ゲド戦記をみて
こんばんは。mukuです
はじめてゲド戦記を見てその感想を文字にしたくなったので書いてみようと思います。
見始めてすぐ思ったのは、ラピュタとハウルとナウシカともののけ姫の要素がところどころ感じるなぁということ。お城の感じはラピュタ。ドロドロの液体はもののけ姫。心臓が青く光るのはハウル。服装はナウシカなどなど。おなじジブリ作品なのでそれはそうかもしれないなぁと思いつつ見てました。
正直な話序盤、いや最後の方までアレンの求めるものも、何に怖がっているのかも、この作品で表現したいこともなんだかよく分かりませんでした。人身売買。奴隷。殺人。命。キーワードとなる単語はたくさんありましたが点と点が繋がらずぼんやりと作品を捉えていました。
ちょくちょく思ったのはよく眠る主人公だなぁ。ということと不用心にも程がある。ということ。よく捕まるし、剣は無くすし、どこでも意識を失っている。
それから特徴的なのは「声」。アレンの声は落ち着いた低い声。クモの声は落ち着いた、でも不気味で冷たい声。テルーの声は強い意志を持つよく通る少女の声。ハイタカの声は低く落ち着いた温かみのある声。テナーの声はキレがあるが包容力のある声。
あとなんか既視感あるなぁと思ったら、あれだ。「バケモノの子」。自身の欲望に飲み込まれた人間が暴走する感じがまさに似てるなぁと。あっ。でもゲド戦記の方が先にできた作品か。
それから、途中で考えていた『光と影』その両方を人は持っていて「欲望」や「羨望」や「恐怖」や「不安」によって均衡が崩れてしまうんだなぁ…ということが最後の方の影のアレンのセリフで出てきた時はなんかはじめてこの作品と心を通わせることができたようで嬉しさを覚えた。
あと所々で背景が壮大な自然になったり、星空になったりするのは心の変化を風景として表しているのかなと思った。不安定なら恐ろしい景色になるし、安心すれば穏やかな景色になる。
まあつまり何が言いたいかと言うと、何事も自分次第であると言うことかなぁと。怖い怖いと脅えていれば、現実も歪み恐ろしく感じる。精一杯生きよう、誰かを大切に思い、自身の命も大切にしようという心があれば、強くもなれる。そう思うと敵の数がお城の大きさにしては少ないな。クモは誰よりも死ぬ事が怖かったんだな。とか思い出して、ただ恐ろしいとみていた場面も人間のエゴや弱さが垣間見える別の場面のように見えて不思議だった。
歳をとる、老いるという現象は誰にも避けがたく、ときに嬉しいこと、ときに悲しいこと。
人は誰しも別の一面を持ち、アカウントを分けたり、一緒にいる人によって別の顔をしている。自由に生きるのに困らないだけの名前を持つ。
普段暮らしていれば気にしないことを深く考えさせてくれる。はっとさせられる。そんな作品だった。やっぱり私はジブリが好き
ただこれを小さい頃に見たとしたらなかなかのトラウマになりそうな描写だ。
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