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羨むべき矜持-K/BUMP OF CHICKEN(A)

 不吉の象徴である黒を持った物語の主人公は最初は虐げられ、最後はハッピーエンドとなるのが定番。

 御多分に漏れず、この物語の主人公である黒い猫も虐げられ、ハッピーエンドへの道を辿る。ことが出来ず、黒い猫は常に敵に囲まれた状況下を生きる。味方だった唯一の友は道半ばで逝ってしまう。最後は、間際の友の願いを叶えるために孤軍奮闘し息絶えてしまう。そんな悲劇の物語。

 客観的には不幸で報われない一生。だけど、その身を燃やし尽くすことを厭わないと思える程の友と出会えたこと。そして、友の願いを叶えたこと。それを思えば、黒い猫の一生に憐れむ要素は微塵も無い。むしろ生を全うすることが出来た。羨むべき矜持を示す物語。
(side A)

side Bによる「K」のレビューはコチラ


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