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ダレカA

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グイグイ-ラフ・メイカー/BUMP OF CHICKEN(A)

グイグイ-ラフ・メイカー/BUMP OF CHICKEN(A)

 哀愁が漂う空気の中から、勢いよく飛び出す音、オーバー気味なコミカルな表現。まるで、悲劇を無理くりにでも喜劇として塗りつぶそうとして跳ね回っているみたい。

 一緒に収録された表題曲「ダイヤモンド」では彼らの歩みを唄い、コチラでは彼らのスタンスを唄っているように思う。

 というのも、近年の彼ら、特にフロントマンである藤原基央が頻繁に口にしていることの中に、"自分たちの楽曲は、見つけてくれた貴方の

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最硬の4人-ダイヤモンド/BUMP OF CHICKEN(A)

最硬の4人-ダイヤモンド/BUMP OF CHICKEN(A)

 彼らが新たなステージに上がり、初めてリリースした曲は、着飾らない真っ直ぐなモノ。深い所から発せられる声に揺らぎは無く、堂々とした面持ちで響く。辿ってきた自分たちの道程を肯定し、明日を見据えていることが伺える。
 けれども、当時の彼らを考えれば、これから4人がどこまで続いていくのか。一抹の不安があったことは想像に難くない。だからこそ、4つの点が結びつく図形の意味を持ち、最硬の鉱物である「ダイヤモン

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羨むべき矜持-K/BUMP OF CHICKEN(A)

羨むべき矜持-K/BUMP OF CHICKEN(A)

 不吉の象徴である黒を持った物語の主人公は最初は虐げられ、最後はハッピーエンドとなるのが定番。

 御多分に漏れず、この物語の主人公である黒い猫も虐げられ、ハッピーエンドへの道を辿る。ことが出来ず、黒い猫は常に敵に囲まれた状況下を生きる。味方だった唯一の友は道半ばで逝ってしまう。最後は、間際の友の願いを叶えるために孤軍奮闘し息絶えてしまう。そんな悲劇の物語。

 客観的には不幸で報われない一生。だ

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