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重曹、万能じゃないかも

 最近「重曹なんて万能じゃない」と言う意見を見て閃きました。

 重曹の化学式ってNaHCO₃となっていて、体内でNa+(ナトリウム)とHCO₃-(重炭酸)に分かれます。

 一方、健康界隈で大パッシングを受けている食塩はNaClとなっていて、体内でNa+(ナトリウム)とCl-(塩素)に分かれます。

 あれ? なーんか似てる部分があると思いませんか?
 化学式とかよく分からんって人も、頑張って分かりやすく説明するので、何となくでもついてきて下さい。

 健康界隈で大絶賛されている重曹の半分はナトリウムで、大パッシングされている食塩の半分はナトリウムなのだ、とイメージしてください。

 結論も先に述べておきます。
 重曹に含まれるミネラルはナトリウムしかありません!
 重曹のミネラルは食塩未満です!
 大した栄養素とは思えなくなりました!

ミネラルとは

 健康界隈の人は、口をそろえてミネラルミネラルと言っていますが、アナタはミネラルの定義を知っていますか? 私は今日知りました。

 ミネラルとは、生体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものの総称、です。

 なんのこっちゃですよね?
人体の60%は水」という話を聞いたことはありませんか?
 なんとビックリ、マジです。
 そして人体の96%は、酸素(O)、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)でできています。
 だから生体を構成する主要な4元素な訳です。

 その主要な4元素以外がミネラルです。

 重曹Na+(ナトリウム)とHCO₃-(重炭酸)でした。ナトリウムはミネラルですが、重炭酸は(4元素であって)ミネラルではありません

 食塩Na+(ナトリウム)とCl-(塩素)でした。どちらもミネラルです。

図1:人体を作る元素量ランキング
社会実情データ図録

 赤枠の解説をしますと、体重50kgの内、48kgが酸素、炭素、水素、窒素という意味です。
 これが人体錬成の素材です。

食塩・海水

 とは言え食塩も健康的とは思えません。
 ナトリウムと塩素の2種類しかミネラルが無いからです。図1の人体錬成表 人体を作る元素量ランキングには、なんかよく分からんですが沢山の元素が羅列されていましたね。

 例えば海水には、水、ナトリウム、塩素以外に30種類以上のミネラルが含まれています。さすが母なる海、生命の源ですね。
 海水塩分の78%は食塩(塩化ナトリウム)ですが、残りの22%はそれ以外のミネラルでできています。

 食塩を褒めるつもりはありませんが、重曹より食塩の方が、海水に近いです。

図2:海の基本講座
一般社団法人日本埋立浚渫協会

天然塩

 ミネラルを考えると、工業品の食塩よりも、天日塩や岩塩といった天然塩、またはぬちまーすと言う塩が良いかと思われます。

 ぬちまーすさんの成分表の赤枠を解説します。

図3:ぬちまーすについて

 D社のイオン交換膜という製法がいわゆる食塩のことです。100gの内99.6gが食塩で、食塩以外のミネラルは0.4gしかありません。

 C社の岩塩98.72gが食塩で、食塩以外のミネラルは1.28g
 B社の天日塩は、96.48gが食塩で、食塩以外のミネラルは3.52g
 海水と比べると、意外にも食塩以外のミネラルは少なめです。

 A社の煮釡塩84.82gが食塩で、食塩以外のミネラルは15.18g
 食塩以外のミネラルも豊富です。

 ぬちまーすは73.34gが食塩で、食塩以外のミネラルは26.66g
 食塩以外のミネラルがメチャクチャ豊富です。

フッ素悪者説

 そんなぬちまーすですが「危険なフッ素が含まれているじゃないか!」と疑惑の目を向けられたり、パッシングされたりしています。

 図1の人体錬成表を見てもらえれば分かりますが、人体には微量ながらフッ素が含まれています
 海水にもフッ素が含まれています

 そもそもアナタは、これらの違いが分かりますか?
 フッ素原子 F
 フッ素分子 F₂
 フッ素イオン F-
 フッ化カルシウム CaF₂ 蛍石
 フッ化水素 HF 工業用強酸
 フッ化ナトリウム NaF 歯磨き粉
 ペルフルオロオクタンスルホン酸 PFOS 日本の水道ですら規制
 ペルフルオロオクタン酸 PFOA 日本の水道ですら規制
 ペルフルオロヘキサンスルホン酸 PFHxS 日本の水道水に含まれる 欧州では規制 テフロン加工などにも使われる

 私にも分かりません

実際に試して健康に良かったよ!

 実際に自分の身体で試して、重曹が健康に良いと思っている人もいるかもしれません。
 確かに経験はほぼ真実です。

 ただしそれは「よく分からないけど、重曹が健康に良い(気がする)」「私にとっては、良い(気がする)」と言うのが正確でしょう。経験論・実体験で述べられるのはそこまでです。

「重曹のミネラルが身体に良い」とか「重曹の成分は身体に良い」とか「重曹はアルカリ性だから身体に良い」とか言う主張をしている人は99.9%、工業食塩の比率以上に知ったかぶりです!

 フッ素についても同じです。
 原子Fと分子F₂とイオンF-の違いが分かっている人なんてほとんどいないでしょう。私もちょこっとしか分かりません

 呪文みたいな名前のPFOS、PFOA、PFHxS。有機フッ素化合物などと呼ばれるようです。こんなのサッパリ分かりません
 私に分かることは、それらが欧州では規制されていて、PFHxSについては日本で使用が続いているということまでです。

 海水由来のフッ素がどういう化学式で、人体にどういう影響を及ぼすかは、サッパリ分かりません
 経験則・感性で自然物だから、過剰摂取しなければ問題ないだろうと思ってはいますが、ただの直感です。

 試してみること、経験はとても大事です。
 ただ、分かったつもり、知ったかぶったり、決めつけなどをして主張するのは好きではありません。
 分からないことは分からないこの宇宙には、分からないことしかない

 科学はなんだかんだ人類の英知の結晶と積み重ねです。
(世間をにぎわせているアレはもちろん非科学のカルトです)
 科学の全てを、一個人が理解することはまず不可能ですし、科学ですら分からないことはたくさんあります。

まとめ

重曹について
 重曹にはナトリウムしかミネラルが含まれていないことが分かった。
 重炭酸が身体に及ぼす影響は分からない。

塩について
 ぬちまーすは私が知る限り、一番ミネラルの種類が豊富な塩である。

フッ素について
 ぬちまーすにはフッ素が含まれているが、化学式は分からない。
 人体や海水にもフッ素が含まれている、化学式は分からない。
 水道水やテフロン加工に使われる有機フッ素化合物は2022年から欧州で規制されている。


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