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何窓までいける?

私は2窓も結構無理です。インターネットで配信や動画コンテンツなんかを複数同時に視聴することをまとめて2窓や多重窓と言ったり、同時視聴するコンテンツ数を2の部分に代入して例えば3つ同時に視聴することを3窓と言ったりする文化がある。

Vtuberの配信は私が体感するに20時~23時ぐらいの時間帯から始まる配信が恐らくゴールデンタイム的な立ち位置で各種配信もそこに集中するから、複数の推しを持つ者にとって2窓を検討する機会というのは案外そう珍しいものではないはずだ。

私はVtuberの厄介オタクをしている者であるが、冒頭で申した通りシングルタスク単細胞バカなので2窓でも結構聞き分けが難しかったりして、推しのVtuberコンテンツを追いかける中で割と苦痛を感じ始めたりコンテンツ摂取の方法がこじれてきたのに気が付いた。もちろん、この場合の2窓は2つと言う意味の方である。

具体的には、気づけばいつからか時間帯が重複した場合はその全てを多重窓して、内容が十分に聞き取れないので後から個別のアーカイブを見るという二度手間みたいな方法でコンテンツを摂取しているうちに、時間がすぐなくなるなぁ~みたいな、どこか時間を無駄にしているような気持ちになってきて、何かおかしくね?というのに薄々気が付いてきたわけだ。何言ってるか分からんくて雑踏みたいな音を吐き出すヘッドフォンをつけて多重窓してると頻繁にこれ何の時間だっけ?とか何でこんなことしてるんだっけ?と思うようになったのだ。

私は厄介オタクであるから、この葛藤について結構な悪あがきをしていて、音量差をつけてみたり、オーディオインターフェースの設定で配信者ごとに左右のパンを振り分けてみたり、自分は何窓までなら許容できるのかとアーカイブを同時視聴して検証してみたりもした。

きっと、これはリアルタイムで推しの配信と時間を共に過ごしたい欲求と、推しの配信の内容をちゃんと受け取りたい欲求の衝突とその葛藤であるように思う。内容が聞きたいのなら全部アーカイブにすればそれで幸せなはずだし、リアタイしたいだけの欲求なら別に内容聞えなくても幸せになれたはずである。でも、そのどっちもやりたいから私は厄介オタクであるわけだ。

多重窓すると内容が聞き取れないことについて、ある程度は訓練や慣れの一環で改善するかと無視しながら、今はリアタイする欲求だけを満たしている時間だとしたり、内容を摂取する時間であると言い聞かせたりしながら、結局は二度手間みたいな方法を取り続けている。

今を共にするということもコンテンツの大きな魅力であることと、一個人が同時に処理できる情報量には限界がある以上、この葛藤は一生続くのかもしれない。この葛藤が晴れる時は、もしかしたら悲しいお別れの時かもしれないので、悩みも醍醐味のうちであるとすれば、この悩みも贅沢品のひとつかもしれない。

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