間取りの考え方『分けて』暮らしやすい家~インテリア編①~
今回の記事は『Sawa~建築士のあたまの中』さんとのコラボ企画の記事になります。
第一弾のコラボ企画はナミ構造設計さんとでしたが
意匠設計と構造設計のリアルな仕事のやりとりが記事になっていて
とても勉強になる内容になっていました。
私は意匠設計もするのですが、インテリアプランナーの資格を持っており
これまで住宅や店舗のインテリアコーディネーターをしてきた経験があります。
そしてこれから力を入れていきたい分野なので今回はインテリア担当で設計に参加させていただくことになりました。
といってもインテリアの提案をがっつりするのはかなり久しぶりなので
自分でもどのような展開になるのかわからないまま着手しております。
まず今回のテーマ『分けて』暮らしやすい家
の間取りになります。
何を『分けて』ているのか。
大きく3点あります。
1.洗濯動線の水まわりを2階に『分けた』
2.帰宅動線を『分けた』
3.リビングを『分けた』
詳細はSawaさんの記事で書かれているのでぜひぜひ読んでください。
住む人の目線で考えられていて無駄の無い動線でありながら
敷地や限られた面積のデメリットを逆手に取ったユニークさも入っていて「なるほど」が散りばめられていて、私もとっても好きなプランです。
そして私が担当するのはインテリア(内装)です。
どこからどこまでがインテリアで、何を提案するのか?
それはクライアントや案件、求められている内容によって
違いますし、提案する側の事務所や会社によっても
千差万別です。
私がこれまでやってきたインテリアの提案のメイン項目です。
・床壁天井の内装仕上げ
・建具の色・種類
・家具配置計画(置き家具)
・造作家具・収納・材料・使用の計画
・照明計画
・色彩計画
・ウィンドウトリートメント計画
・パース(手描き、CGなど)2.3点
上記がメインの提案内容になりますが、規模や案件によっては
ゾーニング・動線計画・スペース計画に関わることもあります。
あとは提案と一緒に予算書を作成しインテリアプレゼン一式を
用意します。
全てを網羅するには時間がかかりすぎることもあり
この企画では私が必要だと思う項目をぎゅっとコンパクトにまとめて
LDKをメインに提案していきたいと思います。
実際はクライアントからどのような空間にしたいかヒアリングをしながら
インテリア計画を進めていくのですが、今回は当たり前ですがクライアントがいません。
Sawaさんとも相談をしましたが
私がテーマを決めることとなりました。
「モダンな北欧」が今回のテーマです。
インテリアで北欧と言えば透明感がベースにありビビットなアセントカラーのマリメッコのような可愛らしいイメージが世の中の主流かと思います。
その柔らかい北欧テイストを残しつつカッコいい北欧のLDKを作りたいと思います。
インテリアのカラーイメージです。
少しくすんだ配色にしてみたいと思います。
このカラーテーマに沿ってインテリア選定をしていきます。
と言っても具体的な置き家具やカラーに関する提案などは
次回の記事でまとめてご紹介したいと思っています。
今回の記事のメインはインテリア提案をする上でSawaさんに対して
建築の部分で変更をお願いしたい箇所をピックアップしていきたいと思います。
インテリアが提案に入る段階というのは大体建築のプランが固まった状況からスタートします。
ですので特に造作家具の計画をする中で、
「ここの壁がもう少しあれば」とか逆に「ここに壁がなかったら」
納まりも良いし使い勝手も良く美しくなるだろうな・・・
が出てきます。
思いのこもったプランを勝手に変えるなんてのは言語道断ですので
その際は都度、設計された方に要相談が鉄則になります。
今回の提案ではキッチンを全て造作で計画をすることにしました。
まずダイニング側にあるアイランドキッチンです。
サイズはSawaさんの図面に描いてある幅2600にしましたが
奥行は900だったのを少し広げて1000にしました。
ダイニング側に収納を広く取りたくて少し大きくしています。
