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レ◯プ未遂に遭ってしまい、鬱発症で休職4ヶ月目 その①事件の詳細編

【性被害の描写があるので、トラウマのある方はご注意下さい】

2月の頭に、家に工事の見積もりを出してもらう為に業者を呼んだ。事前の電話によると、彼らは兄弟で個人事業主をしているそうだ。
朝9時頃。前回別の業者に襲われかけた教訓を元に、今回は朝にして、あえてお風呂にも入らず髪もボサボサ、一番汚い部屋着で人に見せられないような姿でお迎えした。

彼らは若い二人組のルーマニア系移民。チラッと見えた携帯の待ち受け画面が若い女の子の写真だった(この国では、パートナーがいるので誘惑しないでのアピール)のでホッと一安心し、一時間ほど実務的な話をして、誠実そうだし彼らに依頼しようと、大家組合に推薦するので見積もり送ってとお願いし、お別れした。

一人になって、夏から難航していた業者選びがやっと進み、清々しい開放感を味わったのは束の間。数分後に、彼らの内の一人から電話が掛かってきた。背の小さい兄の方だ。
「君の部屋の窓は他の大家達には秘密で安く付けてあげるから、今すぐ工事を始めない?今戻るから待ってて!」と電話を切られ、へ?良く分からないなーと思っているや否や、すぐに一人でうちに戻って来たのでビックリした。

ニコニコしながら、「君はとても良い人だと思うから、かなりお安く窓を付け替えてあげるよ。その代わりサイトの俺たちの会社のレビューには高評価を付けて欲しいんだ。」と。
「あぁそんなのお安い御用だよ。こちらも窓が安く済むなんて嬉しいわ。ありがとう!本当に酷い業者にばっか当たったけど、貴方は当たりで嬉しい。この前なんて、レイプされそうになったんだから。本当ここまで大変だったわ。」と喜ぶ私。「じゃ、窓の方は先に進めてね、またね。」と握手を求めると、なぜか唐突にハグをされた。え…何これ、どうしようと頭が付いていかず思わず固まってしまう私。
そしたら「挨拶ってこうやってやるんだよ!」とブチュとキスされ舌を入れてベロベロと舐め回された。(タバコの味がしゾッとした)

私は血の気が引く思いで、何で!?やられた!油断した!あの待ち受け画面のせいだ!と完全にパニックになった。
「何で!?彼女がいるんでしょ?」と絶望して言ったら、「いないよ、俺フリーだよ!」と張り切った笑顔で答えられた。なんかあたかも自分はいい男だとでも、自信がある風だった。
待ち受けの女の子のことを言うと、「あぁ!これは死んだ妹だよ。」と。

…あぁしまった!やばい、どうしよう!!

飛びかかられて以降、離れてもらえていないので、恐怖で身体がフリーズしてしまっていた。その男は高校生くらいに見える。声が甲高くガリガリで顔色も余り健康な印象を与えず、ニット帽を取ったら髪がまだらに抜けていても驚かない。背丈は170cm位。私も背が高い方なので体格はそんなに変わらないのに、怖くて動けなくて、は?これ受け入れないといけないの?と一瞬パニックになった。いや、そんな訳ない。とにかく被害を最小にして逃げないと。

「何歳なの?」と聞くと、25歳だという。
「いや、私は貴方の母親に近い年齢だよ!無理だよこんなの。ノーノー!」と首を振って言うと、「俺は年齢なんて気にしない。君を気に入ったんだ。」
男は私に気に入られていると謎に思い込んだ(?)アテが外れた様で、良い男風の態度改め、焦りで苛々し始めた。「怪しい者じゃない。身分証をこの家に置いといても良い。」「キリストを信じているし、悪い人間じゃない。」とか必死で言っている。無理だって言ってるのに全然聞いてくれないし離してくれない。恐怖を感じている私に気付かない訳はないのに、強く押し切ればいけると思って、ものすごく早口になっている。
私はパニックで情けない程に身体が動かなかった。反撃して逆に一気に最後まで襲われたら勝ち目がない時、人も動物も怖くてフリーズしてしまうそうだが正にそれだった。
ついに抱きつかれたまま、急に両足を持ち上げられ、抱っこされる形になってしまった。ノー!と言いながら、恐怖度が一気に上がり、脳も身体も更にフリーズした。

一人掛けソファに降ろされ、服の中に両手を入れられた。工事のせいでガサガサの黒くて硬い皮膚の冷たい汚い手が、直に胸を触ろうとすぐに伸びてきた。
私は咄嗟に胸元で両腕をクロスしてそれを阻止した。男は床に膝を付き、両手を服の中に入れたまま私の腰をガッシリ掴み、「リラックスしてよ。」と仕切りに言ってくる。
「出来ない、嫌だ。ノー!ノー!」と泣きそうになりながら必死でノーの意思表示を繰り返した。

