMUが長野県東御市を選んだ理由

          市報とうみ12月号の移住者紹介コーナーで私たちのことを取り上げていただきました。なぜ、MUMU / 橆々園藝社が拠点に長野県東御市を選んだかを、東御や東信で出会った、素敵な方々のことを思い浮かべながら、 書かせていただきました。 以下、掲載テキストを転載します。少しでも、東御市を含む、上田市、小諸市の東信地域に興味を持って頂ければ嬉しいです。 ____________________________ 東御市なら、四季の移り変わりの中で暮らし、風土を感じながら生業を楽しむ

        【庭の藝術03】 植物蒐集家の庭 

          Fight in the garden / スズメバチと竹

          昨年、10月ごろから長野県東御師に拠点となるスペースの整備をスタート。 今年3月に住居兼事務所を長野県上田市に構えて、 本格的に整備をはじめ、この9月で約半年がたちました。 夫婦ともに新天地の長野で生活を立ち上げながら、 週2日、数時間しか通えない時期もありつつ、 夫婦で一歩ずつ、植物園の整備を進めています。 いまは、楽しい土づくりや植物栽培。などでは全くなく、 植物と風土に圧倒され、何をやっても弾き返されるような、 はっきり言って自然との闘いの日々です。 そんな闘いの

          Fight in the garden / スズメバチと竹

          【にわをめぐる】 北方文化博物館

          新潟の豪農、八代にわたる伊藤家の遺構である北方文化博物館。 伊藤家の元邸宅が残される敷地には、銀閣寺ゆかりの名庭師・田中泰阿弥が五年がかりで完成させた庭園があります。野趣に溢れた力強い庭園、豪奢でありながらも端正な設えの建築、古今東西から集められた歴代当主の蒐集物、正三角の茶室など、数寄者としての業とユーモアが感じられる素晴らしい場でした。その魅力をご紹介します。 ① 名庭師・田中泰阿弥の''大作''池泉鑑賞式庭園 https://www.youtube.com/watc

          【にわをめぐる】 北方文化博物館

          ひとの創造性と風土のある風景

          私たちが東御市での活動を始める最初のきっかけを頂いた、 小諸の「読書の森」さんと「travel & art Okubo studio」さん。 こちらで今、クラウドファンディングに挑戦されています。 https://camp-fire.jp/projects/378017/backers 小高い丘に突如広がる野原には、越後妻有から移設された田島征三さんの作品をはじめ、セルフビルドの宿泊施設や遊び場など、人の手の創造力と風土が綺麗にマッチした、快い風景が広がります。 こちら

          ひとの創造性と風土のある風景

          OUR STORY

          はじめまして!私たち、橆々園藝社(むむ えんげいしゃ)は、 2020年に夫婦で設立した小さな造園社です。 東京と長野を拠点に、お庭やランドスケープのデザイン、植物の栽培、住まいの植物とインテリアのプロデュースを行っています。 造園デザインを行う倉持陽介は、元々、東京・南青山の複合文化施設で、地域や企業のアートプロデュースや、展覧会・舞台公演の制作、ギャラリーの運営にたずさわってきました。そこでは、日々、新しい技術や、変化する時代の空気を受け、クリエイターの表現が豊かに拡がっ