高さは一般的な850で考えていましたが、BOSCHの食洗器の設置最小高さとシンク一体型のセミオーダー型のステンレスカウンターの厚みを足すと860になったので少し高めの設定にしています。
ですので、背面収納のカウンターも860で計画しています。
扉の面材や色はものすごく悩んで何度も書き直したのですが
柾目のチェリーにしました。
せっかくの造作キッチンなので重厚感と高級感があった方がかっこいいし
特別感がでるかな、と思ったからです。
北欧イメージにチェリー材は違うのではないかというところに悩みましたが
そこは他とのバランスで調整しようかと思います。
取っ手は実際使用したことがある上手工作所さんに真鍮の取っ手です。
主張しすぎないところが気に入っています。
3サイズありお値段もお手頃です。
ダイニング側の収納取っ手はタモ材を使い1本ラインがスッと入るデザインにしました。人が通りやすいように取っ手を付けるよりも
手掛けの方が良いかと思いこの仕様にしています。
他にも設備類、収納棚の使い方を書き出すと止まらないのでアイランドキッチンの説明はこの辺りで止めておきます。笑
そして背面収納ですが収納たっぷりで計画しています。
上部の開き戸はガラスにするかオープンにするかなど
見せ方を色々悩みましたが、アイランドキッチンで見通しが良いので
背面は隠せた方が良いかな・・・と主婦目線での計画になりました。
間接照明を仕込んで手元が暗くならないようにし
タイルが美しく映えるように計画しました。
そしてこのタイルの納まりと収納の納まりに関して
少しSawaさんにご相談その①です。
パントリーへの入口を450ほど北に移動したい。
タイルの終わりを見切り材を付けるにしても、小口処理をするにしても
壁がそのまま折り返している方が美しい壁面に仕上がると思っています。
そこも含めて他4項目の変更依頼をしたいと思います。
① パントリーはの入口の開き戸の位置を北へ450程移動する
②③床材をリビングとダイニングで張り分けたいのだが
段差を100設ける(リビング側へ100下がる)
その際リビング床材のフローリングの張り方向は長手方向ではなく
北→南向きで張りたい
④ パーテーションのデコ窓は腰窓タイプにしてダイニング側へ奥行250の
飾り棚を取り付ける
①に関しては先ほど書いた理由になりますがわかりやすく描くと
これの何が変わるの?と思われるかもしれませんが小さい積み重ねが美しい空間を作るのでここはこだわりたいポイントです。
これは提案するインテリアさんによって様々な考えがあるので正解はありません。
次に②③ですが
段差を下げるというのは構造にも影響がある部分で下手したら何枚も建築の図面を描き直させることになる大きな変更なので気安く提案できることではありません。(ですが今回は企画なのでお願いしてみました。笑)
今回の間取りのテーマ「分ける」をインテリアにも取り入れたいと
思います。
繋がりながらもリビングダイニングをしっかり分けたいので
床材の張り分けと段差を設けたいと考えています。
そして最後の④ですが
Sawaさんからは図面をいただいた時にLIXILのデコ窓を使用予定だが
腰窓タイプか床から天井まであるタイプかどちらを選んでも良いですよ。
と言われていたこともあり腰窓タイプで計画をしようと思っています。
腰窓タイプは図面にあるサイズよりも幅が小さくなるので
袖壁も広くなります。そちらにブラケット照明をつけたいと考えています。
腰窓の下枠には出幅250の飾り棚を取り付けでダイニング側から
使用できる棚を計画しています。
以上4点を建築士Sawaさんへ変更依頼をお願いしたいと思っております。
こちらの変更が可能か否かで今後のインテリア提案も変わってきますので
Sawaさんの次回の記事で返答を待ちたいと思います。
よろしくお願いいたします!
今回はインテリアテーマと造作に関する内容、そして今後のインテリア提案に関する建築変更依頼にしました。
次回の記事で最終的にまとめたインテリアの提案をお見せできればと思っています。
mugu
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