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小説「死ぬ準備」10月から再出発!長生きのために。

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生きるとは死ぬことである。死ぬために生きている。計画では95歳まで生きる。理由は母親が100歳まで生きたから。男のおれは女性に敬意を表して5年少なくした。偉くも金持ちにもなれなか…
まずは単品で100円から。徐々に200円。月極めで500円と上げて行く。期間限定もある。いまはにコ…
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2020年5月の記事一覧

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小説「死ぬ準備」勝手に抜書き編

小説「死ぬ準備」勝手に抜書き編

顔のない男

私が四十歳になった頃の話である。百歳で死んだ母はつくづく私の顔を見ながらいった。
「あのおじいちゃんの孫だものね。人並みに世間に揉まれて出世できる顔じゃないね」と母はしみじみと私の顔を眺めながらいった。
「金のない男は顔のない男と同じだよ」ともいった。
母は辛辣な批評家でもあった。

「もう出世は無理ね。出世する人間はそんな顔していないよ。父ちゃんも駄目だったけどお前も駄目だね。タン

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小説「死ぬ準備」-20年前の風景

われわれに未来はない。しかし子供にはある。少なくとも時間だけはある。その時間を有効なものしてあげたい。そう思えば思うほど体が震えた。
出来そうもない、気がしたからだ。

少なくとも子供や女房には迷惑を掛けたくない。経済的な負担を掛けたくない。死んだら葬式はするな。親戚にも知らせることはない。余計な金を使うな。そう妻にはいってある。妻は黙っていた。
現実問題としてそんな経済的余裕はない。

たぶんそ

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哲学猫麻耶の哄笑⑤

哲学猫麻耶の哄笑⑤

 陰謀論って、なんだ?

世界中の誰も本当のこと知らない。デープステイツ?イルミナテイー?ユダヤ国際金融資本?欧米金融シンジケート?分らんなあ。どれも見えない仕組みになっている。911ニューヨーク世界貿易センター崩壊、311東日本大震災、124日航機墜落事故、そして今度はコロナだよ。

中国は早々に感染防止成功を宣言し、武漢の都市封鎖を解いた。近日中に日本への定期航空便も再開されるだろう。習近平が

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小説「哲学猫麻耶の哄笑」③

小説「哲学猫麻耶の哄笑」③

コロナにとって人間は埴生の宿

 コロナもいまは人間に毛嫌いされて追われる身だけど、生命の基を辿れば懐かしい埴生の宿かもしれない。床も畳もなく土が剥き出しのままの家も、同じ細胞内に生まれたコロナには玉を凝らし瑠璃を張った豪華な家よりも懐かしい。いわば悔恨の里帰りの旅だったかもしれないのだ。

でも生きる術が違う。世界が違う。胃腸に住む常在菌や細胞のようにはあつかえない。

お互い生き抜くために、な

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