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桑田孝夫の運転で都内を走っている。目的地のない、のんびりとしたドライブだ。 「北本通り…
ポッキー片手に三軒茶屋を散歩していると、花屋の前で見覚えのある柄の三毛ネコが。 「チレ…
町外れのセメント工場脇に、高さ10メートルほどの囲いがある。窓1つない、打ちっ放しのコン…
創業がいつなのかもわからない、それはそれは古いデパートの地下深く、わたしは先月からアル…
今度の休みにみんなで集まって、一発芸を披露し合うことになった。今日はファミレスでその打…
志茂田ともるの部屋で、「アンノウン」をぱらぱらとめくって読んでいる。彼が毎月買っている…
どっしりとした革製のイスは、たいそう座り心地がよかった。それなのに、どうも落ち着かない。 高さを変えたり、お尻の位置をずらしてみたりと、かれこれ30分も繰り返している。 わたしは市長に任命されたのだ。といっても、1日かぎりだけれど。 肩には、「1日市長・むぅにぃ」と書かれた紅白のたすきを掛けている。 机の上の電話が鳴った。1階受け付けからの内線だ。 一息置いて、受話器を取る。 「はい、1日市長」 「むぅにぃ、じゃなくて、あの、1日市長。あなたにお会いになりたいと
もらわれてきた時は、両手にすっぽりと収まってしまう赤ちゃんネコだった。 「名前、なんに…
高架橋のすぐ下の遊歩道を、わたしはずっと歩き続けている。 橋桁と橋桁の間はコンクリー…
ゴロンと寝そべったとき、それに気がついた。 上から2段目、ミステリー文庫ばかり作者も…
目と鼻の先のコンビニへ買い物に行こうとしたら、どういうわけだか道を間違えてしまった。 …
真昼の町中に、突如としてバクテリア・モンスターが現れた。 「逃げろー、襲ってくるぞっ!…
腐れ縁の桑田孝夫とわたしは、清水港にある、エスパルスドリームプラザのタリーズでアイス・…
町内会の会長が「どうしたら、町をもっと活性化できるのか」と熱心に語っているさなか、わたしはずっとイルカのことばかり考えていた。 大海原を優雅に泳ぎまわるイルカ達。うるさい規則に縛られもせず、自由気ままに暮らせるなんて、ほんとうにうらやましい……。 「それじゃ、むぅにぃさんの意見を聞かせていただきます」会長がわたしを指名する。 「あ、はいっ」慌てて立ち上がったものの、何を話せばいいのかさっぱりわからない。 まごまごしていると、隣に座っているパン屋の奥さんが助け船を出してく