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田中と石井の「無風状態」

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2015年1月の記事一覧

#58 石井が「NPO2.0」を語るの巻

田中さん

田中さんの“静かな戦い”をある種の傍観者的立ち位置から見て、受け取る思いは、「なんかこのままじゃダメなんだよな」という危機感と、田中さんの中の衝動の根っこに、“知ってしまった者の責任”を強く感じています。

ソーシャルセクターで働く、或いは活動する者は、多かれ少なかれこの責任を自分ごととして背負い込んでいるんだと思うんです。それが衝動の根っこ、即ちモチベーションです。

そして、その責

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♯57 田中が「NPO2.0」を語るの巻

石井さま

石井さんの前回の話はおもしろくて、①事業対象を明確にすると、こぼれ落ちるものも明確化されてしまう、②事業の明確化は、スタッフに選り好みされないか、の2点が指摘されたのでした。

で、さらに議論を深めるため、僕の言う「NPO2.0」を明確化しようと。賛成なので、これまで曖昧だったNPO2.0の必要要素を羅列してみます。足りない点はここで補足していきましょうね。

1. NPO2.0は「

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#56 ボカシ文化のソーシャルセクターでミッションを具体化する意味とは?(中編)

石井さま

そうか、ミッションを具体化するということは、誰かが「得」するということか。

でも言い換えると、ミッションの具体化とは、その「誰か」を具体化するということなんだなあとも今回思いました。

ドーナツトークでいうと、その「誰か」とは明らかにハイティーンや高校生なわけです。

もっと具体的には、虐待サバイバーの女性ハイティーンであったり、貧困家庭で孤立化するハイティーンですね。

それらハイ

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♯55 ボカシ文化のソーシャルセクターでミッションを具体化する意味とは?(前編)

石井さま

ミッションについてですが、前回石井さんが書いていたのは、スタッフ間でのミッションの共有の難しさですよね。確かにそれはあります。

僕はもうひとつ、そもそもの「ミッションの内容」もポイントだと思ってるんですね。

以前の組織で(NPOだけではなくその前の任意団体「ドーナツトーク社」でも)「コミュニケーション」や「ネットワーク」等、その時はそれなりに斬新だったんですが、まあ少し大きな意味す

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♯54 あなたは所属するNPO法人のミッションを言えますか?

石井さま

告白すると、実は僕は、ここ5年ほど、妙にいらだっていました。

それは、「NPOなどの『ソーシャルセクター』は、なぜミッションがあいまいで(幸せとかワクワクとかの用語はありますが、肝心のミッションや事業に具体性がないというか先行事業のパクリだったりオリジナリティーがない)、現代社会に対して『どう変えていく』というメッセージが弱いのか」ということに尽きます。

そんなことを、出会うNPO

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♯53 潜在化と顕在化の光と影

田中さん

ぼくも田中さんも、支援という営みの中で、必然的に潜在化していた課題に出会ってしまうエブリデイなわけです。

それがこのSNSの時代に、発見された課題がシェアされたり、当事者が発言したりと、出会いのアルゴリズムが変わってきてて。

日々、何かが白昼のもとに晒されては、同時に何かがその影に飲み込まれていく…。そんなことを近頃感じるんです。

行政やNPO等の課題解決行動が起こらないまま、課

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#52 支援の専門性から「こぼれ落ちたもの」をなんて名付けよう?

田中さん

新年明けましておめでとうございます。今年も楽しく無理なく、無風状態を続けていきましょうね。さっき、「無風状態」を検索したら、はっぴいえんどを抜いてトップヒットになってました!

さて、ぼくには前回の田中さんが最後にさらりと書いた、「若者たちの「孤独」を保証してあげること」ってフレーズがリフレインし続けています。

そしてこの言葉の手前で、田中さんは、自分たちの役割を「若者の「孤独」の

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