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生きるとは死ぬことである。死ぬために生きている。計画では95歳まで生きる。理由は母親が100歳まで生きたから。男のおれは女性に敬意を表して5年少なくした。偉くも金持ちにもなれなか…
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2020年5月の記事一覧
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小説「死ぬ準備」勝手に抜書き編
顔のない男
私が四十歳になった頃の話である。百歳で死んだ母はつくづく私の顔を見ながらいった。
「あのおじいちゃんの孫だものね。人並みに世間に揉まれて出世できる顔じゃないね」と母はしみじみと私の顔を眺めながらいった。
「金のない男は顔のない男と同じだよ」ともいった。
母は辛辣な批評家でもあった。
「もう出世は無理ね。出世する人間はそんな顔していないよ。父ちゃんも駄目だったけどお前も駄目だね。タン
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小説「死ぬ準備」-20年前の風景
われわれに未来はない。しかし子供にはある。少なくとも時間だけはある。その時間を有効なものしてあげたい。そう思えば思うほど体が震えた。
出来そうもない、気がしたからだ。
少なくとも子供や女房には迷惑を掛けたくない。経済的な負担を掛けたくない。死んだら葬式はするな。親戚にも知らせることはない。余計な金を使うな。そう妻にはいってある。妻は黙っていた。
現実問題としてそんな経済的余裕はない。
たぶんそ
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