そうだ、めんたいパークへ行こう
「めんたいパーク、行く?」。近くにいる職員やメンバーをつかまえ、ニコニコしながら質問する。春田さんの日々のルーティンだ。たいがい「行かないよ」と一蹴されるのに、めげずに1日20回はこの質問をしている。元記者として、このガッツは見習いたいとすら思う(もしかしたら春田さんは、何か答えを求めているわけではないのかもしれない。本人にとっては、質問することに意味があるのかな、と思ったりもする)。
何度も質問されるうちに、めんたいパークってどんな場所だろうと気になり、調べてみた。ホームページによると、明太子の老舗「かねふく」が運営する「日本初・日本唯一の明太子専門テーマパーク」で、全国に6か所ある。明太子工場を見学できたり、できたてを食べられたりするらしい。
春田さんがどこに惹かれたのかは、本人に聞いてもよく分からない。ちなみにオススメは明太パスタらしいが、本人はそこまで明太子が好きではないとの情報もあり、謎は深まるばかりだ。
最近思うのは、春田さんはめんたいパークそのものではなく、みんなでお出かけするのが好きなんじゃないか、ということだ。旅程を取り仕切るのも楽しいらしい。麦わら屋には送迎車が複数台あって、春田さんは外出するとき、車種とドライバーを指定する。
さらには、数か月前の外出の詳細まで覚えている。昨年4月、麦わら屋のメンバーやスタッフで桜を見に行ったそうなのだが、春田さんは当日誰が休みで誰が留守番していたか、誰がどの車に乗ったかまでを数十人分記憶していて、すべて書き出して説明してくれる。本当にすごい。
ある時、あまりにも旅程の説明にこだわっていたので、作業のかわりに「旅行のしおり」を書いたらどうかと提案してみた。その日は高崎へ出かける想定で、出発時間、誰がどの車に分乗するか、どこでランチするか(やはりパスタを食べたいらしい)、その後のスケジュール(高島屋の屋上で景色を見るなど)を書き出した。送迎の時間に間に合うよう、帰りの時間までしっかり逆算していた。
こちらとしては「春田さんの才能発揮!やったー!」とテンションが上がったのだが、翌日にはしおりに全く興味を示さなくなっていた。挙句の果てには破り捨てようとしていたので、何か気に食わなかったのかもしれない。押し付けになっていたのかな、申し訳ないな、と思いつつも、やはり謎は深い。
ちなみに昨年11月ごろからは、年末恒例のボウリング大会が最重要テーマとなり、みんなに「ボウリング行く?」と聞いて回っていた。めんたいパークブームはこれをもって終了か…と思ったのも束の間。ボウリング大会翌日、春田さんは何事もなかったかのように「めんたいパーク、行く?」と笑顔で聞いてきた。もうここまできたら、いつか行ってみたいなとすら思う。大好きなめんたいパークで本人がどのように過ごすのか、どんな表情でパスタを食べるのか、ぜひ見てみたい。
(文:広報スタッフ/ライター 原菜月)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?