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B面として。偏愛を書こうとしたら変態になってしまった。

うふふ、楽しそうな超素敵な企画を見つけてしまったのです。

好きなものってお上品に語れるじゃないですか。それがね、偏愛になるとどぶわあっと溢れ出すというか、おおおおお!通ります通ります!道開けて!!みたいな勢いで喋り始めちゃうというか、そういう話を聞くのが私はたまらなく好き。

それでもって、自分でも参加したいと思ったのですが、うーん、自分の偏愛ってなんだろうなあと思ってしまったんですね。リストアップしてみたものの、「これは私より好きな人に語ってほしいなあ〜」って怖気付くというか偏愛とまではいかないなって思うものばかり。実際に書こうと思ってもタイピングの手が止まる。

前にね、多分私の偏愛だろうものを一度記事にしています。で、見事に完結しちゃってるんですよね。(実際に記事を見直してみたら、2900字ちょいでした。お前この企画のために生まれてたんか。)

他にもって考えたら、瞬間最大風速を叩き出せるものは何個かあるのですが、なんかこう、どろどろどろ〜〜〜〜と溢れ出すものがなくてつまらんなあというか、あれ、自分って実はつまんないっけって思って、それでちょっと書き出してもみたんですけどやっぱり難しくって、だから今回は参加を見送ろうかとすら思ったんですよね。でもこんな素敵な企画にわくわくしていたのにもったいないなあと思って、これは書かないぞと思っていたB面の方を書いてみます。

何を書くかって、恋人への「変愛」です。変態的な恋愛の味わい方とでもいいましょうか。

お?恋愛?ラブ??読みたいのと違うぞ、って方は上の寺の門の話読んでいってください。こっからは変態的なのろけなので、まずまちがいなく、B面です。逆に寺の門は、がっつり正統派偏愛です。安心して分岐に立ってください。


うーん、結局無理やり参加しようと思ったんだけど、書き進めるうちに気づいちゃいました。これ、ちょっとテーマが偏愛っていうののレールを落ちちゃってるぞ。だから企画のタグはそっと外しておきます。。


***

分岐)B面の変愛として。

朝起きたときの自分の息って、くっさいんですよね。あ、25歳の女子がこんなこと初っ端から言わないほうがいいんですかね。たぶんおしとやかに黙ってたほうが良かったですね。でも、もう言っちゃった。

でもね、鼻呼吸の息ってあんまり臭くないですよね。自分の鼻で鼻息嗅ぐってメタ認知みたいな話になって急にむずいけど。結局口の中のばいきんが問題なんだな〜とか思って休日はうろうろ起きてます。歯を磨こう。

私、かなり健康的な早起きなタイプなんです。血圧が高いのか、休みの日でも7時8時には起きちゃう。一方の恋人はおねぼうさんなので、たいてい私より2、3時間は多く寝ます。これは多分、彼が割と一般的なんだろうなというのは、友人と話していても思います。

そういうわけで、だれといてもそうなので朝の一人の楽しみをたくさん持っている私は、noteを書いたり寝顔の観察をしたりスコーンを焼いたりと謳歌するわけですね。彼を起こそうと画策したりはしません。むしろ一人の時間は貴重で、ありがたいくらいです。

そんな朝の過ごし方で、最近好きなものがあるんですよね。

あ、でも秘密なのでこっそり小声でお伝えします。引いてもいいですけど、あんまり漏らさないでもらって。えっと、あの、彼氏の寝息が鼻からすーーって出てくるんですけど、それをよく吸い込んで堪能しています。


え?

彼氏の息を吸って、嗅いで。それを繰り返して満足します。はい、これが最近の私の楽しみです。流石に自分でも思う、これはなんだろう、偏愛というより、変態なのだと。

自分が吐いて他の息の匂いを邪魔しないようにそっと別の空間に自分の呼気を逃してやったりもします。吸うときには彼の鼻下にキスするときくらい近づいて、吐き出された息を全部数くらいの気持ちで深呼吸してます。恋人には気付かれないようにしています。

ちょーーーうどいい、人間の匂いがするんですよね。柔軟剤の匂いとか、もちろんそんなのはしません。赤ちゃんじゃないから、ミルクの匂いってわけでもない。

健康な唾液が口の中にあるときくらい、ヒトに親和性が高いにおい。強いて表現するなら、無味だけど、東京の水道水がうっすら苦いように、無臭の人の首筋と息はうっすら甘い。

ハリのある肌からは天日干しにしたお布団みたいな清潔な匂いがしています。もしかしたらこの人は健やかに育つようにと太陽のちからを使うのかもしれないな。それはお花みたいで、素直で、ちょっといい。なんだか可愛らしくて好きだなあ。

でもフローラルって意味じゃなく、ほんわか健やかな人間の匂いなのです。恋人は体臭がほとんどなくて、そこも私がベタベタしてしまう理由のひとつなのだけれど、息まで健やかな匂いがする。この人の内面はどんだけまっすぐで素直なんだろうと、私はちょっときつい姿勢で起こさないように注意しつつ息を吸い込むのです。

人間のにおいは、昼間つけていた香水の匂いでもなく、柔軟剤でもありません。乾いてもいないし、脂ぎってもいません。体温の高さに命を感じさせつつ、しとやかな皮膚には潤いが常にあるんです。食べたものを滲ませてもいないし、浴びた言葉に汚れてもいない、うぶな寝顔と共にそこにある柔らかなにおいが私はとても好き。

これは恋人のことが好きというより、無臭な人に最後まで残る体臭が好きともいえるかな。今まで一緒にいた人たちは、みんな体臭の少ない人たちでした。東アジアの人たちは匂いが少ないなあと、個人的な統計では思っています。

私は、この人間のにおいに落ち着きを感じます。香りとは言えない、全然ちゃんと動物のにおいだから、そこに現実も夢も一緒に感じるのかもしれません。

あるいは、温度。人の体温とともにあるにおいだからこそ、好きなのだと思います。これが突然街を歩いている時に匂ってきたり、別の動物からしたらそれは好きな匂いではなくなってしまいます。後は冷たい肌からは嗅ぎたいと思いません。というか、かなり怖い。

最初に今日の文章は恋愛で惚気と言いました。でも読んでいただいてわかるかもしれませんが、実際には人のニオイフェチなのです。それも鼻息と耳から首筋にかけてのにおいが極度に好き。

これも偏愛と呼べるのでは、とそういうフォローをしてくれる人がもしいたらありがとうございます。でも、これは偏愛というよりはフェチ、あるいは癖(へき)の問題だと自分で思いました。私の中で偏愛へのリスペクトが、お前は今回その土俵に乗るなと言っています。

なんかこう、偏愛はもうどっと暑苦しいくらいに狂おしい内容でありつつ、どこかに爽やかさというか青春の甘さみたいなものが滲むものだと思うんです。他の人も、「あ、わかるいいよね〜」ってなりうるけど、そんな熱量ではないものというかどこまででも語り尽くせるオタク性というか。

それが私にとっての偏愛だから、そういう狂おしさを尊敬していて、逆に別にフェチについては聞いてないよと思ってしまう。

多分これからも恋人の寝息を吸い続ける私だけれど、そんなことはいいからお寺の門でもまた新しく開拓してみようかな。偏愛探しの旅が、始まったような気がします。

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