男は、「実は俺はまだ童貞なんだ。この歳で童貞は辛い。妹が死んでこうなった。女の子との出会いもないし、最初の一回ってとても難しいんだ。経験豊富な君が俺を手助けする、俺は君の窓を安く付ける。いいじゃない、助け合おうよ。」と取引を始めた。
「結構です。私、窓の代金は普通に払います。」
「無料にするよ。」
「私は娼婦ではありませんので、いりません。」
「この助け合いの何がダメなんだよ!」
甲高い声で時々キレられるのがすごく怖い。でもパニクる頭でどうにか説得を試みた。
「女性と関係を持ちたいならこんなやり方じゃいけない。ちゃんと手順を踏まないと。まず話をして気に入られないと関係を持つなんて無理なんだよ。会って一回目なんてまず無理だよ。」とか常識的なことを必死で沢山話し続けた。

しかし相手は聞く気ゼロで、「は?時間を掛けて話し合う事に何の意味があんの!?」と一蹴。苛立ちながら「ねー、リラックしてよ。」と「助け合いだよ!何で助け合えないの?!」ばかり。私は「お金は払えるので。」と、不毛な平行線の会話が以降続く。

疲れたらしい相手が、「ちょっとベッドに横になろう。約束する。何もしないから。君は少しリラックスする必要がある。少し一緒に横になって休むだけだから。」となだめる様に言って、私をまた抱き上げた。
「嫌だ!嫌だー!ノー!」と繰り返したが、悲しいかな身体は動かない。またもや私はされるがままに男によって運ばれた。

男は汚い土足で工事用安全靴を履いたまま私のベッドに上がってきて私を寝かせ、ぴったりと横になった。また逃げられない距離。ついには顔まで近付き、私は益々恐怖でパニックになっていった。頭の中で警報が鳴り、危険を知らせるライトは点滅しているのに、靄が掛かって全てが緩慢になる感じ。
腕クロスで伸びてくる汚い手をガードし続けるのが、唯一出来た精一杯の抵抗だった。

ベッドに移ってからも全く同じ不毛な押し問答が繰り返され、汚い両手は依然として服の中で私の肌を直に触り、お腹と腰や背中をさすり続けている。時折胸を触ろうと何度もめげずに挑戦してくるので、とにかく腕クロスガードに私の全神経は集中していた。
時には、これいよいよ受け入れなきゃいけないの?という絶望と、そんなの絶対に嫌!という悲痛な思いが何度も交互に頭を過ぎ去っていた。

痺れを切らした男が、ついに横から身体ごと上に覆い被さってきて、無理矢理に私の身体を抑え込みキスをしてきた。気持ち悪い!!!私は身体全体を揺すって動かし(やっと少し身体が動いた!)「嫌だ!私ずっとパニック起こしているんだけど!もう嫌だ。嫌だー!」と男の顔を除けて言ったら、男はすぐに私の身体から降りた。
私は続けざまに「何でずっと触ってんの?何もしないって言ったじゃないの。」と言ったら、「これはマッサージだからだよ。」と誤魔化した。そこで男はようやく手を服から出して引っ込め私から身体を離し、しばらく考えてベッドから起き上がった。私はまだ軽くフリーズしていてすぐには動けなかった。

「私は両親から虐待受けてて2年前にパニック障害になって、精神科で治療しなきゃいけなかったんだよね。それで今日またこんな目に遭って、またこの後に精神科に行かなきゃいけない。本当にもう嫌だ。疲れる。」と言った。
「は?辛い過去なんて忘れりゃいいだけじゃん。」と言われた。

私はようやく起き上がって椅子に座った。
「さよなら」と言われたので、「さよなら」と恐る恐る返した。よし…帰ってくれるみたいだが、まだ安心は出来ないぞ。警戒心はまだまだマックス。
「さよなら!」「ねーサヨナラって言ってるんだよ!?」と憤慨しながら声を荒げて言われた。意味がわからない…。メンヘラがやってしまう、本当に帰るけどいいのか?って脅し?はぁー頼むから早く帰って。

男は「君が俺を気に入らないんなら無理強いはしないよ。」と言いながら鋭い目つきで私を睨んでいた。「でもこれはすっごく意地悪な事だ!」と怒って三回位言われた。

私は衝撃を受けた。この男はいかにも何もしてないような口ぶり。しかも私が意地悪だと罪を着せて逃れようとしているのか…?と思い、「あのね。女の子口説きたいなら、まず散歩やカフェに誘って会う回数を重ねて、それが上手くいったら、もっと綺麗な格好でディナーにでも招待して花束でも贈ってさ、それで気に入られてからやっと肉体関係が持てるんだよ。家帰ってお母さんに聞いてみなよ。」と言った。

男は「俺は誰の意見も求めていないよ!」とキレてドアをバンと締めて出て行った。男が戻ってきてから1時間が経っていた。茫然自失。疲労困憊。でも粘り勝ちだと思った。こんな朝っぱらからそんな気になるなんて男が信じられない。

これがその童貞男との間に起きたレ◯プ未遂事件の全貌。

続く。




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