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ほろよい ひんやり梨(君たちはどう生きるか)

仕事では丁寧で親切な文章ばかり書いている
私でなくてもよい脳みそで代理出産
本当に思っていることが分からなくなってくる

2023年7月16日東京。
暑すぎるしほろよいを飲みながら少しずつ解きほぐしていこうと思います。

かすかな雑音として扇風機の音。
じょうろは漢字で如雨露と書くらしいね。
美しい情景と集合的無意識
エブエブは刺さらなくて君たちはどう生きるかでは涙が止まらなかった。
私はやはり、日本の精神性に根差して生きていて
大好きだってこと、頭よりも体が先に反応したことに安堵した。
”ドチャクソイカした土着信仰”

※ここから映画「君たちはどう生きるか」のネタバレを含みます※

理想の国の均衡が壊れて
前世への扉が閉ざされる
無邪気な生前の魂
それを喰らう業を背負ったペリカン
人間と対等に、時に人間より優位に立つインコ
それらが奇妙な危ういバランスで成り立つ世界

魂は熟すると膨らんで空へ昇る
ペリカンの襲撃をかいくぐったものが
人間として生を受ける
悪意の渦巻く現世に、あまりにも無防備な形で

鳥は境界を飛び越えられる アオサギ、ペリカン、インコ
クロスボーダーして日本人の集団的無意識へ降りていく

自然への畏怖。炎、波、風、石。自然の摂理に意思を見る。

「お父さんの好きな人」を「お母さん」と呼ぶまでの少年の葛藤
火事で死んだ実母の面影を胸に宿しながら口をつぐんでいる
本当は心を開いて甘えたかった
出来ないから頭に自ら石をぶつけて血を流す
自己犠牲と甘え。屈折した幼児性
アオサギが誘う「母に会える。ついてこい」
初めは嘘だと反発し敵意を向ける。
だがぶつかり合いの果てに似た者同士と気づく

「母は生きている」というアオサギの言葉は眞人の幻想そのもの
継母(とアオサギ)を追って森に入る
母性を求めて険しい道を進む

冒険を経て、眞人は母性への依存的な甘えと決別し、
将来母として自らを産む少女と別のドアから現世へ戻る
自立した個人として継母を母と受け入れる
越境の案内人であるペリカンは役目を終えて飛び立つ

悪意に染まっていない石の均衡で
成り立つ理想郷はもはやない
あるのは格差と暴力と貧困と戦争のある世界
だが眞人はこの世界に戻ることを選んだ。
3日に1回石を積んでバランスを維持する世界の支配人ではなく
のっぴきならないプレイヤーとして再びこの世界に戻ってきた

君たちはどう生きるか。
死んだ人は帰ってこない、悪意から逃げられないこの世界を
毎日選び続けている、私たちはいったい




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