具合が悪い時の親の対応

私は生理痛が重い。生理痛が重い時はだいたい便秘も併発して更に痛みが増して、激痛になる。下痢を垂れ流しながらふろ場で行き倒れたこともある。深夜に汗ぐっしょりになりながらトイレで唸ったことも。高校生の時はギリギリまで我慢して顔を真っ白にしながら授業を退出したこともある。

だから運良く昼間に生理痛になった時は母に助けてもらいたかった。なのに。

母は気持ちに寄り添うということができない。ただ横にいて背中をさすってくれるだけでも良かったのに。たすけてと言ったら「私も若い頃は酷かった。1人で耐えた」と言ってきた。そうじゃない。そもそも私の生理痛は父の家系譲りで人より重いと言ってくれたじゃないか。それは忘れたのか。それとも人に頼ることが出来る私が妬ましいのか。激痛の中、意味の無いことを喋らないで欲しい。吐きそうになりながら、下痢と臭さに耐えて「そういえば吐かない方がいい時もあるんだっけ。どう対処するのが正しいのだろう」と聞いたら私の心配よりも先にトイレに置いてある本が汚れないかの心配をされた。ことばにならなかった。彼女は「私には何も出来ない」と言ってドラマを見に戻った。正気かと思った。これをこうしてほしいと言ったじゃないか。全身汗びっしょりになってるのが見えないのか。見ようともしてなかった。昔孔子で自分よりも苦しんでる人だか羊を見逃してどうのこうのみたいな寓話があった気がしたのを思い出した。自分よりも辛そうな人がいたらせめて助ける素振りくらいしてほしい。起き上がるのも辛かったから水を飲ませるくらいして欲しかった。バイトの休みの電話を入れるためにバイトの電話番号を電話帳から探すくらいして欲しかった。汗で寒いからエアコンを消して欲しかった。して欲しいのはそれだけだった。何時間も続くわけじゃない。せいぜい2～3時間だ。それさえもダメなのか。

私は普段から人に助けをそんなに求めない。だからそんな私が助けを求めたら助けてくれると思った。それなのにちっとも助けてくれさえしないのか。ただ無視するだけなのか。

私は失望した。父にも電話をかけたがお決まりのランニング中、LINE電話には当然、普通の電話にも出やしなかった。彼はランニング中じゃなくても連絡は繋がらない。自分が連絡したい時だけしか携帯を見ない。バイト先からの表面的な心配の連絡が一番速く来た。この家には偽善者しかいない。

私はただで助けを求めているわけじゃなかった。普段から彼らに思いやりを提供しているつもりだった。母の重い買い物の荷物運び、家事の手伝いはもちろん、私以外誰も聞いてやらない仕事の愚痴を聞いたりしていた。なぜならそれをしないと夜の暴れ方が酷くなるからだ。それをするといつもよりはマシになる気がした。少なくとも暴れてる時に私に攻撃の刃が向けられることは減った。やっぱり母は私を利用しているだけだった。もっと早く気づくべきだった。優しくしたら優しくしてもらえるなんて思った私が愚かだった。見返りを求めるのがおかしいのか？父には母が暴れたら連絡するようにしている。父が母に暴言を吐かれないように。母の暴れ方が悪化しないように。

お腹が痛すぎて911に電話しようかとさえ思った。祖母に電話したかった。きっと祖母になら人間らしい対応をしてもらえる。看病をしてもらいたくて仕方がなかった。

この家は腐っている。自分勝手な人間しかいない。偽善的な人間しかいない。理想的な家族のあり方を維持するふりをして決定的に壊れている。それとも私は甘えているのか？困っている時に助けてくれるのが家族じゃないのか？違うなら家族とはなんなんだ？

もう私は誰も憎みたくもない。怒りたくもない。怒るエネルギーもない。怒っても母はきっと受け入れない。今までの経験でわかる。夜の暴れ方が酷くなって自分に返ってくるだけだ。父？父に話したら同情はしてくれるかもしれない。でも解決策はいつも一向に出ない。ただ、困り顔をするだけだ。すまないと謝られてこちらが申し訳なくなる一方だ。それに祖父母に相談してもお前が悪いと貶されるだけの父をこれ以上追い詰めたくない。家にも家族にも居場所がない大黒柱にこれ以上負担をかけたくない。

家族を見ているとYouNetflix〜君がすべて〜のミスタームーニーを思い出す。身寄りのない主人公を唯一助けてくれ、生きる術を与えてくれはしたが心はない、育ての親。でもみんなそんなものなのかもしれない。もしかしたらこの21世紀に親に助けを求めるのは間違っているのかもしれないね、皆忙しいから。だからこそカウンセリング業が成り立つ。